咲けよ花!

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誰もマイクさんの掛け声に答えなかったが、気にしないのかそのまま試験の説明が始まった。


実技試験の内容は模擬市街地で10分間3種のそれぞれP数が違う、仮想敵を行動不能にしてPを稼ぐというもの。
各自動きやすい格好に着替え、振り分けられた演習場に向かう。
持ち込み自由だったので父の形見の万力鎖を持ってきた。

万力鎖となつめがくれた押し花、それを抱きしめ深く呼吸する。










《はい、スターーート!》





『お』




マイクさんの声が響き渡る。






《どうしたぁ!?実践じゃカウントなんざねぇんだよ!!》






その言葉に受験生が一気に走り始める。慌てて私は押し花をジャージのズボンポケットにしまう。
こんな人数だ、仮想敵も無限に出てくるわけじゃないだろうしこれは先に見つけたもの勝ちってとこだろう。
走っている受験生の前を見る。
次には景色が変わっていた。







『よし』

「アイツ早ぇ!?」










先に走って行った受験生たちはいきなり目の前に現れた私をみて驚いた様子だ。


当たりを見まわし、仮想敵を見つけ次第私はテレポートで近づき仮想敵をテレポートさせ、地面に落として行動不能にするか万力鎖で叩いて壊す。

それ以外にPを稼ぐ方法全然考え付かない。
この方法でPを稼ぎつつ途中動けない子にテレポートで近づいて助けたりした。やっぱりテレポートは救助とかそっちの方が使いやすい。
戦闘においては、体術とか武術ができないといけないな。


さて、何P稼いでたか数えて無かった。
やってしまった。
少し頭痛がしてきたし、あと数分ほどだろうか。


そんな時大きい音と共に陰った。
振りむけばマイクさんが実技試験の説明で言っていた0Pのお邪魔虫仮想敵だ。









『やば…』









想像以上のでかさに驚いた。周りの受験生たちも我先に、と逃げていく。
逃げていく人の中、一人横たわっている女の子を見つけた。
その子の元にテレポートすれば、壊れたビルの瓦礫が足に挟まっていた。









『大丈夫!?』







女の子は「大丈夫よ」と答えたが、前からはお邪魔虫仮想敵が迫ってきているから今一つ一つ、瓦礫をテレポートさせている時間はない。
そんな悠長なことしていたら2人とも仮想敵に轢かれてペシャンコになってしまう。

それならこの瓦礫よりもお邪魔虫仮想敵をテレポートさせ、この場から離す方がいい。
考えろ、考えろ。
安全かつ、仮想敵に触れられるのは







『あいつの頭』








足元は近づけても轢かれる、腕は動いているから振り落とされるかも知れない。それなら仮想敵の頭となるとこが動きもないし、確実に触れる。

仮想敵の頭を視界に入れてテレポートする。
頭部分にテレポートできれば、もうこっちのものだ。触れ、女の子から離すため空を見上げる。










『いっけぇぇぇえええええええっ!!』










テレポートさせれば足場となっていた仮想敵が無くなったので、私の体が真っ逆さまに落ちていく。











『ぎゃぁぁああああああ!!!』









仮想敵をテレポートさせてからのことを考えてなかった!!
やばい、どこかに私もテレポート!!待って、どこに?え、どこにテレポート?!
落ち着け、落ち着け久我めぐ!!!









《残り1分−−−−−−!!!!》







落ちている中マイクさんの声が聞こえた。
金髪のなかなか特徴的な髪形のマイクさんを視界でとらえることができた。









『マイクさーーーーーーーん!!!』



「どぅふ!!!?」







何かに当たりそのまま倒れ、痛かったが落ちている感覚も無くなく一安心する。







「めぐちゃん!!!!??」






デカいマイクさんの声に頭が痛む、いや本当に頭が痛い。容量オーバーしたのか、やっばいキツイ。これ熱出たパターンだわ。







『あと、よろしく…』

「ええ!!!?」







意識が遠のく中、試験終了という言葉が聞こえた。







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