番外編/短編/過去拍手文/
□御猫様の恋の駆け引き事件簿〜シリーズ2〜
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次の課題は、
【ステップ5、彼の趣味や関心事に共感してあげる】
【ステップ6、悩みを相談する】
である。
カーズ様の趣味や関心事といえば、リサリサ先生が前に言ってたので、心当たりがある。
「何千年って眠ってたような少し知能の高い原始人よ。その原始人が目覚めてすぐに可愛い女の子を見たらそりゃもう子作りしたくてたまらない盛った猿になるのは当たり前。」と。
つまり、カーズ様は子作りに夢中。それに共感ってことは、子作りをイメトレをすればいいってこと!早い話、エロい妄想をすれば【ステップ5、彼の趣味や関心事に共感してあげる】はクリアだ。
全くけしからん!寝て起きたらとりあえず発情とか獣と同じだ。まぁ、数千年眠ってたらしいから溜まっててもおかしくないのかもしれないけど。よし、そこを踏まえた上でイメトレをしよう!
『さぁ、今日もはりきって妄想するぞー!テーマは、処女喪失をテーマにドSテクニックで快楽オチだ!ぐふ、ぐふふ』
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注意:御猫様のイメトレ(妄想)です。話の流れがいきなり変わったりします。ツッコミどころ満載です。キャラ崩れアリ。
でも、全て御猫様の妄想です。
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柱の男達の住み処である古城。そこに一匹のネコがいた。このネコはカーズ様の奴隷ネコ。だが、奴隷とは名ばかりで、酷いことをされるワケでもなく、割と自由に暮らしてる。
カーズ様に捕らわれて数週間、この生活にも慣れた今日この頃。ここに来てやっと下ネタ事件が起きた。
エシディシお兄ちゃんやワムウさんとツイスターで遊んだり、ワムウさんとお菓子を作ったり、ネコは今日もみんなと仲良く過ごした。
楽しい一日も終えて、寝る準備をして寝室へ。ベッドにダイブして、明日は何をして遊ぼうかと考えながら、ネコは眠りに就いた。
その数時間後、ネコの部屋にとある人物がやって来た。柱の男達のリーダーであるカーズ様である。カーズ様は気持ち良さそうに眠ってるネコに近づくと、さも当たり前のように、丁寧かつ慎重に、ネコのパジャマを脱がしたのだ。
「今日も、私が教えてやろう」
ネコは裸にされた。その裸体の上をカーズ様の指が這う。寝ていてもくすぐったい感覚はあるらしく、ネコは寝返りを打ち、うつ伏せになった。
でも、カーズ様はバレることを恐れることなく、慣れたように、ネコの背中に舌をツゥと這わせた。
『んぅ』
「今日は後ろから攻められたい気分か?日に日に反応が良くなっているぞ」
実はこれが初めてのセックスじゃない。カーズ様は、ネコを捕らえた次の日から、ネコが寝ついたのを見計らって夜這いをしていたのだ。
目的は子を成すため。そのために、ネコの初めてを勝手に奪い、自分の子種を中へ放っていた。
子を成すためのセックス、それは短時間で済む。だが、ある日を境に、子を成すためという目的を失うことになる。
それはある日の夜。ナカに挿入しても無反応だったネコが、『…ぁ…』と卑猥な声で鳴いた。カーズ様は耳を疑ったが、反応があった場所をもう一度ゆっくり突くと、『…ん…』と卑猥な声を上げて、アソコをギュッと締め上げたのだ!
