短編
□桜の中を走って
1ページ/1ページ
入学式が終わった後、学校を飛び出し走る。
彼は入学式どうだっただろうか。
入学初日から、ちょっと不良の子を注意したりして。
真面目だからクラスメイト1人、1人に挨拶してるんだろうな。
小さい頃から雄英に行くことを決めていた彼は見事に合格し、今日から雄英生となった。
中学で初めて彼に会い、真面目で、いろんな人のことを気にかけてくれて。
それに対して面倒くさそうにしている人もいたけれど、私は彼の真面目さが、性格が大好きだ。
そんな彼の側に居たくて、彼の夢を応援したくて彼に自分の気持ちを伝えたら、彼も私と同じ気持ちだと言ってくれた。
それから勉強を教えあったり、”個性”に関しては私は何もできることはなかったから応援しか出来なかったけれど、彼が雄英に受かったと報告してくれた時は小さい子のように号泣した。
私は雄英じゃない高校を選んだから、中学生の時みたくすぐに会えないから、彼がなんでも話せる友人ができたらいいな。
彼の良さを分かってくれる友人ができたらいいな。
ふと、気づけば桜並木がある。
ここを抜けると雄英高校だ。
花びらが舞う中、私は走る。走るのは苦手だけれど今ならどこまでも走れる気がする。
見えた雄英高校の校舎、門には下校する生徒達がいる。
私は呼吸を整えながら、彼の姿を探す。
雄英の生徒さんの視線が集まるが気にしてられない、彼は。彼は。
『あっ』
彼を見つけた、彼の横には緑色のすこし身長の低い男子と、茶髪の髪の女の子がいる。
3人で何か楽しそうに話している。
良かった、良かった。
『天哉くーーーーーーーーん!!!!』
「なまえ!?」
天哉くんは驚いた顔をした。
『入学おめでとーーーーー!!!!!』
走って私のそばまで来てくれた天哉くんの手を握る。
『制服すごく似合ってる!』
「ありがとう、なまえ髪に桜の花びらがいっぱいついているぞ?」
私の髪を優しくすくい、花びらをとってくれる。
少し前までは手を握ることも、髪を触ることもできなかったのに。
『桜並木の下走って来たから!天哉くんにおめでとう言いたくて!』
「そうか、本当にありがとう!嬉しいぞ!」
『いえいえ!』
門から天哉くんと一緒にいた男の子と女の子がこっちを見つめていた。
『あ、はじめまして!みょうじなまえです!飯田天哉くんの彼女です!』
_____________________
違う高校に進学した彼女が飯田くんに会いに行くお話を書きたく思いつきました。
この彼女ちゃんは、緑谷くんとお茶子ちゃんと仲良くなって4人で遊びに行ったりすると思います。
裏設定では彼女ちゃんが進学した高校は、食事の栄養とか学べる学校です。
ベラベラと設定まで語ってしまい、すいません。
.