咲けよ花!
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職場体験がおわった翌日から学校があるなんてなかなか鬼畜だな。雄英高校。
今日は保育園でなつめにぐずられ、後ろ髪引かれながら学校に来た。そんな少し憂鬱な気分で学校に登校し、リカバリーガールにリカバリーしてもらった。傷跡も残らずでそこは女として良かったと思った。久しぶりの教室のドアを開け梅雨ちゃんや女子と話していると、1人知らない男子が教室内にいた。誰だろうと思いその男子の肩を叩いたら、鬼の形相でこっちをみたう。
「あ゛あ゛!?」
『ふ…ふふっ』
「アッハッハッハッハッマジか!!マジか爆豪!!」
私の後ろで瀬呂くんと切島くんが大爆笑している。誰かわからなくて肩を叩いたら、髪が8:2になっていた爆豪くんだった。笑ってはいけないと思い、口に力を込めるが息が漏れてしまった。
「笑うな!クセついちまって洗っても直んねえんだ おい笑うなブッ殺すぞ」
「やってみろよ8:2坊や!!アッハハハハハ」
『ふぐっ』
「てめぇもさっきから抑えるなら抑えろよ!!!」
『ご、ごめ…ふっへへ』
その後怒りに怒った爆豪くんの髪はBOMB!!と音を立てていつも通りの髪型に戻った。あんまり笑っていると本気でキレられると思い、自分の机に行こうと思ったら轟くんの机に緑谷くんと飯田くんが集まっていた。
『おはよー、なんか久しぶりって感じじゃないよね』
「はよ、そうだな。緑谷と飯田もこの間まで一緒だったしな」
『だね、皆怪我の具合はどう?』
「俺もだいぶいいさ」
「うん、僕も。学校来てすぐリカバリーしてもらったんだ」
『そっがよかった!でもあんまり無茶は無しだよ?』
「久我くんもな!」
この前まで顔を合わせていた4人で会話をしていると上鳴くんがこちらを見て話た。
「ま 一番変化といえか大変だったのは…お前ら4人だな!」
『私何も出来てないけどね』
「そうそうヒーロー殺し!!」
百ちゃんも心配したと声をかけてきてくれた。きちんと説明はしていたけど、皆心配していてくれたみたいだ。
「エンデヴァーが助けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
「…そうだな"助けられた"」
「うん」
『だね!』
もちろん説明したのは、私達がヒーロー殺しと出会ってしまい、そこをエンデヴァーが助けてくれたと説明している。あの時のことは秘密だ。
「俺ニュースとか見たけどさ ヒーロー殺し敵連合ともつながってたんだろ?もし、あんな恐ろしい奴がUSJ来てたらと思うとゾッとするよ」
「でもさあ 確かに怖えけどさ、尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか 執念っつーか かっこよくね?とか思っちゃわね?」
何でそんなことをっと思ったが、緑谷くんが上鳴くんの名前を呼んでそこで気づいたようだった。
「いや…いいさ 確かに信念の男ではあった…クールだと思う人がいるのもわかる。ただ奴は信念の果てに"粛清"という手段を選んだ。どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ」
飯田くんは右手を上げ、ビシィィイッと効果音付きで前に出した。
「俺のような者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローへの道を俺は歩む!!」
「飯田くん…!!」
『子供の成長って早い…っ!』
「お前は誰目線なんだ」
「さァそろそろ始業だ!席につきたまえ!!」
以前と同じよう、委員長としての仕事をする飯田くんにひと安心した。
上鳴くんも反省しているようだった。
それから前と同じよう、普通に授業が始まりヒーロー基礎学の時間となったのでコスチュームに着替えて集まった。コスチュームはコートとブーツが破れた程度だったのですぐ元通りに戻してもらうことができ、今回の授業出来ることが出来た。
「ハイ 私が来た ってな感じでやっていくわけだけどもね。ハイ ヒーロー基礎学ね!久し振りだな少年少女!元気か!?」
『元気です!』
「お 久我少女、元気で何よりだ!」
親指を立てて私に見せてくるオールマイトさんに笑顔で答える。たまに教師であることに大丈夫なんだろうかと悩んでいるのを知っているからね、できるだけ力になりたいのだ私は。
「ヌルっと入ったな」
「久々なのにな」
「パターンが尽きたのかしら」
やめてあげてぇぇ!!結構デリケートなのこの人!!後々になって気にして私に相談してくるから!!いじめないであげてぇ!!
