番外編/短編/過去拍手文/

マタタビドリンクスーパーEX
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『マタタビを知ってますか?』

「ああ?」


ネコが大好きでたまらないマタタビ。ひと嗅ぎすればアラ不思議、どんな凶暴なネコも一瞬で虜にする、最強のマタタビ。(個体差あり)

今回は、そのマタタビに関する出来事を紹介しようと思います。

承太郎さんの隠し子事件もフェアリープッチさんの事件も落ち着いて、いつもの日常に戻ったある日のことーー


「うそつき、最低、俺の純情返せ」


その日、ジョースケ君から連絡がありました。フェアリープッチさん事件の時、協力してもらう代わりに日本に遊びに行くっていう約束をしていたんですが、すっかり忘れてまして。いつまで経っても連絡が来ないからと連絡をしてみれば、これ。ジョースケ君に怒られてしまいました。


『ごめんね!本当にごめんなさい!』

「お詫びのセックスしてくれるんなら許してあげるっスよ」

『ムリ!それは絶対にムリ!』

「断れる立場かよ〜、このうそつきネコ」

『ぬぬ』

「んじゃ、キスは〜?」

『……おでこでいいなら……』

「えー……まぁ、別にいいけど」


これ見よがしに下ネタ展開を繰り広げようとするジョースケ君を回避してると、ヘリの音が聞こえてきました。今日は物資の補給の日です。


『ごめん、荷物が届いたみたい。すぐに戻るから待っててね』

「はいはーい」


ケータイの通話ボタンを切って、急いでヘリポートへ向かいました。御猫様ヘリコプター専用運転手である毎度お馴染みのマイケルさんと少し世間話したあと、段ボール5個分の荷物を家まで運びました。

5個の内3個は食材と日用品、1個は洋服と化粧品、もう1個が御猫様宛てのプレゼントです。

食材を倉庫の冷蔵庫にいれて、プレゼントが入ってる箱を開けました。たまに食べ物とか入ってる可能性がありますから、要チェックなんです。

今回は、【御猫様専用マタタビドリンクスーパーEX】というドリンクが5本ほど入ってました。ネコ騙しドリンクです。本当に懲りない人です。ここまでくるとトコトン抜けてる人です。


『こんな物、こうするにゃ!』


ちょうど喉も渇いてたので、【御猫様専用マタタビドリンクスーパーEX】5本、全て飲み干しました。ついでに承太郎さんに苦情のメールを入れてやりました。


【御猫様にマタタビは通用しない!我、ワインをご所望する!】


食べ物系はコレくらいで、残りは雑貨ばかりでした。今はジョースケ君を待たせてるので、あとで開封することにしましょう。怪しい物から愉快な物まで様々な物があるので、開封するのが楽しみです。


『お待たせ、ジョースケ君。あのね、例のプレゼント届いたの。今回もいっぱい入ってた』

「あー、例の怪しいプレゼントね。一人で開封すんの止めろよ。変なの入ってたらどうすんの」

『そうだ、聞いてよ!【御猫様専用マタタビドリンクスーパーEX】っていうドリンクが入ってたの!またネコ騙しだよ!どうせならワインがいいのに!』

「マタタビドリンク?何かどっかで聞いたことあるような……はっ!!?」

『何?』

「もしかして……飲んだ?」

『うん!飲んで苦情のッッ!!?』


バグンッと心臓が飛び上がりました。あまりの衝撃に、今にも飛び出そうな心臓を押さえて、その場にうずくまりました。呼吸も尋常じゃないくらい荒くて、次から次に汗も出てきました。

いえ、身体の変化というか、身体の異常もおかしいのですが、1番の異常は、私の言動でした。


『……ふにゃん……にゃーん!にゃん、にゃーん!』


何かもう床でも何でもいいからゴロゴロせずにいられないのです。まるでネコのように身体をくねらせて、何度も何度も寝返りを打ちました。でもこんなのじゃ全然足りません。

なんと言えばいいんでしょうか。何年もの間、セックスのお預けを喰らってる気分といいますか、理性という名のネジが弛んだといいますか、とにかく発情です。御猫様は発情期を迎えたんです。


