御狐様の日記帳

□一話
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私はDIO様が大好きだ。

どこが好きなのかといえば、まず、ハーフアニマルでキツネっ子な私を受け入れてくれたところ。

ドヤ顔でポーズを決めたり、人を見下してもカッコイイところ。俺様なところ。自分に絶対の自信があるところ。その他モロモロ。

とにかく、DIO様の全てが大好きだ。

食料の為に連れて来られたけど、ハーフアニマルでキツネっ子な私の血は、ものすごく美味しいみたいで、DIO様の屋敷で飼われることに。意義などあるわけもなく、DIO様の為に血を捧げることが私の唯一のお仕事。おかげで常に貧血状態だけど、この身が滅ぼうともDIO様の為にってヤツだ!

それに、この吸血が何とも甘美で、ガブッとされた時の痛みときたら、もう最高。全身が痺れたような、ソコがキュッてなるような、性的興奮を覚えてしまう。

でも、全然足りぬ。

噛むだけじゃなくて、ついでにセクハラ行為をしてほしい。DIO様の手で身体中を撫で回されたい。身体中を舐め回されたい。私も撫で回して舐め回したい。潔く1発ヤりたい。私の処女はDIO様の為にあるのに!


『どうしていつまで経っても処女膜を突き破ってくれないの!?キツネっ子で新品未使用だよ!一人でシタこともないのにどうして!?他の女とセックスするくせに!こんなのあんまりだァァ!!』

「まだ子供だからじゃあないでしょうか」

『うるさい、Jガイル!鏡さんは鏡の中にでも入って黙ってなさい!』

「つーか、何でお前まで着いてきてんだよ」

「DIO様、絶対怒ってるぜ。八つ当たりされる周りの連中の為にも早く帰った方がいいって」

『絶対にイヤ!私もジョースター御一行の討伐を頑張ることにしたの!ちゃちゃっとぶっ殺して手柄を立ててやるのです!』

「「あっそう、まぁ頑張っ……はああああ!!?」」


DIO様とエロ進展しないのは、DIO様の野望を阻止しようと邪魔ばかりするジョースター御一行のせいだ。アイツ等が妨害するから、ガブリタイムがエロタイムに発展しないのだ。

だから誰よりも先にジョースター御一行をぶっ殺して手柄を立てれば、御褒美としてDIO様と……ムフッ、ムフフ。

よーし、手柄を立ててDIO様と1発やったるぞーッ!!

そう考えた私は、DIO様にナイショで屋敷から抜け出して、今回のジョースター討伐組であるホルホース&鏡さん(Jガイル)と合流した。

私が現れるやいなや二人は顔を真っ青にして頭を抱えてた。そして裏路地へ連れ込んだ。たまたまあった木箱に三人仲良く並んで腰掛けて、話し合っているというワケだ。

しかもこの二人、ジョースター討伐計画を始動してる最中らしく、今からポルナレフをハメるとかなんとか言ってた。ナイスタイミングだ!


『グッド!』

「どこぞのダービー兄の真似やめろよ。可愛い顔が台無しだぜ」

「あのオッサン、ギャンブル依存症だよな。前にギャンブル誘われて断るの大変だった」

『やればよかったのに。この前麻雀やったけどクソ弱かったよ』

「そりゃ相手がお前だから手加減してんだろ」

「お前が負けて魂抜かれた日には、DIO様がダービー兄の魂を消し去るぜ。なんせDIO様キツネっ子大好きだからなぁ」

『なのに何でセックスしてくれないの!?』

「お前がまだ子供だからじゃあないでしょうか」


呆れ顔のホルホースをムッと睨んでも、ボケーッとタバコを吸い始めた。


「DIO様の年齢でよぉ、お前襲ったらロリコンだぜ。俺、絶対引くわ」

「せめて20歳になってからって思ってんじゃねーの?」

『でも、DIO様って、百歳くらいのオジイチャンなんでしょ?どう転んでもロリコンじゃん』

「肉体年齢は二十歳そこらだろ。それに合わせてんじゃね?」

「いや、そもそもよぉ、誰であろうとコイツを襲う時点で……」


鏡さんの視線がコチラに向いた。頭のてっぺんから爪先までガン見してきたので、思わずビンタしてしまった。


「へぶっ!!?な、何するんだよ!」

『ごめん、…何か…凄く嫌だった。不快すぎて……貴方の存在が許せなかった。ポルナレフにぶっ殺されなよ。貴方のやったことって最低最悪だよ。死んで償った方が世の女性の為だって』

「酷くねっ!?」

「アッハッハ!さすがコンの毒舌だぜ。コイツの性癖最悪だもんな。おお、コワイコワイ」


鏡さんの隣に居るのも嫌になったので、ホルホースの隣に座り直した。触れた手が気になったので、ホルホースの洋服で拭ったけど、何かまだイロイロと付いてそうで正直嫌だった。

ゴホンッ、話を戻そう。

鏡さんは何が言いたかったのかというと、私はまだ幼いと言いたかったんだと思う。

そりゃそうだ。私を襲った時点でロリコンになってしまう。ロリコンホイホイな存在。それが、ハーフアニマルなキツネっ子のコンちゃんなのだー!!


