咲けよ花!
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前世の私は暗い夜道を一人歩き帰っていた。
なんであんな遅い時間に帰っていたのか全く覚えていないけど、そのあと横断歩道を渡れば、飲酒運転だったのか信号無視だったのかどちらかわからないけどその車に轢かれ即死。
まあ、よくある話だ。
目を開ければ見慣れた天井が見え、またあの夢をみたのかと一人納得する。
前世の記憶を持ったまま私は、死んだときの夢を見る。
心臓に悪いから辞めて欲しい。
隣を見ればまだなつめがスヤスヤと寝息を立てている。
冬の朝は寒く、風邪をひかないようにと毛布をかけリビングに向かう。
暖房を入れ時計を見ればいつもより遅い朝だった。やっべぇ…なんて思いながらキッチンでお湯を沸かしていればチャイムが鳴った。
寝起きのままだったけれど、そんな大した人は来ないだろうと『はーーーい』なんて少し間抜けな声で返事して家のドアを開けた。
数秒前の自分を殴りたい、なにが大した人は来ないだ。大したことあり過ぎんだろ。
『えっと、おはようございます?イレイザーさん、マイクさん、オールマイトさん…そしてえっと』
「やあ!一週間ぶりだね!僕は雄英高校の校長根津さ!!」
『そう!根津さんだ!って、ええ!校長!?』
お葬式で挨拶をしていた時に居たから印象強かった根津さんはまさかのあの有名な、雄英高校の校長だとは…両親の母校の校長だから来てくれたのだろうか。
イレイザーさんとマイクさんは両親の後輩で何度か家に来ていた、オールマイトさんは昔に一度、そして葬式で二度目だった。
とりあえず外は寒いので家に上がってもらった。
沸かしていたお湯でお茶を入れながら頭を働かせる。
なんでなんで、No.1ヒーローと雄英の校長が来たのだろうか。イレイザーさんとマイクさんはよく来ていたから違和感ないんだけど。
お茶を出し、勇気を振り絞って聞いてみた。
『えーーっと、どういうご用件で…?はっ!もしかして父が生前何かやらかしてた、とか!!?』
「めぐちゃんの中で先輩って何なんだ?」
『中身ですべてを台無しにしている父親』
「コイツはシヴィーーー!!」
うわ、マイクさんうるさ。でも父は顔は良かったんだ、ただ中身が残念な人で。
マイクさんと父の残念なところを言い合っていたら、お茶を啜っていたイレイザーさんが口を開いた。
「俺たちはお前に提案があって来た」
『提案?』
「俺とマイク、そしてオールマイトさんに先輩たちは″何かあったら頼む″と言われててな」
『イレイザーさんとマイクさんの他にオールマイトさんにまで!?No.1ヒーローにまで頼んでたのか…』
「ヒーローは危険な仕事だからね」
オールマイトさんのでっかい手で頭を撫でられると嬉しいという気持ちよりも、頭が取れないか心配になる。力の加減とか間違いなよね!?
力加減間違えてポーンッなんて頭取れないよね?てかいつまで撫でるの?ハゲないかな?
「ということで君たちは僕が持っているアパートに住めばいいと思ったのさ!」
『え?』
やばい、話聞いてなかった。
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やっと名前呼ばれた。マイクのみだけど…。
次こそは!!