「おい!おい!にゃーにゃー言ってるけど大丈夫か!!?」


突然聞こえた雄の声に、私の眠ってた野性的な本能が反応してしまいました。


『ジョースケ君、ジョースケ君!だいじょうぶだよ!』


ケータイの通話をスピーカーにしました。


「ほんとかよ」


それから聞こえてくる雄の低い声に、ゾワゾワっと背中が震えました。発情期のせいで鼓膜まで敏感になってしまったんだと思います。

もっと聞きたい、ゾワゾワしてほしい、好き、もっともっと……

相手はジョースケ君だというのに、私は卑しい雌猫のように、ケータイに耳を近づけて甘い声でおねだりしました。


『……ジョースケくん……、もっとゾワゾワちょーだい……』

「なんッッつーエロい声出してんスか!ダメダメ、そーいう冗談は絶対にダメっスからね!」

『……おねがい、……もっと』

「ダメ!!」


これは異常事態だと自分でも分かってるんです。でも、静めたくて、ヤりたくて、メチャクチャにされたくて、目覚めた野性的な本能は止まりません。本能が剥き出しです。

だからっていう言い訳になりませんが、自分の指をパクリと加えて、もう片方の手をアソコに這わせました。

少し撫でただけで頭が真っ白になっちゃいました。それでも指は止まりません。ビクビクとケイレンする身体を、快楽の壁までとことん追い詰めます。電話は繋がってるのに、止まらないのです。


『……んっ……ふッ』

「……えっ……ちょっとちょっと、待て待て待て待て。これ……マジ?」

『……ジョースケくん……』

「ッッ」


電話の向こう側で息を飲む声が聞こえました。そして次に、本能を震えさせる言葉が聞こえてきました。


「今すぐ……会いてぇ、……会って、お前を……犯したい」

『……ッッ……』

「2、3日かかるけど……家、行っていい?」


これを承諾したらあとに戻れません。絶対にNOです。ダメダメです。そんなの分かってるのに、本能がアレを求めているのです。今すぐ犯されたくて疼くのです。

YESと言ってしまいそうだったので、ガリッと指を噛みました。痛みで誤魔化したつもりでも、アレを求めだした身体は正直者です。アソコを撫でてた指をナカに入れました。

びちゃびちゃに濡れてました。ギュッギューとうねってました。でも、思い切り動かしたいけど、怖くて出来ませんでした。自分で自分のナカを激しく動かしたことがなかったのです。

中途半端に入った快楽がとてもしんどいです。いっそのこと奥まで、……いいえ、奥の奥を力強く擦ってほしいです。ぶっ飛ぶほど掻き回されたい。気絶するまで突かれたい。誰でもいいなんて絶対に思いたくないけど、解放してくれるんなら……もう誰だって……


『……んっ、……ジョースケくん、……わたしッッ』


次の声は出ませんでした。


「……何をしてやがる」


リビングの床に転がってる私を、ものすっごい真顔で見下ろしてる承太郎さんがいました。

いつもならピシリと固まって氷点下の世界に突入って感じでしょうが、何度も言いますように御猫様は発情期です。

残念ながら気を回すことも、今の最悪の現状を冷静に見ることも、ここにいる理由を質問することも出来ません。

いやらしいことを教えられた相手が目の前にいるんです。弛みきったネジがポロッと取れてしまいました。


『……にゃ……あぅ……』


すがるように承太郎さんに手を伸ばしました。承太郎さんはスタープラチナ様を降臨させながら無言無表情で近づいて、ビリッと服を破ってきました。

ムチャクチャ怒ってます。そりゃあもう過去最高に。それもそのはず、リビングで一人エッチしながらジョースケ君の名前を呼んでるんですもの。誰がどう見ても真っ黒黒の現場です。

でも、本当に、今はそれどころじゃないのです。


『……はぁ、……くるしいの、……ナカが、せつなくて……おねがい……いれて……』


足を広げて、自分の手でアソコを広げました。今までこんな下品なことをしたことありません。承太郎さんは一瞬驚いてましたが、すぐに無表情に戻して、おねだりを聞いてくれました。

