咲けよ花!

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まあまあな記録を出せたのは、立ち幅跳びとソフトボール投げ、あと持久走。
立ち幅跳びはジャンプした瞬間に視界に入った一番遠くまでテレポートし、ソフトボール投げも一番遠くまでテレポートさせた。
持久走はテレポートを続けて使いながら走った。
とにかく除籍処分にならないように全力で。








『頭いた…』

「大丈夫か?」




一人呟いくと、めでたい髪色の男子に声掛けられた。確かこの子と席が近かった気がする。







『大丈夫だよ、”個性”使うと頭痛がね』

「そうか、あんまり顔色が良くねぇから気をつけろよ」

『ありがとう。名前は?私久我めぐです』

「轟焦凍だ」





よろしく、とお互い自己紹介してると相澤先生が集合をかけた。





「んじゃパパっと結果発表。トータルは各種目の評点を合計した数だ 口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。」







個性把握テストの結果がモニターのようなものででてくる。
自分の名前を探したらあの不良少年っぽい爆豪くんと同率3位で、なかなかの結果で驚いたがまだ安心できない。
3位でも除籍処分されてしまうかもしれないからだ。











「因みに除籍は嘘な」

「「…………!!」」

『ングッ…』

「君らの最大限を引き出す 合理的虚偽」

「「はーーーーーーーー!?」」

『よかったぁぁあああ!!!』









除籍は嘘、という言葉が嘘なんだろうがこのさい、除籍処分にならないのならそれだけで嬉しい。私の隣りにいた轟くんは声の大きさに驚いたみたい。ごめんね。そして近くにいた、トータル結果は最下位だった緑谷という男の子は、途中相澤先生に”個性”を消されたり、”個性”を使えた!と思ったら指が紫色になってたし、となかなか印象に残る子だった。まだ話したことなかったが『良かったね!』と声をかけたらすっごく顔を真っ赤にされた。




そのまま今日の学校が終わり、帰る前に梅雨ちゃんとLINEを交換した。
梅雨ちゃんは職員室に用事があるとのことで、今日は職員室前の廊下で別れた。
そのまま昇降口に行くと、同じクラスになった茶髪ボブの女の子がいた。





『あ!えっと…』

「久我めぐちゃん!やろ?私麗日お茶子!」

『麗日お茶子ちゃん!よろしくね!お茶子ちゃんって呼んでいい?』

「もちろん!私もめぐちゃんって呼ぶ!」








2人で先程あった個性把握テストで∞すごかった!とか50m走1秒驚いた!とか話し合っているとお茶子ちゃんが「あ!」と叫んだ。お茶子ちゃんの目線の先には確か飯田くんと緑谷くんがいる。確かお茶子ちゃんは個性把握テスト中、あの2人とよく一緒にいた。








『行く?』

「うん!めぐちゃんも行こ!お二人さーーーん!駅まで?待ってー!」







お茶子ちゃんに手を引かれ、二人の元へ走る。






「∞女子と久我くん!」






∞女子ってなんや、とツッコミそうになったがお茶子ちゃんは気にした様子もなく自己紹介した。





「えっと、飯田天哉くんの緑谷…デクくんだよね!」

「デク!!?」

『あ〜金髪の爆豪くん?が言ってたもんね、デクって』






"いずく"と思っていたが、そのまんまデクだったのか!と思っていたらどうやらかっちゃん(お友達?)が付けた蔑称らしい。







「えーそうなんだ!!ごめん!!でもデクって…頑張れ!!って感じでなんか好きだ私」

「デクです」

「緑谷くん!!」









お茶子ちゃんの一言であっさりと蔑称を受け入れた緑谷くんに笑う。
こんな可愛い子に言われちゃ、受け入れちゃうよねと納得する。






「浅いぞ!蔑称なんだろう!?」

「コペルニクス的転回…」

「コペ…?」

『ふふ、お茶子ちゃんは良いことしたんだよ〜』





コペルニクス的転回の意味がわからなかったらしく、首を傾げるお茶子ちゃんの頭を撫でた。
そのままどこ出身とか、お友達になった記念に!とLINEを交換していれば途中で私の住むアパートが見える。








『私、ここに住んでるの』

「近いっ!綺麗!」

『お茶子ちゃん、いつか遊びに来て。もちろん飯田くんも緑谷くんも』

「行くいく!」

「えっ!」

「ああ」






駅に向かう3人を見送り、アパートに入る。
今日はなかなか濃い一日だった。




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