御狐様の日記帳

□1話
1ページ/2ページ

ジョータローにゴックンを強要された日から、9年が経った。

今に至るまでの経緯を説明する。あの日、ジョータローとケンカになったけど、この世の恐怖を詰め込んだジョータローに勝てるはずもなく、私が泣く泣く謝る羽目に。反抗的だったってことで、お仕置きとして【オクチでご奉仕・リベンジ編】をすることになった。

しかし、オクチで受け止めることが出来ても飲むことが出来ず、オクチに精液を含んだままジョータローとにらめっこ。「飲め」という命令だけは絶対に聞けなくて、首を横に振って返事をした。

精液の生臭いにおいが上がってきて、『ぶふええ!!』と吐き出しそうなのを堪えたと思ったら、鼻の奥がムズムズッとして、やっちまったのだ。『ぶえっくしょん!』と、盛大なくしゃみを。

勢いよく口から飛び出た精液はジョータローの顔面に直撃。死んだと思った。これはもう死ぬしかないなと。だったら逃げるしかないなと思い、全裸であることを忘れて全力で逃げた。

知らない土地に着いた。

途方にくれてた全裸の私を拾ってくれたのは、遠方から遊びに来ていたという東方ファミリーだった。

DIO様のことを第一に思うのなら、ジョータローの家に戻るべきだと思う。でも名前は知っていても、名字も、電話番号も、住所も、何も知らなかった。

そもそも私の家はエジプトだ。DIO様の修復待ちを理由に、ムリヤリ日本に連れてこられただけ。日本について何も知らないし、エジプトに帰るお金もない。あっ、これ詰んだ。そう理解したから、東方ファミリーに事情を適当に説明した。

『ご主人様に粗相しちゃって、殺されるって思ったから逃げてきたの』

東方ファミリーはキツネ様を迎え入れてくれた。とてもイイ人達だ。おじいちゃんとママと、ママの息子さんの三人家族。ママはシングルマザーでパパはいない。

東方家はとても居心地が良い。雰囲気もそうだけど、何よりもみんなが優しい。生まれて初めて家族ってものに触れた。それがとてもくすぐったくて温かかった。

そんなこんなで気づけば9年も経ってしまった。

あーんなに無邪気だったキツネ様もとっくの昔に大人の仲間入り。だからこそ気づいたこともある。

DIO様はこの世にいない。エジプトでジョータローに殺されたんだと思う。

東方家に拾われて、最初の5年間は素直に待ってたけど、ようやく気づけた。体の修復に5年も掛かるはずないし、仮にそうだとしても部下の1人も迎えに寄越さないのもおかしい。現に世話係のジョータローすら……

それに気づくと、全てが繋がる。あの日のエジプトでの意味不明な目隠しやら耳栓やら、ジョータローの挙動不審っぷりやら、おかしさ満点。何であの時気づけなかったんだ。もし気づけてたなら、死ぬ覚悟でジョータローにナイフの1本くらい突き刺したのに。

なーーんて、後悔しても、もう遅い。

待ち続けてた5年で、DIO様と同じくらい大切なモノが出来た。今になってそれを捨てる勇気を持てなくて、ズルズルと生きてる。

6年目はあまり覚えてない。この世のどこを探しても、DIO様が居ない。2度と会えないって思うと涙しか出てこなくて、死んだように毎日眠り続けた。

7年目は自暴自棄に陥った。ママが言うには、「自暴自棄でも何でもいいのよ。アクションを起こしてくれた。眠りから覚めてくれた。それで良かったと思うわ」とのこと。心配ばかりかけたのに、本当に優しいママだ。

8年目はようやく立つことが出来た。まだ前を向いて歩くことは出来ないけど、立とうと思った。ママの知り合いの人が経営するお店で働くことにした。お酒をメインに提供するコジャレた飲食店で、男を含めて色々な人と出会った。この世の中には色んな人がいるんだなと学んだ。彼氏も数人出来た。どれもダメだった。どうしてもDIO様と比べてしまう。セックスに至ってはジョータローが基準になっているから、どいつも下手くそ過ぎて満たせない。

9年目、つまり今、まだ前を向いて歩くことは出来ないけど、立ち続けることには慣れた。それについて考えたくないだけかもしれないけど、それでいい。あの日々みたいに眠り続けるよりか数億倍マシだ。


『あーーつーーいーー』


夏の残暑が残る秋の日のお昼、リビングのソファーに寝転んでた。自室にエアコンが無いからリビングで寝ようと思ったのに、窓から差し込む日差しのせいで、エアコンが全くと言っていいほど効かない。

暑さのせいで、頭がクラクラする。明け方に仕事が終わって少し寝不足で、休みだからと少し飲みすぎたせいもある。クラクラする頭でキツイのに、暇さえあれば出てくる記憶。


『暇なんだけど〜〜』


今はまだ思い出したくなくて、私と同じく清涼を求めて避難してきたであろう絶賛ゲーム中のジョースケに、クッションを投げ付けた。

怒らないのは当然としても、ゲームを止めないのはどうかと思う。テレビまで占領するなんて、これじゃお昼のつまらないワイドショーが観れないじゃない。


『あーやだやだ、返事もしない気のきかないなんてサイテー。お姉さまはこんなに暇してるってのに』


ダルそうに文句言ったら、ようやくジョースケの口が開いた。


「今日は仕事じゃねーの?」

『休みなの〜』

「休みなのに家に居るってことは、またフラれたのかよ」

『フラれてないわよ。つまんない男だったからフッてやったの。あんたの粗末なモンじゃ全然満たされないってね』

「イロイロと御愁傷様ッス」

『それよりあんた大丈夫なの?中学生の元気盛りなんだから、ゲームの雌と遊んでないで現実の雌と遊びなさいよ』

「俺はどこぞの尻軽キツネ様と違って純情の純愛派。遊び目的で付き合うとか、ぜってームリ。真面目に一筋が俺の信条」

『ふーん』


ジョースケは中学生、しかも今年受験生。彼女の1人や2人いるものと思ってたけど勘違いだったようだ。どこぞの尻軽キツネ様のせいで、恋愛に幻想を抱きすぎてるからだろう。つーか誰が尻軽キツネだ。

