咲けよ花!

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両親が亡くなった。ヒーローだからいつかこんな日が来ると思ていたけれど、2人とも一緒にいなくなるなんて思っていなかった。
だけど泣いている暇なんてない、私には守らなきゃいけないものがある。


残ったのは私と年の離れた弟、なつめとお金。両親が残した大金に目が眩んだ親戚たちは私たちを預かりたがった。
そんな人のところになんか行きたくないし、そんな奴らに両親が残したお金を使われるのが嫌だった私は、親戚の誘いを断った。








『私一人でなつめを育てます』



「中学生が子供を育てられる訳ない」


「勉強と家の事、それに弟の面倒を見るなんて無理でしょう?」

「弟だけでも、ね?預かるよ」






誰が渡すか、私のたった一人の家族を。
欲に目の眩んだお前らに







『渡しません!!金に目の眩んだアンタらに弟を預けられる訳ない!!』






お葬式場で親戚に向けて叫べば、来てくれていたプロヒーローや両親の友人達からの視線がささる。
だけど今更そんなこと、どうでもいい。






『何を言われようが私はなつめを育てます。お金も渡しません、この子の将来の為に使います』




右手に繋がっている小さく温かい手に力が入る。私もそれに応えるように少し右手に力を込めた。
「何、子供が馬鹿なこと言っているんだ」と親戚の一人が言った。
だけど私にはできる、いややれなきゃいけないんだ。



『やってみせます』







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