咲けよ花!
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翌朝登校すれば校門の前は報道陣で溢れかえっていた。
オールマイトさんが雄英の教師に就任したことで雄英生には、教師のオールマイトさんについて。あとはオールマイトさんに会わせろ、と連日マスコミが押し寄せている。
「あなた!オールマイトさんについて一言!」
捕まった、捕まっちまった。今すぐテレポートして逃げたい。
『すごくかっこいいですー』
「どういうところ!?詳しく話を聞かせて!」
あ、そう来るんですか!ちょ!マイク近い!後ろ誰かいる!?通せんぼしてるなこの野郎!?
その時誰かに手を引かれ、慌てて振り向けばイレイザーさんだった。
「彼は今日非番です。授業のさまたげになるんでお引き取り下さい」
「小汚っ!!なんですかあなた!?」
『小汚い!!?』
「いいからさっさと教室に行け、久我」
小汚い発言に文句言ってやろうと思ったがイレイザーさんに止められた。
くそう!文句を言いたい!確かに小汚いけど!!小汚いけども!!!
むきーっとなりながら私は教室へ向かった。
***
そして今日は学校っぽい行事の一つ"学級委員長"を決めるらしい。
皆やりたいらしく私と轟くん以外は手を挙げている。他の科ではこうはならないのだろうが、ヒーロー科ではリーダーとなり集団を導くということでやりたい人が多いのだろう。
峰田くんの「女子全員膝上30cm」ってもうパンツ出てない?サザエさんのワカメちゃんスタイルじゃない?それ。
「静粛にしたまえ!!」
うわ、びっくりした。
「"多"をけん引する責任重大な仕事だぞ…!「やりたい者」がやれるモノではないだろう!!周囲からの信頼あってからこそ務まる聖務…!民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというなら…これは投票で決めるべき議案!!」
そういう飯田くんの右腕はそびえ立っていた。
『あっはっはっ!!飯田くん面白っ』
相澤先生は時間内に決めればなんでもいい、とのことで投票制になった。
その結果緑谷くん三票、百ちゃん二票。私は飯田くんに入れた。真面目だし、自分もやりたいのに発案した飯田くんはきちんと委員長業務ができると思ったからだ。
そして一つ、気になることがある。
誰か私に1票入れている。
「誰だ!!ぼ、俺に入れてくれたのは!!」
自分に入れてないことバレバレやん、飯田くん。
***
今日のお昼は緑谷くん、お茶子ちゃん、飯田くんと一緒だ。ランチ・ラッシュのご飯食べてみたいけど、今日も私はお弁当だ。
緑谷くんは委員長が務まるか不安みたいだけど、お茶子ちゃんと飯田くんが入れたらしく2人に務まると言われていた。
「でも飯田くんも委員長やりたかったんじゃないの?メガネだし!」
『ぶふっ!メガネって!』
「"やりたい"と相応しいか否かは別の話…僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」
『私は相応しいと思って飯田くんに投票したんだけど…って「僕…!」』
「ちょっと思ってたけど飯田くんって坊ちゃん!?」
「坊!!」
飯田くんはどうやら、坊ちゃんと思われたくないらしく一人称を変えていたらしい。なるほどだからよく「ぼ…俺は!」って話してたんだ!なるほどね!
そして飯田くんのお家は代々ヒーロー一家らしく、まさかのターボーヒーローインゲニウムさんが飯田くんの兄らしい。インゲニウムさんは両親と事務所が近く、よく一緒に仕事をしていたらしく両親の葬式にも来てくれた。とても優しい方だった。
「そうだ久我くん」
『ん?』
「兄が、君のことを心配していたんだが知り合いなのだろうか?高校の話をして、兄との会話で君の話になったんだが兄は心配しているらしく、兄に君のことを聞くより、本人に聞いた方がいいと思ったんだが…。」
『ああ!』
きっと葬式でのことだろう。親戚のところに行かないと言った時、確かいたと思うインゲニウムさん。
なので、いつかは知られるだろうし隠してもいないので私の両親がヒーローで亡くなっていること、その葬式にインゲニウムさんが来てくれてたこと、そこで私と親戚との間でのいざこざを知ったインゲニウムさんが、そのことで心配してくれるのだろうという話をした。
『インゲニウムさんに伝えてくれる?すっごい元気で楽しくやってます!って』
「ああ、伝えておこう。だが悲しい話をさせてしまいすまない」
『いやいや!こっちこそごめんね!せっかくのお昼なのに!』
「そんなめぐちゃんが気にせんで!何かあったら言ってね!」
「うんうん!」
お茶子ちゃんや緑谷くん、飯田くんも何かあったら手伝わせてくれと言ってくれた。
その言葉に感謝を伝えようとすると警報が鳴り響いた。
《セキュリティ3が突破されました》
《生徒の皆さん速やかに屋外へ避難してください》
近くにいた先輩にセキュリティ3について聞くと、校舎内に誰か侵入してきたらしい。
人の多い食堂で大人数がいっせいに動けばぶつかり合うし、パニックが起こっている。
緑谷くん達とだんだん離れていく。
「久我さん!どわー!しまったーーー!」
『あれだね緑谷くん!エンダーーーーって感じ!』
「こんな時に何言ってるの!?ってかそれ再開した時じゃない!?久我さん非常事態で変なテンションになってんね!?」
『そうかも!それじゃあエンダーーーーって再開しよう!』
そしてそのまま私は流され、緑谷くん達とは離れ離れになった。本当に身動き取れない状態だ。その時誰かに背中を押され体が前の目にりなる、やばいコケる。
「チッ くそが」
『え』
「なに倒れてんだよテレポート女」
『おおお!爆豪くん!』
倒れた私の体は爆豪に制服の襟元を引っ張られ、倒れることを防げた。
まさか全然話したことない爆豪くんに助けられとは。
爆豪くんは私の首根っこを掴んだまま、人を押しのけるように壁の方まで移動してくれた。
「お前壁側行け」
『え、でもそれじゃあ爆豪くん潰される!』
「潰されねぇわ!はよ行け!」
まさかの壁になってくれている、密着度100%だ。こんな間近で彼の顔を見るとは…。眉間の皺ぁ…。
『そういえば爆豪くん、同じクラスの人と出会えた記念にエンダーーーーしよう。感動の再開だよ』
「お前こんな時に何言ってんだ、あれだろ非常事態に変なテンションがおかしくなってんだろ」
『そうかも。あと、そのセリフさっき緑谷くんにも言われた』
「チイッ!!」
『すっごい舌打ち』
そんな時視界に飯田くんが浮いているのが見えた。
飯田くんはそのまま非常口のところまで回転しながら行き
「大丈ー夫!!!
ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません!大丈ー夫!!」
『ふぐぅっ!ダメだ、飯田くんがツボすぎて…!』
飯田くんで爆笑してたら爆豪くんに冷たい目で見られた。
あとに飯田くんは、"非常口飯田"としての活躍が委員長にふさわしいとのことで委員長となった。
あと爆豪くんが私を守ってくれているところを上鳴くん達が見ていたらしく、おちょくられていた。ごめんね、爆豪くん。
緑谷くんとお茶子ちゃんとは再開した時きちんとエンダーーーーってした。緑谷くんは顔が赤かったので反省した。
あの時私達はただのマスコミの仕業ではなく、裏にヴィランがいたことを、そしてこれから起こる悲劇は誰も知る由もなかった。
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やっと爆豪くんと絡ませられました。
めぐに投票したのはイレイザーさんです。ただの嫌がらせです。
そしてだんだん1ページが長くなってきている…すいません。
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