お姉さまに何て口をきいてるのと、文句でも言ってやろうとジョースケを見ると、ふっとジョータローを思い出した。気のせいだと思いたいけど、成長すればするほど、ジョータローに似ていく。骨格も然り顔立ちも然り、親類関係を疑うほどに。

だからだろうか?心にもやもやっとしたモノを感じた。

ここに居るのはジョースケだけど、あまりに似てるから、ジョータローに対する感情とごちゃ混ぜになったのだと思う。

ダメだ、ここに居るのはジョースケなんだ無関係なんだと首を振って、負の感情を払拭しようとしたけど、クラクラするほど眩しい日差しが、私の脳ミソをじわりと溶かした。

ぼやけてく視界に写るのは、ジョータローにそっくりなジョースケ。分かってる。違うって分かってるのに。

ジョースケと変わらない歳ごろに、貞操も純情も純愛もぶっ壊された。純情の純愛気取りがムカつく。幻想を抱けてることが腹立つ。壊してやりたい。

今度は私がーー


『ジョースケくーーん』


ソファーから立ち上がると頭がフラ〜〜ってして、少しよろけた。汗ばんだ肌が気持ち悪い。今すぐシャワーしたい。でも、バスルームじゃなくて、テレビを遮るようにジョースケの前にしゃがんで、ニコニコと微笑みかけた。


「何?見えねーんだけど」

『お姉さまが遊んであげる〜〜』

「いや、いらない……うわああ!!」


断ろうとするジョースケの股間に手を伸ばして、あれを握った。本当は押し倒したかったけど、中学生に似つかわしくないこの巨体を倒せるほどのパワーはない。


「ちょっ、何してんの!やめろって!」


まだ柔らかいあれを指で擦ると、すぐに大きくなった。言葉と裏腹、それが面白くてクスクス笑った。


『お姉さまがハジメテをもらってあげようかなぁ〜って』

「意味分かんねーし!」

『いいから、いいから。お姉さまに任せてなさい。きもちよーーくしてあげる』


あれに顔を近づけた。服越しにキスをするとあれがビクンと動いた。素直でかわいい反応と、何だかんだ言いながらも止めないジョースケの煩悩に、クスクスとした小さな笑い声が止まらない。


『素直でイイコね〜』

「っるせ」

『イイコにはご褒美あげなきゃね〜』


服をずらして生のあれを取り出した。ペロリと出した舌で下から上に舐め上げた。ジョータローに負けず劣らずの大きさで、形も良い。上手く咥えれるか不安だけど、あの時以来の上物だ。これならようやく満たされるかもしれない。

ずっとずっと足りなくて、骨の髄まで教え込まれた快楽をもて余して、他の男にもムリで、1人でシテも満たされなかった。それがようやく……ここにくる。

岩のように固くて、間違いなく奥まで届くあれが、ここに。

子宮がきゅーっとなった。じわっとアソコが濡れるのが分かった。興奮し過ぎて、服が擦れるだけで胸からも気持ちいいモノがくる。自然と息が上がっている。


「っは」


ジョースケの息も上がっている。興奮した雄のその吐息も私を満たす1つのモノ。もうたまらなくて、あれを舐めながら自分のズボンを脱いだ。


『……もうダメ。……我慢の限界!』


あれから顔を離して上体を起こした。上に乗ろうとしたけど、ジョースケが押し倒してきたから、お腹を蹴ってやった。


「痛え!」


ゴロリと横に倒れてお腹を押さえてるジョースケからズボンを剥ぎ取って、上に跨がった。


『あんたは何もしないでって言ったでしょ?』

「それ初耳ッスけど!」

『お姉さまの許可なく触ったらダメ。セックスの主導権もお姉さまが握るの。約束、守れるかな〜?』


あれを掴んで固定させた。あれの先端にアソコを押し付ける。グリグリと、返事次第で挿入することを示すように。

ジョースケは素直だ。主導権を握られるのは嫌だと眉間にシワを寄せてるけど、目は欲情に濡れている。何か言いたそうに、でも言えなくて口をモゴモゴさせたあと、小さく頷いた。


『イイコね〜』

「っ」


ご褒美だと言わんばかりに、ズズッと腰を落としていく。セックスはしてたから慣れてると思ってたけど、この大きさは規格外過ぎて上手く入っていかない。でも、それがまたすごく良い。

慣らすようにゆっくりと時間をかけて入れていくから、あの時のことを思い出す余裕もあるわけで。ぐるぐると反芻させてく快楽が、すぐに体中にまとわりついた。


『これ、おっきすぎ。……すごっ、……ハマっちゃうわ』

「あームリ!」

『んああ!』


ジョースケの手が腰を掴み、それと同時にずんっと奥まで届いた。ビリリと何かが弾けそうだったけど、まだ足りないし、そこじゃない。ハジメテのくせにハマっちゃうのは同じらしく、動きを止める気配のないジョースケから、あれが抜けるように腰をずらした。

ぬぽっと抜けたあれをそのままに、純情と純愛を忘れて快楽一色のジョースケを笑顔で見下ろした。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