ネコの反応を見て聞いたカーズ様は、腰がビリビリ痺れる感覚を味わった。ネコのたった一声で興奮してしまい、それだけでイッてしまいそうになったのだ。
「お前の反応があるだけで、こうも違うのか。たかがセックスだと思っていたが、……悪くないぞ」
この日を境に、カーズ様は、寝ていても反応がある場所を見つけては、そこをどうやって攻めればもっと鳴いてくれるのか、毎晩のように探しては試していた。そのせいで、寝ていても快楽を感じる身体になってしまっていた。
それに気づきもしないネコは今日もなされるがまま、カーズ様から受ける快楽を寝ながら貪ることになる。
『……あッ、……んぅ』
アソコに指を挿入してネコの反応を見ながら動かす。ナカのザラついた箇所を優しくそっと擦れば、小刻みに震え始めた。イキたいと訴えているのだ。昨日よりも反応が良いネコのアソコから指を抜いて、濡れた指をぺろりと舐めた。
「そろそろいいだろう」
うつ伏せになってるネコを仰向けにして自分のナニをネコのアソコにあてがった。
グッと腰を押し進めていく。ナカの温もりと粘膜、感触がナニを包み込んで、早くナカに出せと促してくる。カーズ様はギリッと奥歯を噛んで、今にも出てしまいそうな欲を堪える。
本当は吐き出したいがねむぅ〜あしたのごはんはんばー
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『……ぐぅ〜……』
風呂に入り自室に戻ると、ハルが俺のベッドに寝ていた。我が物顔でスヤスヤと気持ち良さそうに眠ってる事に少しモヤっとしてしまった。
夜な夜な起こしに来るネコのせいで、こっちは寝不足だっつーのに。ってか一緒に寝ようとするの止めろ。俺、こーみえてもオオカミよ。ガウガウ食べたいの我慢する身にもなってくれ。って、コイツに言ったところで、どうせ聞いちゃくれねーだろうけど。
「はぁ、俺ってスッゲーお人好し」
自然と出てくるため息と愚痴を吐いてベッドに腰掛けた。ネコを見るとメモ張に顔を埋めてペンを握りしめた状態で寝ている。
何やら【これで貴女も報われる!片想いの男を落とす10の方法!】の続きを書いてる途中で眠ってしまったようだ。
そんなの考える前に【これで貴方も報われる!尻尾で分かる小悪魔ネコの10の気持ち!】を教えてほしい。って思ったのは俺だけじゃないはず。
「無駄な事やってんなぁ。お前がその気になれば落とせない男なんて居ないっつーのに。もし落ちなかったらソイツは大バカだぜ。んで、今日のイメトレ成果はどんなかにゃ〜?」
寝てるコイツからメモ張を取り上げて、今日のイメトレの成果を読んだ。目が死んだ。
「とんでもねえモン書きながら寝てんじゃあねーよ、このエロネコめ。恥を知れこのバカ」
何があって【ステップ5、彼の趣味や関心事に共感してあげる】がカーズとの子作り話になったんだ。いや、そこを掘り下げても理解し難い話をされるだろうからもう放置でいいや。
それよりも、カーズで睡姦ネタを考えるなんてスッゲーって気持ちの方が勝っちまうぜ。処女ビッチの妄想怖いわ。でも、実はこれが願望だったり……しないよねぇ〜?
そういや前に、好きな男のタイプを聞いた時、『ドSで変態の何が悪い!平気で寝込み襲って寝てる間に調教してそうなレベルのドSがいいの!』って言ってたな。ってことはつまり、そーいうこと?
「ヤベッ、元気になってきた」
メモ張に書かれた妄想ネタがコイツの願望かと思うと、よりリアルなモノに感じて想像してしまう。
眠ってる隙に初めてを奪われて、眠ってる間に快楽を叩き込まれる。目覚めた時、その快楽は……イカンイカン。想像すると理性のストッパーが外れちゃいそう。
「寝よ、寝てやり過ごそう。でも、腕まくらは許してね〜ン。ネコとの添い寝は癒されるの〜」
一人言を言ってもまったく起きないコイツに腕まくらをして、グッと腰を抱いて引き寄せた。人肌よりも温かいネコの体温が疲れた身体を癒してくれる。
アホなことを喋らなければ超可愛い癒し系なのに。って、本人目の前にして言えないことを心の中で呟いて、目を閉じた。
波紋の修行の疲れですぐに眠りについて寝ていたのだが、どこぞのアホネコが大声を出しながらバチバチと叩いてきた。
