御狐様の日記帳
□十話
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イクにイケない吸血タイムのせいで、毎日を悶々と過ごしてる。それを一人エッチで発散させて、空しく眠りにつく日々だ。
でも、もっとキモチイイを身体が知ってるので、一人でシテも発散するどころか、溜まっていく一方だった。
おかげさまで自分の欲情が溜まりに溜まったらしく、ついに元ご主人様とエッチをする夢を見た。
嫌だと泣き叫んでも、子宮に衝撃を打ちつけられて……ムリヤリ犯されてるのに、ナカダシされながらイッてしまう。そんな夢だ。
『…ッ…ん…………ハッ!!?』
寝起きから絶望した。エッチな夢を見てイッてしまったのだ。あろうことか!ジョータローで!
日頃の欲求不満を解消するために、アイツをオカズに一人エッチしてたけども!まさか夢でイッてしまうとは思わなかった。
でも、スッゴく気持ち良かった。あの時と同じで、奥まで犯されて……身体がフワフワで、アソコが熱くて。
『…ッ……ぁ………』
自然とアソコに向かって手が伸びてた。自分の指でアソコをなぞると、ビックリするくらい濡れてる。それだけ夢の中のエッチが気持ち良かったのだ。
声を出さないように、自分の指を噛みながら、アソコのナカに指をいれていく。
生暖かくてグチュグチュしてる肉壁を擦って、元ご主人様の感覚を思い出して、その感覚を何度も何度も反芻させて、自分自身で絶頂に導いていくんだ。
『…んッ…、…ッッ…』
ギュウギュウにしまって、ビクビクと震えるアソコから指を引っこ抜く。やっぱり指でも足りなくて、今すぐアレがナカに欲しくて。
『…ッ……ジョー……タ………ハッ!!?いかんいかん!しっかりしろ!』
朝から何をしてるんだと、自分の頬をパンッ!と叩いて、濡れたアソコを洗いにシャワールームへ。
まるで思春期の男の子のようだ。男の子だったら確実に夢精してた。いや、女の子でもある意味夢精みたいなモノか?どっちにしろ絶望だわ!私にはDIO様が居るってのに、別の男を求めるなんぞあるまじき!
でも、オカズは自由だし、欲求不満で夢でイッてしまったけど浮気じゃないし。ってか、元々の原因って、欲求不満?だとしたらヤバくない?
二十歳になるまでエッチはお預け。ってことは、あと数年、この欲求不満と付き合っていくしかない。
『いやぁ〜、ムリっショ。三大欲求の一つである性欲を抑えられる人なんてこの世に居ないッショ。睡眠と食欲、そして性欲を満たされて人は幸せを感じるッショ』
だが、現実は、睡眠欲と食欲を満たされてる状態でキープ中。三大欲求が満たされるまで、あと数年かかる。
一人エッチで発散しても、逆にムラムラして、それが募りに募って、夢イキという現象を引き起こしたワケで。ってか、一人エッチなんかじゃ欲求は満たせない。
この溢れんばかりの性欲をどーしたらいいの?数年なんて待てないよ。もしその途中でジョータローに会いでもしたら、高い確率でイッちゃう。限界までイッちゃいたいデス!
『なるほど、こうして浮気心が生まれていくのか。……フム、欲求不満がこれほど恐ろしいモノだとは……、これはマズイ。早急にどうにかする必要がありそうだ』
深刻な事態に気づけたので、身支度を済ませて、自室をあとにした。向かう先はキッチンだ。
目的地に着くとダービー弟が椅子に腰掛けて紅茶を飲んでた。私を見るなり嫌そうな顔をしてたけど、そーいうの慣れてるので隣の椅子に腰掛けて、一方的に悩み相談を始めた。
『ってことで、欲求不満の解消法を教えて下さい』
「知らないです」
『知らないってことはないでしょうよ。ダービー弟って雄でしょ?そーゆーの慣れてるでしょ?どうやって解消してんの?』
「何であなたにプライベートな事を言わなきゃならないんですか」
『DIO様にあることないこと告げ口して殺してやる』
「分かった、分かりました!相談に乗ればいいんでしょ!」
『やった!』
「クソッ、厄日か、今日は!」
喚くダービー弟に改めて、実はカクカクシカジカで……と、お悩み相談。詳細は省いての内容だけど、知りたいことはただ一つ。欲求不満の解消法についてだ。
「……つまり、欲求不満を解消するために何をすればいいかってことですか」
『そう、それ』
「潔く浮気します」
『なにそれサイテー』
「非処女に言われたくない」
『もっとサイテー』
