咲けよ花!

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「「個性把握テスト!!?」」




体操服に着替えろといきなり言われ、何をするのかと思っていればまさかの個性把握テストをするらしい。
そのことに対して茶髪ボブの女の子が「入学式は!?ガイダンスは!?」と講義するが



「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」




そうバッサリ切った。
入学式が面倒くさかっただけでは?と思ったけど言えるはずがない、大人しくしておこう。
不満の声にスルーし、個性把握テストの説明を始めた。個性把握テストは中学とかで行われている体力テストの個性使用バージョンらしい。
無駄のない合理的な説明をし、相澤先生は一人の男子を呼んだ。
呼ばれた男子は"爆豪"と言うらしく、金髪のつり目で不良っぽい子だった。確か眼鏡をかけた真面目そうな男子に、机に足を乗せるな…とかで注意されていた気がする。言うことは聞いていなかったけれど。






「爆豪中学の時、ソフトボール投げ何mだった」

「67m」

「じゃあ”個性”使ってやってみろ。円を出なきゃなにしてもいい、はよ。」





相澤先生が爆豪くんにボールを渡した。例をみせてくれるらしい。
ボールを渡された爆豪くんは肩を慣らし、大きく振りかぶった。「死ね」の声とともに。彼の個性は分からないけれど爆風のようだったから、きっとそういう”個性”なのだろう。遠くまで飛んでいった。







「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」







そう言いながら相澤先生が見せてくれた、機械には705.2mと表示されていた。
その数字を見て生徒達はテンションが上がる。その中で誰かが言った「面白そう」の言葉に相澤先生の顔が変わる。小さいこの前でしちゃダメな顔だ。相澤先生の怖さを知っている私は視線を遠くに飛ばす。空が青いぜ。








「………面白そう…か。ヒーローになる為の3年間そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?よし トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し…除籍処分としよう」

「「はぁぁぁあああ!?」」

「生徒の如何は先生(おれたち)の"自由"」






その言葉に去年のことを思い出す、確か相澤先生は去年の担当の生徒達全員を除籍処分にした…ってマイクさんが言っていた。まじでやるぞこの人は、最下位じゃなくても"見込みなし"と判断したら絶対除籍にする!




「生徒の如何は先生(おれたち)の“自由”──ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」




その言葉に理不尽すぎる!との声が飛ぶが私の耳には全く入っていなかった。髪を書き上げた相澤先生が怖すぎた、なつめの前ではぜひともして欲しくない。
相澤先生の顔の怖さと、除籍処分にされるんじゃないかの2つが混ざりあってもう心臓が痛かった。






『ア゙…ア゙ア゙、ア゙ア゙…』

「貞子みたいな声出すな久我」

『ハイ…』









思わず変な声が出てしまっていたが流石合理的主義者、もう50m走の説明を始めている。
2人ずつ走るらしく、皆自分の”個性”を工夫している。レーザーの”個性”の子はなかなか面白い使い方をしていた。
見学していればすぐ私の番が来た、悲しいことに1人なので皆の視線がとても怖いが、まずは集中だ。




ゴール先を視界に捉え、合図と共に”個性”を発動させる。








「久我 1秒」

『よかった…』

「すげーー!」



一番いい記録出せるのはこれしかなかったので、とりあえず安心する。
このクラスでは一番早い記録を出せたけど、この使い方いいんだよね?何も言わないからいいよね?

ビクビクしながら第2種目に移る




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