『いつの間に帰ってきたの!?ねぇジョセフ!見て!これ見て!イメトレの途中だけど、どう!?ちゃんとヤラシー感じで書けてる!?起きて!ね!』
あーあ、こーいうワガママな所はどうかと思う。でもそれだけ俺に構ってほしいのかと思うと怒れない。だって可愛いんだもん。ネコ飼ってる人みんなそうだと思うもん。ぼくちんネコに滅法弱いの。
でも寝かせて。今日はお願いだから寝かせてくれ。いきなり(主に深夜や明け方に)元気になるのやめて。そのテンションについてけないの。って切実に思う感情も、ネコ飼ってる人みんなそうだと思うの。
『ねぇジョセフ起きて!どしたの!?何で起きてくれないの!?もう少し殴ろうか!?』
起きるまでずっと叩いてくる&マジで殴られるだろうから、観念して目を開けた。御猫様の綺麗な瞳に死んだ目をした俺が写っていた。
『起きた!あのね、今から頑張って【ステップ6、悩みを相談する】を書くの!すぐに出来るから待っててね!』
「あー、もう遅いだろ?俺がお前の悩みを聞いてやるから、それでステップクリアってことにしようぜ」
『んー、……そうだね!たまには実践を挟むのもいいかも!』
何もよくないし今すぐ寝たいんだけど、さっさと寝る為にもニコニコ笑顔の御猫様の悩みを、死んだ目で聞くことにした。
どうせ御猫様の悩みなんて『尻尾の毛が絡まる〜』とか『尻尾のお手入れが大変〜』とかだろ。テキトーなこと言って寝るに限るぜ。
「で、可愛い御猫様のお悩みはなにかにゃ〜?」
『……あのね、……私って処女じゃない?』
「ああ、ダメだ、これさっさと終わらない&俺が悩ましくなる系のお悩みだ」
処女ってワードで頭を抱えた俺に構うことなく御猫様はお悩みを暴露しだした。しかも恥ずかしそうに。
『この前……ジョセフの……アレを……見たじゃん?……アレが……その……大きくて……ホントに……はいるのか……怖くて……』
一体俺は何を試されてるんだ?それともなけなしの理性で遊ばれてんの?ただ寝たいだけなのにどうして毎日毎日理性の試煉が始まるの?どっちにしろ俺の理性ヤバイことになってきたんだけど。恥ずかしそうにするコイツにカブリついてオオカミみてーにワフワフしたいんだけど。
『……指よりも……アレの方が太いのに……無理だよ……』
よし、する。絶対にワフワフしてやる。もう我慢出来ねぇ。【運命】なんてくそ食らえだ。無理矢理でも既成事実作って俺の女にしてやる。酷い?いやいや、絶対に幸せにしてやんよ。それだけは保証する。だから恋の駆け引きも過程もどーでもいい。結果的にコイツを手にすれば、あとは幸せな二人の未来が待ってるのよ〜ん。
しかし、耳まで赤くして恥ずかしそうにする御猫様なんて激レアだ。超可愛い。超天使。ぐふふ、俺の数分後の未来の彼女、超可愛いの〜。
『……えっと……』
「あー、うおっほん!」
返事がなくて不安そうな御猫様に咳払いで返事をした。そして俺は、ハルの腰をもっと抱き寄せてオデコにキスをした。
唇を何度も何度も押し付けて、これからの事を暗示させるように、じっくりと。すると、小さな手が頬を撫でてきた。
たまらずに俺は、ハルの腰をもっと抱き寄せて唇にキスを……って前に、背中からドスッドスッドスッというリズミカルな音が聴こえた。
「はぎゃああああ!!?」
まただ。また例の万年筆によって邪魔された&負傷した。何でだ。何でコイツとの恋の駆け引きを発動すると万年筆まで発動するんだ。御猫様七不思議の一つ【呪いの万年筆】だ。
『んもう、お悩み相談中に万年筆で遊ばないでよ!失礼しちゃう!もういいもん!ジョセフなんかに相談しない!じゃ、おやすみなさい!』
血に濡れた俺を見ても何ともなさそうに寝返りを打ってスヤスヤと寝だした。失礼なのお前だしもっと心配しろってか無理矢理叩き起こしてこれってどうよ!って怒鳴りたかったけど、俺は真っ暗な世界へ意識を手放した。その時に俺は初めて知った。
ー「僕の孫だからって許さないよ。御猫様は僕だけの御猫様なんだ。お前なんかに渡すものか。絶対に!」ー
御猫様の側に、真っ黒い闇を抱えた万年筆を持った何かがいることを、俺はこの日初めて知った。って、恋の駆け引き関係無いネタになってるぅぅ!!?