短編
□17話番外編
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今日は早めに帰れたイレイザーさんが夜ご飯を食べに来た。
今日の夜ご飯は中華、メインは麻婆豆腐だ。なつめがいるから甘口だけど。
私の横にはなつめ、前にはイレイザーさん。
夜ご飯の時は"今日は1日どんな日だったか"を話す。
なつめが保育園で、誰と遊んだかおやつは何だったかなんて話す。
「今日はまことくんとあそんだよ!」
『まことくんと何して遊んだの?』
「んーサッカー!お姉ちゃんはー?」
よくなつめの口から出るまことくんに成程と納得していれば、今日のお姉ちゃんの1日を聞いてきた。
何を話そうか、今日一番面白かったのは非常口の飯田くんだな。
なので警報のことは話さずに、お姉ちゃんのお友達がみんな困っているところを助けたんだよ、とお話した。
あ、そういえば
『委員長決めの投票で、誰が私に入れたんだろ…』
「俺だ」
『え?』
「俺が、お前に投票した」
『なんで!?』
私は手を挙げていなかった、委員長なんて雑用係だ。しかも担任はイレイザーさん、イレイザーの雑用は勘弁だ。
それにそんなヒーロー科の委員長とか目立つことしたくない。
「お前を見れば興味が無さそうだっからな、嫌がらせだ」
『合理的主義者が嫌がらせでなに無駄な体力を!!』
「お前になら雑用を押し付けやすい」
『そういうこったろうと思いました』
「ヒーロー科だったら委員長は皆狙うぞ?だからお前も実はやりたいと思って」
『いや、最初に嫌がらせって言いましたからね』
「ごちそうさま、美味かったぞ」
『あ、逃げた』
いそいそと自分の食べた食器をイレイザーさんは片付けに行った。
まだ私は食べあげていなかったので、食べあげなつめを見ると口周りが麻婆豆腐だらけだった。
『おおう、なつめ。口周りすごい』
「なまえ」
『はい?』
「もっとやりたいことは、やりたいって言っていいんだぞ。お前は、しっかりしすぎてんだから」
前世の記憶があることは誰も知らない私だけの秘密。
記憶があるのだから、高校生に比べたら少し大人っぽいかもしれない。
子供っぽかったら精神年齢的に危ないけれど、今は私はただの15年しか生きてない高校生。
少しイレイザーさんは心配なのかもしれない。
『委員長になったらイレイザーさんにコキ使われそうで嫌だったので、手上げなかったんですよ』
「そうか」
そういって笑うイレイザーさんの目は優しかった。
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イレイザーさんは学校生活で、と言うより日常生活でのしっかりした部分を心配していると思います。
15歳なのに家事、弟の送り迎え、学業をこなしてますからね。
大人3人組(イレイザー、マイク、オールマイト)は結構心配していると思います。
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