ズグッと遠慮なくナカに入れて、荒々しくナカの奥を突きました。それはもう意識がぶっ飛ぶほどの衝撃でした。


『あああっ!ダメっ、ダメ!きもちいいの、とまんない!』


普段なら絶対に出ない絶叫するような声がボロボロと出てきます。本物の獣みたいで嫌ですが、出てくる声を止めることは出来ません。

でも、承太郎さんはうるさいと感じたらしく、大きい手で口を塞いできました。さっきよりマシですが、それでも喉の奥からぐぐもった声が出てきます。


『んぐぅ、んんっ』


大きい手で口を塞がれて荒々しい動きで奥を突かれる、まるで無理矢理犯されてるような状況に、ひどく興奮しました。


「あー……忘れてた」


承太郎さんはもう片方の手で床に転がってるケータイを拾い上げると、それを耳に当てて話を始めました。


「仗助、俺が居ない間に発情したこいつを口説いてんじゃねーよ」

「いやいや、エロい声で俺のナケナシの純情を揺さぶってきたのはハルっスからね!俺は無罪!」

「それもそうだな」

「マタタビドリンクなんか飲ませるからこんなことになるんスよ!まだ懲りてなかったんスか!」

「ははっ、おかげでやっと成功した。ぶっ飛んでるぜ、こいつ。そりゃあもう、死ぬほど可愛い」

「もしかして……ヤってる?」

「ああ、お仕置タイム中だな」

「てめえ!!」


電話中だというのに、承太郎さんのアレを締め付けて、何度も何度もケイレンしました。それでも全然静まりません。何度もイッてるのに、もう何も考えれない状態なのに、アレを求めてるのです。

承太郎さんはケータイをポイッと投げました。そしてアレを抜きました。まだ全然足りないのに、急にいなくなったから物足りなくて寂しくて。目で訴えても、無言無表情で見下ろすだけ。言わんことが分かるので、すぐに四つん這いになっておねだりしました。


『……おねがいします、……いれて、ください……おねがいします……』


おねだりってよりも懇願に近いかもしれません。でも、泣きながら訴える私にアレを入れてくれました。

ナカに入っただけで子宮がギューッと喜びました。ビクビクとケイレンする余韻を楽しんでると、承太郎さんが片手を床に着いてきました。


「こっち向け」


首を少し後ろに向けると、待ってましたって言わんばかりに、荒々しいキスをしてきました。それだけなのにまた子宮は喜んでます。


「かわいい、お前はいつだって……かわいいな」

『……んん、ふあ!んんんッッ』

「すきだ、……あー、……かわいすぎて、犯し足りねー、……マジでかわいいな」


キスの合間に紡がれる言葉が、敏感になってる鼓膜に響きます。いや、鼓膜ってよりも心かもしれません。普段あまり聞けない言葉が嬉しくて、それがぶわーって全身を駆け巡って。どうしましょう、さっきよりも数億倍……いえ、無限大でとってもキモチイイです。


『すき、わたしも、だいすき、じょーたろーさんだいすき!』

「……このまま、出すぞ」


このまま、ということはナカに出すってことですが、生理がきて以来、生でセックスするのは控えてました。妊娠希望ですけど承太郎さんのお仕事が一段落するまで……っていうのが理由です。

でもこのとき、そういったことを冷静に考える余裕すら無く、理性を失い本能剥き出しの私は、荒々しいキスをしながら、それを求めました。


『だして、このまま、ナカに』

「いいな、そのおねだり。すっげー興奮する」

『んああッッ』

「久しぶりの中出し、じっくり味わえよ」


さっきまで動いてたのに、奥まで押し込んでピタリと止まりました。なんの刺激も無いですが、ナカに入ってる違和感だけでジワリジワリと子宮を攻めてきます。

キスもそうです。さっきまで荒々しかったのに、今度はねっとりと舌を絡ませて、ちゅうっと優しく吸って。

身体も心も気持ちよすぎて涙が出てきました。この人の全てを貪りたいと、子宮がヒクヒクと訴えてます。

私はそれに身を任せました。

大きくうねりを上げる快楽の波に呑まれました。深く深く、骨まで染みるほどキモチイイ波に溺れてると、アレがビクンと震えました。


『あっ、あっ!出ちゃ、ナカに出ちゃう!じょーたろーさんの、んんっ、すき、すきだよ!』

「ああ、俺も、愛してるよ」


承太郎さんの言葉通り、じっくり味わいました。ナカの動きも、言葉の温もりも、じっくりと身体中に染み渡らせました。

あまりの快楽の深さに、クラリと視界が揺れました。ここまで深い絶頂はそうそう体験したことありません。セックスの中毒になりそうで怖いです。

でも、今さらです。


『もっと!もっとちょーだい!発情静まるまで、しよ?いっぱいしよ?』

「(やれやれ、ここまで凄いもんだとは……持つのか、俺)」


マタタビドリンクスーパーEXを5本飲んだ時点で、もう色々ぶっ飛んでるので、潔く本能に従うことにしました。
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