book
□かえりみち
1ページ/2ページ
飛「…ふぁ重いよ~」
奈「大丈夫?飛鳥?私も持つよ。」
飛「大丈夫だよ~それより今日夜何食べよっか!」
告白されて
舞い上がっているのか機嫌が直った飛鳥は
二人で買った荷物を両手いっぱいに
抱えている。
私が持つよ。と言っても大丈夫!の
一点張り。
奈「何がいいかな~
「うわぁ!!」 」
ほらね…こうなるってわかってたよ
そんな華奢な腕で…
飛「痛った~い」
奈「ほら貸して?」
ショッピングモールから私達の家までは
それほど遠くはないけれど
帰りの荷物が大量になると思ってたから
車で来たのは正解だった。
エンジンをかけ時計を見ると
午後4時46分
朝から動いて疲れてしまったのか
助手席の飛鳥の目は
とろんとしている。
奈「さ、帰ろっか!」
飛「…やだ」
奈「え?飛鳥眠そうだよ?」
飛「まだ帰りたくないよ…」
飛鳥…
そんな…ダメだよ
反則。可愛すぎる。
奈「帰りたくないの?」
迷子の幼児に話しかけるように
飛鳥に問いかける。
飛「うん」
奈「どこか行きたいところある?」
飛「奈々未となら…どこでも…いい。
でも、まだ帰りたくないんだ…
外でデートしてるみたいで幸せなの」
奈「…っ可愛いね飛鳥ちゃ~ん」
…チュッ
気づけば私は飛鳥の唇を奪っていた。
飛「…な…なみ…すき」
奈「飛鳥…私もすきだよ」
まだ外は明るい
車の外から誰かに見られているかもしれない。
そんな思いが
一瞬だけ頭をよぎったが
今は目の前の愛しい彼女のことしか
考えられない。