咲けよ花!
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稽古を続け、たまにマイクさんやオールマイトさんも面倒を見てくれた。
万力鎖も少しずつだが修行中だ。
稽古、勉強を繰り貸せばあっという間に受験当日だ。
『なつめー、お姉ちゃんに元気を分けてくれぇ』
「?」
二回目の高校受験だけど緊張するものはするんだな。心臓がバクバク言ってくっそうるさい。
緊張をほぐす為に保育園の玄関でなつめのほっぺをモチモチさせてもらう。
「ねぇ、なつめくん。お姉ちゃんに何か渡すものあるんじゃない?」
なつめの担任の先生が来てコソコソとお話を始めるが聞こえてしまった。なんてこった。
「あのね、お姉ちゃん」
『なーに』
「これ、俺が作ったの」
渡されたものは一枚の押し花で、ラミネートされていた。そこには”おねえちゃん がんばれ”の文字があった。
『うぐっ』
「お姉ちゃん泣いてる?嫌だった?」
『んな訳ないでしょ!うれし泣きだよぉぉお!!』
水たまりができるんじゃないかって並みに号泣し、保育園の先生にも応援された。
『あ゛り゛がどうございまずっ!!』
「お姉ちゃんいってらっしゃい!」
弟と保育園の先生方に見送られながら、私は雄英に急いだ。
雄英に着いたけど涙は止まらず。
『うっ…おえ…うぐふっ』
嗚咽を吐きながら受験会場に向かっていた。
あ、泣きすぎて喉の奥と頭痛いし涙で視界が悪い。
その時誰かにぶつかってしまったが、その人は私にハンカチを渡してくれ、すぐ行ってしまった。顔は見えなかったけど声は男子だった。
お礼を言いたいけれど、こんな人が多いと見つけられないだろう。また会えますようにと願い、ホールに向かった。
私のホールでの席は一番前だった。
緊張していたがあんなに号泣すれば緊張もどこか行った。泣き疲れたけど、心は落ち着いている。落ち着きすぎて心ここに在らず状態だけど。
ぼーっとしていたらホールに見覚えありありの人が入ってきた。
前にいる私を見た瞬間に、驚いた顔をしたマイクさんはジェスチャーで何かしているが全くわからん。
多分、さっきまで泣いてました!っていう顔だからだろう。
私は何も気にするなと掌を向けた。
わかったのかどうかわからないが、マイクさんは頷いた。時計をみると時間で、マイクさんが話し始めた。
《今日は俺のライヴにようこそー!エディバディセイヘイ!!!!!》
あ、うるさい。一番前の列やばいわ、鼓膜敗れそう。
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