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□人混みの中に.......
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とある休日の朝。



「ねぇ!お買い物行こう!」

ウキウキしてる飛鳥…




「奈々未~聞いてる??」


「あ、うんうん!聞いてる聞いてる!」


私はそれどころではなかった。


お互い同じ気持ちなのは、確認しあったんだけど、、それはただ確認しただけであって

私はこれからもずっと一緒にいたいし
正式にお付き合いをしたい。




はぁ、いつ言おう。







私達は都内のショッピングモールにやってきた。




「ねぇねぇ!せっかくだし、
お揃いのモノたくさん集めようよ!」



「そうだね!何がいいかな?」



「歯ブラシと~部屋着と…
あ!お茶碗もあるよ!」





「お揃いのお茶碗ってwww
カップルじゃないんだから~」





私は冗談交じりに笑い飛ばしてしまった。









「…分かってるよ」




「ん?あれ飛鳥?どうしたの?」







「なんでもないよ!」

冷たく言い放されてしまった。



頬をふくらませて俯いた飛鳥の気を惹こうと可愛いクマのペアマグカップを手に取った。







「見て~飛鳥これもいいよね~」








って…








飛鳥?!









さっきまで隣にいた飛鳥を
見失ってしまった。






…飛鳥





どこいったの。







しばらく店内を探してみたが
どこにも見当たらない。








エスカレーターを降り、
もう一度1階も探してみようと
歩き出した瞬間、、、、










…3!2!1!バーーン!
沸き起こる歓声と拍手








?!なんだろう…





どうやらカップルが公開プロポーズを
行ったようだ。








ん?






人混みの端に、、、、






あ、飛鳥だ…




羨ましそうに眺めたあと、
俯いて別の方へ歩いていった








「飛鳥!!」





一瞬こっちを見たかと思うと
飛鳥は ぷいっとそっぽを向き
また歩き始めた。






「待って!」


私は必死に追いかけた。








「飛鳥…ごめんね…」




未だ俯いたまま。
私の方を見てくれない。




「ごめんね。飛鳥。」


















私は飛鳥を見失ったあと
こっそり購入していた
お揃いのお茶碗とお箸を
渡して告白した。





「遅くなってごめんね。
私と付き合ってください。」






沈黙の末…




「…っはい…」





薄ら涙を浮かべている飛鳥が
震える声で言った。





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