咲けよ花!
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あれからヒーローも視野に入れつつ、進路について考えた。
そして雄英なら在学中にヒーローになるための資格が取得できる。
家からも近いし、保育所も近い。これは雄英に行くべきじゃないか!!?
でも雄英はそんなに甘くないことを知っている。私はズルいと言われようが、ある人にある事をお願いすることを決めた。
「あ?稽古をつけて欲しい?」
『イレイザーさんにしか頼めないんです』
うちのリビングで夕食を食べているイレイザーさんに土下座する。もう綺麗に。
遅くに帰宅したイレイザーさんを待ち伏せして夕飯に呼んだ。今日の夕飯はカレーだ。でもただのカレーじゃない!カレーの具材は全部猫で、ご飯も猫!ねこねこねこ!猫づくし!なつめには大好評で(もちろん写メった)、猫好きのイレイザーさんにも大好評のはず!
『進路を雄英のヒーロー科に決めました!ヒーローになりたいんです!それで稽古を付けてください!私の”個性”には体術が必須なんです!』
「別に俺じゃなくてもマイクやオールマイトさんもいるだろうが」
『いえ、父から「イレイザーはすごい」と聞いていました。”個性”が抹消ですが”個性”が消せない相手の対策があるはずです!今日までヒーローをしているイレイザーさんはさぞかし近距離戦もお強いのでしょう?どうか!!私に!!稽古を!!』
「おい、なつめが起きるぞ」
ただいま天使は寝室で熟睡中。
『稽古付けてください!父には一応毎日稽古を付けてもらっていました!変態にあった時のためにと!』
「変態…」
『それにイレイザーさんが1番!私に容赦ない!容赦のない人に稽古を付けてもらわなきゃ成長できないんですぅぅうう!!もうドMでもいいですぅうう!!お願いしまぁぁあっす!!!』
ひしっ!!とイレイザーさんに近づいてお願いする。あとはもう合理的主義のイレイザーさんが折れてくるまでだ。
「はあ…このままじゃ合理的じゃない。わかった」
『あいむ うぃなぁぁぁあああ!!』
「なつめが起きるって言ってるだろうが」
イレイザーさんに頭を叩かれた。まじで痛い。頭取れたかもしんない。
叩かれた場所をさすりながら、私とイレイザーさんがバッチリ映る場所に置いていたスマホを確認する。
"あ?稽古をつけて欲しい?"
"イレイザーさんにしか頼めないんです"
『よし!ちゃんと撮れてる!』
「待て、なんだそれは」
『イレイザーさんが後日、そんな約束したか?なんて言わないように動画撮りました。あとボイスレコーダーも』
「お前…」
『もし嘘ついたら皆にこの動画送りますからね!』
「脅迫か」
『そんなぁ〜私がそんな怖いことするわけないじゃないですかぁ〜』
「よし、容赦なくいくからな。吐かせてやる」
『吐かせてやる!?』
恐ろしや、イレイザーヘッド。
ああ、恐ろしや。
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