咲けよ花!
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必要なことしか要望を書かなかった私が悪いのだと思う。
父の形見である万力鎖を隠すためのコートと、鎖を扱うので皮手袋を要望した。
それ以外は特に要望がなかったのだ。
でもなぜ、中に着るものの布面積が少ないんだろう。
上の服なんか胸しか隠れてないし、ショートパンツだし、ロングブーツだったところは良しとするか。
あ、ショートパンツには万力鎖引っ掛けるとこある。
コートにはチャック無いし、前も閉めれないわ。
皆はどういうコスチュームなのか気になり、隣で着替えている百ちゃん見た。
『百ちゃぁぁあああん!!!?』
「は、はいいいい!!?」
おっぱいが!!おっぱいが半分出てますがな!!おへそも!!
当たりを見回すと、ピッチリとした戦闘服だったり、胸の谷間出てたり、透ちゃんに関しては手袋とブーツのみだ。
いろいろと衝撃的過ぎるのだけど、私がおばちゃんなのかしら。
とりあえず百ちゃんには私のコートを渡した。
少しの間だけでも隠してて、お願い。
「私が使ってしまいましたら、めぐさんの方が肌の露出が!」
『大丈夫、若い子の肌は私が守る』
「めぐ、アンタ同い年だからね」
響香にツッコミを入れられながら更衣室からでると男子たちも出ており皆、さまざまな戦闘服だった。
「久我、オイラすっげぇいいと思う」
『それは喜んじゃダメな"いい"だよね』
足元で声が聞こえたと思ったら、髪が特徴的な峰田くんだった。
血眼でガン見してくるからまず峰田くんから離れよう。
そろりと離れると轟くんが話しかけてきた。
「…久我、布の面積少ないな」
『コートあるんだけどね、百ちゃんに貸したの』
「八百万に?」
『百ちゃん、肌の露出度高いから』
今お前の方が肌の露出度高いぞ、と心の中で轟は呟いた。
その間にもじりじりと峰田が近づいてきていたが、障子が壁になってくれた。
『ありがとう障子くん、助かった』
「いや」
「なんだよ障子!!どけよ!」
ぎゃあぎゃあと騒いでいたが、全身ロボットの男子…飯田がオールマイトに質問したことで皆の意識がそちらにうつった。
「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」
「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練だ!」
対人、との言葉に心臓の脈が速くなったような気がした。
敵退治は統計で言えば屋内のほうが凶悪ヴィランの出現率が高いらしい。
「君らにはこれから”ヴィラン組”と”ヒーロー組”に分かれて、2対2、もしくは2対3の屋内戦を行ってもらう!!」
オールマイトさんはどこからかメモ用紙を取り出し、説明している。
訓練内容はヴィランチームは制限時間いっぱい核兵器を守るか、ヒーローを捕獲する。
ヒーローチームは核兵器を回収するか、ヴィランを捕獲するというもの。
「基礎訓練もなしに?」という梅雨ちゃんの質問にこの基礎を知るための実践訓練だと、オールマイトさんが答えた。要はもう体で学べってことね。
「ブッ飛ばしてもいいんスか」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」
「どのような分かれ方をすればよろしいですか」
「このマントヤバくない?」
「んんん〜〜〜〜聖徳太子ィィ!!!」
一斉に皆が質問がオールマイトさんに飛び交う。先生って大変だな、心の中で応援する。
別れ方はくじ引きらしい、私が引いたくじには"G"と書かれていた。
『えっと、Gチームの人ー?』
「めぐこっち」
『あ、響香!と上鳴くんも一緒?』
「そうそう!よろしくな久我!俺たちが3人チームだな!」
ラッキーじゃね?という上鳴くんにそうだね、と同意する。
1回戦目のチームの戦闘訓練が始まるらしく私たちはモニタールームに移動する。
1回戦目は緑谷くんとお茶子ちゃんチーム対飯田くんと爆豪くんチームだ。
緑谷くんと爆豪くんは昔からの友達らしいけど、仲は良くないし真面目な飯田くんと爆豪くんがうまくやれるのだろうか。
これはチーム戦だし、チーム内でどれだけ連携がとれるのか見られそうだなぁ…。
「よし双方、準備はいいかい?Ready Go!」
戦闘訓練が始まった。
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