咲けよ花!
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早速次の日から始まったイレイザー稽古は本当に。
『吐きそう…』
「おい、まだ休憩じゃねぇぞ」
『嫌な有言実行だぁ』
「お姉ちゃんがんばれー」
今ここになつめが居なかったら逃げ出してたかもしれない。ああ、かわいいは正義です。
『よし、おねがいしやぁぁああっす!!!』
「しやぁぁあっす!」
『なつめが可愛い辛い』
「集中しろ」
わあ、この人容赦ない。まじで私を吐かせる気なんだわ!乙女を人前で吐かせようとしてるんだわ!
『吐いてたまるかぁぁ!!』
oh......完敗。
「ポ〇リだよ〜」
『ありがとう、なつめ』
休憩になりなつめからポカ〇を貰う。うめぇ。弟からもらった〇カリ、超うめぇ。
私がごくごくと飲んでいると、イレイザーさんが隣に座った。うわ全然汗かいてないんですけどこの人。
「めぐ、お前俺の想像以上に動けるんだな。驚いた。」
『え、デレ?』
「あ"?」
『子供の前でしちゃダメな顔!!それ!!』
急いでなつめの目を覆う。見てはダメだ、夢に見てしまう!
「お前が茶化すからだろうが」
『すいません』
「…あー、お前の”個性”はテレポート。色々と便利だが、実際敵と戦うとなると戦闘が必須だ。俺も実際現場では捕縛武器を使っている。お前も何か使えた方がいいかもな。まあ、まずは体術を身につけるべきだが」
『そうですよね、お父さんも実際使ってましたし。』
そこで父の形見を思い出す。実際使っていた父の武器。"万力鎖"という日本古来の武器らしく、昔の忍者が使っていたらしい。
鎖の両方の先端に鉄製の分銅が付いており、相手の腕などに巻き付けたり、打ち付けたりもできる武器だ。本来は守りの武器で相手を傷つけることなく捕獲する武器らしい。
使うのならば私は
『お父さんの形見を使いたいです』
「…そうか」
『はい、頑張ります!現役プロヒーローに稽古付けてもらってますからねぇ』
「無理すんなよ」
『御意』
「(なんで武士対応なんだ…?)」
ポ〇リを飲んで、まずは体術頑張らねば。
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(おぇぇえっ)
(お姉ちゃん吐いた!)
(…大丈夫か?)
(乙女の心…抉ったわねイレイザーヘッド…)
(大丈夫だな)
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