『大丈夫、私は好きですよ。ヌルッと入った感じ!!』
「…ありがとう優しいね…っとまあ!職場体験直後ってことで今回は遊び要素を含めた救助訓練レースだ!!」
飯田くんが手を挙げてUSJでしないのか?と聞いていたが、あそこは災害時の訓練になるから今日は運動場γで救助訓練レースをするらしい。
運動場γは密集工場地帯であり、5人又は6人4組に分かれての訓練で、どこかで救難信号を出しているオールマイトさんを助けに行くレース。
「もちろん建物の被害は最小限にな!」
ススススとオールマイトさんが指さすのでみたら爆豪くんだった。彼、派手だもんね。色々と。
1組目は緑谷・尾白・飯田・芦戸・瀬呂だ。
クラスの中でも機動力のいい人達が集まった。1組目じゃないみんなはモニターを見ながら、誰が1位かを予想している。
「俺 瀬呂が一位」
『私も瀬呂くんだなあ』
「お、久我もか!」
切島くんのトップ予想に同意した。瀬呂くんはあのテープを使ってまずは上に行くだろう。私も上に行くな、まず見えやすいところがいいし。
各自がトップ予想をする中、爆豪くんだけはデクが最下位と言っていた。どんだけだ…。
スタートの合図で各自が動き出し、瀬呂くんは予想通り上に行った。でも緑谷くんもヒーロー殺しと戦った時の動きはいつもと違ったし…ハッと思い出したところでモニターに映る緑谷くんはピョンピョンっと跳ねながら進んでいた。そんな緑谷くんの動きを食い入るように見ていたのだが足を滑らせて、落っこちていってしまった。私も気をつけよう。
《START!!》
合図で飛び出す、まず行くのは1番高く見晴らしのいい場所を"見て、飛ぶ"
救難信号とはその時その人が出せる精一杯の信号。これを見落としてはいけない、これは両親がよく言っていた。"飛びながら"場所を変えつつ、見渡せば白いハンカチのようなものが見えた。それがよく見えるところまで"飛べば"いた。
『大丈夫ですか!!』
「よく気づいたね」
『怪我やどこか痛いところはありませんか?』
「…左足を怪我してしまってね、歩けないんだ」
『左足ですね』
今私には応急処置をする道具は持っていない。ならば足を動かさないように、人目のつく場所に移動するべきだ。
『私の”個性”はテレポートです。見える場所に移動することができます。怖くないので一緒に開けた場所に"飛びましょう"!手を貸してくれますか?』
オールマイトさんの手を握って、少し開けた場所を"見る"
『3・2・1で飛びます、大丈夫ですからね』
「うん!」
『3・2・1』
次には見える景色が変わった。そしてふわりとタスキがかけられた。
「驚いたよ、怪我をしているかの判断もしてくるなんて。思わず足を怪我した設定にしちゃったよ」
『…確かに無意識でした。こんな感じで良かったんですか?』
「勿論だよ。1つ質問いいかい?何故自分の”個性”の説明をしたんだい?」
『そうですね、怪我をしている時などとても不安だと思うのです。そして私の”個性”は私が触れていたら一緒に"飛べます"。でもこれは慣れている私は怖くないですが、初めて体験する人は怖いと思うんです。なので少しでも怖い思いをさせないようにきちんと説明をしてから、相手に”個性”を使うようにしてあます。』
「そうか、確かに皆不安だ。その心遣いは必ず必要になる!」
『ありがとうございます!』
「それじゃあ私をゴールまで運んでくれるかい?」
『勿論です!』
オールマイトさんと手を繋ぎ、ゴールまで"飛んだ"
「久我少女WIN!!!」
『やったー!』
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