『ロリなんて卒業して、早く大人な女性になりたい!大きくなったおっぱいでDIO様のイチモツ挟んでエッチなことやりたいのーッ!!』

「さて、そろそろ行くか」

「アイツ等殺れば報酬たんまりだもんなぁ」


大声で欲望を叫ぶ私を置き去りにして、二人は行ってしまった。別にいいもん。こんなことじゃめげないもん。私にだって考えがあるんだもん。

二人がジョースター御一行を殺った後、私があの二人を殺って、手柄を持ってDIO様の所へ戻れば、御褒美として1発。なんて完璧な作戦なんだ!


『待ってて、DIO様!貴方の為に頑張ります!』


二人のバトルの様子を見届けようと、立ち上がって裏路地を出る。二人はポルナレフとアヴドゥルという男性と戦ってた。

そして、アヴドゥルという男性がホルホースに頭を撃ち抜かれて死んだ。パチパチと二人に拍手を送る。

すると、超ラッキーなことが起きた。なんと、敵も味方もアヴドゥルとやらの死体を放置して、何処かへ行ったのだ!


『これで手柄を横取り出来る!』


証拠の品である首を持って帰ろうと、ルンルン気分でアヴドゥルとやらの死体に近づく。首を切り落とす前に、せめてもの償いで手を合わせた。


『オジチャンごめんね。でも、DIO様と1発ヤる為なの。怨むならいつまで経ってもエッチしてくれないDIO様を怨んでね。どうか安らかに、さようなら』


悼辞の言葉を並べた後、懐からナイフを取り出して、それを振り上げた。


「おい、テメー何者だ」

『ぐえっ!?』


後ろからガシッと首を掴まれた。体が浮いていく。苦しくて足をバタバタさせると、首を掴んだ犯人と目が合った。


「てめーが殺ったのか」


端整な顔付き&長身&学生服&逞しい肉体&物凄い貫禄を持った、憎き敵である例のあの方だった。


「殺ったのかと聞いている」

『……ッッ……』


首が動かせない&声を出せないから、尻尾を左右に振って『犯人違う』ってことを伝えた。


「こら、承太郎!仮にも子供じゃぞ!まず話を聞いてからじゃ!」

「チッ、妙な真似をしてみろ。スタープラチナでテメーの顔面ぶっ壊してやるぜ」


ドサッと地面に落とされた。見下ろしてくるこの人があまりにも恐ろしくて、近くに居たオジイチャンに泣きついた。

あまりの恐怖でガチガチと歯が鳴る。ブルブルと震えが止まらない。恐怖に飲まれた私を、「よしよし、いい子じゃ。もう怖くないぞ」とオジイチャンがあやしてくれた。

でも、「すまんがのぉ、一応敵っぽいから縛らせてもらうよ。なに、軽くだから怖くないぞ」と言って、茨のようなスタンドでグルグル巻きにしてきた。

茨巻きにされた後、例の御方のスタンドがその茨を掴んで、目の高さまで持ち上げた。また目が合ったから速攻そらした。

DIO様ったらこの世の恐怖を詰め込んだ鬼のような人と戦ってるの?ってか皆もこんなのとバトルしてんの?なにそれ絶対無謀だって。勝てる気しないもん。少しの隙すらも作れる気しないもん。


「……アヴドゥル……生きてるぞ!?まだ息をしておる!早く病院へ!」

『ええ!?マジかよ!手柄横取りしてご褒美1発大作戦が失敗とか!うわーん、DIO様とのエッチな進展が遠退いたーっ!!』

「ほーう、やはりDIOの仲間か」

『……う、……ウソだよ〜ん!だ、騙された〜?』

「おい、ジジイ。アヴドゥルの事は任せたぜ。俺はこの小さいキツネから事情とやらを聞こう」

「手加減してやるんじゃぞ」

「分かってる」


私を茨巻きにしたけど優しい方であるオジイチャンは、アヴドゥルとやらの体を引き摺って、何処かへ行ってしまった。

残されたのは、この世の恐怖を詰め込んだような鬼のような御方と、私。


「さて、事情聴取といこうぜ。まぁ、安心しろよ。俺は小さい女に興味は無い。ただし、……DIOについての情報を吐かせる為なら、どんなえげつないことでも、俺はやるぜ」

『……だれか……たすけて……』


DIO様、貴方のご飯であるキツネっ子は敵であるジョースター御一行様に捕まってしまいました。

これはナイショで脱走してしまった罰なんでしょうか?それとも本番行為を求めすぎたからでしょうか?

とりあえず、DIO様、一言言わせて下さい。


「DIOについて詳しく喋ってもらうぜ」


今すぐ助けて下さい!お願いします!
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