「……は?マジ?……うわ、あれだけDIO様命って言ってたのに、……相手は?ジョースター……若い方?……マジか……うっわー……引くわー……」
『イエスノー嘘発見器で色々調べるの止めてよ!』
「ってことは、アレですか?承太郎に性的調教されて、快楽にドハマリしたキツネ様は、承太郎が居ない今、その教え込まれた快楽をもて余してるワケですか?」
『……』
「それを発散させるためには二十歳まで我慢。でも、調教されてドハマリした身体は我慢の限界。……ほうほう、それで欲求不満の解消法、ねぇ」
『あーあーそうですよイエスイエスイエスイエスだよ!何なの!詳細を省いた乙女心を察してよ!』
「しかし、よくDIO様がお許しに……いや、許すか。あの人誰よりもキツネ好きだからな。……で?解消法でしたっけ?あー……ヤったらどうですか?スッキリしますよ、色々と」
『浮気はしない主義なの』
「いや、承太郎とじゃなくて、DIO様と」
『あっ、そっちね。DIO様と出来ないから相談してるの』
「ああ、そうでしたね」
『……』
「……」
『……』
「どうぞ二十歳まで我慢して下さい。いい暇潰しになりました。ありがとうございます」
『ダービー弟の役立たずゥゥウウ!!』
キッチンから飛び出した。得られるモノどころか失ったモノの方が多かった気がする。
詳細がバレて赤っ恥だし、ダービー弟にしてやられた感ハンパ無いし。つーかアイツ死刑決定。目撃者は消される運命にあるのだ。
DIO様にサクッと殺してもらおうと、DIO様ルームを目指して、スタタタタッと走ってると、真っ黒いナニカが横切って、私の行く手を阻むように立ち塞がった。真っ黒いナニカから出てきたのはヴァニラアイスだった。
「話は聞かせてもらった!今こそキツネを狩る絶好のチャンス!フハハ!DIO様にチクって貴様を死刑に処す!これで私がDIO様の一番になるのだー!!」
ヴァニラアイスはドヤっと叫んで、また真っ黒いナニカに変身して、何処かへ行ってしまった。
『待ちやがれ、モッコリ野郎!貴様みたいなモッコリ野郎にDIO様のお気に入りの称号は渡さぬゥー!!』
ヴァニラアイスが向かった先はDIO様ルームだと思うので負けじと走った。でも、思うことがあったので、スライディングして、近くにあった柱に頭突きした。
『欲求不満の詳細がその他面々にバレてる!!?』
「キツネの話を聞こうとキッチン周辺に集まってましたよ」
『何奴!!?』
「ケニーGです」
『あー、マヌーサ担当ね!……ふむ、マヌーサか。……ちょっと相談なんだけどさ、その幻覚でDIO様みせてくれない?幻覚でもいいから一発ヤれば収まると思うんだ』
「……みんなァァア!!キツネ様が発情期ってマジ話ッグギャアアア!!?」
余計なことを口にしようとしたマヌーサ担当をドロップキックでやっつけた。ピクリとも動かなくなったので、ボイラー室まで運んで捨てた。
気を取り直してDIO様ルームを目指そうとボイラー室を出ると、「キツネ様!」と声をかけられた。
私よりもヌケてるヌケサクだ。ヴァニラアイスのこともあるし、今は時間が惜しいので、走りながらヌケサクの話を聞くことに。
「欲求不満解消法を知りてーらしいじゃねーっすか」
『マジで私のプライバシー漏れまくってんのね。何なの、何で皆して聞き耳立ててんの?』
「意外と壁が薄いんすよ。気をつけた方がいっすよ。小さい音でも響くんで」
『マジか、知らなかったわ。情報、ありがとう』
「そうそう!それで、欲求不満解消法、思い付いたんすよ。……夜這いしてみたらどっすか?」
『夜這い、だと?』
「あのDIO様もキツネ様に夜這いされた日には……きっとガンガンいこうぜが発動すると思うんす」
『……夜這い……』
「ダメ元でヤってみて、失敗しても悪いことにはならないっすよ。まっ、頑張ってくだせぇ!」
ヌケサクはそう言って立ち去ってった。
夜這いを知らないワケじゃないし、何度か考えたけど、違う!私は襲いたいんじゃない!襲われたいの!って思って避けてた。
でも、夜這いでも、キッカケさえあればガンガンいこうぜが発動するってこと?夜這いからの一発昇天オチも夢じゃない?ヌケサクの言う通り、ダメ元でヤってみる価値はありそうだ。
DIO様ルームへ向かってたけど、変更して自室へ。おもちゃ箱からあるものを引っ張り出して、再度DIO様ルームへ向かう。
『よし、頑張ってみるぞ!』
重厚感のある扉の前で、気合いを入れて、天国への扉を静かに開けた。