咲けよ花!

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ヒーロー基礎学が終わりコスチュームから制服に着替えるため、更衣室に移動。各自着替えていると、峰田が緑谷を呼んだ。そこには壁になにかポスターらしきものが貼られており、それがめくれている。








「見ろよ この穴ショーシャンク!!恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう!!隣はそうさ!わかるだろう!?女子更衣室!!」




その言葉に数名の男子が反応する。いやこの反応した男子以外も、耳ではきちんと拾っているはずだ。だけど、悪いこととわかっていたり、気してないふりをしているが皆健全な男子高校生だ。少しは気になる者もいるだろう。





「峰田くんやめたまえ!!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!」

「オイラのリトルミネタはもう立派なハンザイ行為なんだよォォ!!」






そういい貼られていたポスターを破りとり、叫びながら穴の中を覗いていく峰田。







「八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに久我のセクシーボディに蛙吹の意外おっぱァァアア」





ぶす、と峰田の目に耳郎のイヤホンジャックが突き刺さり、爆音が流れる。




「あああ!!!!!!」

「耳郎さんのイヤホンジャック…正確さと不意打ちの凶悪コンボが強み!!」









冷静に緑谷が解説する一方女子更衣室では、耳郎のおかげで覗かれるのを免れたと賞賛していた。









「ありがと響香ちゃん」

「何て卑劣…!すぐにふさいでしまいましょう!!」

『…やっぱり男は覗きたくなるのか…』






皆が穴を塞ごうと話し合っているとめぐは呟いた。ブラウスのボタンも止めず、顎に手を当てて緑谷のように呟いていた。




『男子が異性の体に興味を持つのは何歳からだ?高校生で興味を持ち始めるのはわかるけど、小さい頃からも興味を持つの?流石になつめの年齢では早い…?いや、でも峰田くんは小さい頃から興味ありそうだよね…』

「どうしたのめぐちゃん、怖い」

「デクくんみたいになっとるよ!?」







蛙吹と麗日が声をかけても何か呟きながら考え事をしていた。だが、いきなりドアを開けて更衣室から出ていこうとしたのでドア付近にいた葉隠と芦戸が止めた。胸丸出しの状態で出ようとし、止めたのだが本人は何か考えているようでぽけーっとしている。そんなめぐを不思議に思いながらも、皆はめぐにきちんと服を着せた。それが終了すると更衣室から出ていったので、女子達は急いで追いかけた。






『峰田くん!』






廊下を走りながら教室に入ってきためぐは、飯田に注意をされたがその声も耳に入っていない様子で真っ直ぐに峰田に向かった。男子は先程のことでお怒りなのかとハラハラし、女子はめぐを追いかけ教室に戻ってきた。
穴から覗こうとした本人の峰田は、怖がる素振りもなく「なんだよ、久我」と声をかけた。
ドキドキしながら見守っていると、めぐが口を開いた。





『男子って何歳から(恋愛感情で)女子に興味持つの?峰田くん何歳からだった?』

「「ええ!!」」





意外な質問にクラス全員が驚いていた。先程のことでのお怒りの言葉でも無いし、まずその質問は峰田にはしてはいけない質問だ。普通の返答が返ってこないからだ。




「男が女(肉体的)に興味持つなんて物心ついてすぐだろ!!」

『物心ついてすぐ…』





ピシャァァンッと雷が打たれたような衝撃をめぐは受けた。そんな物心ついてすぐということは、もう既になつめも女の子に興味を持ち始めているのか!と。






『じゃあもう保育園生の時には峰田くん女の子に(恋愛感情で)興味あったの!?』

「保育園生だろうが男は男なんだから女に(肉体的に)興味あるに決まってるだろ!」

『そ、そうなんだ!知らなかった!同級生の子だった?』

「先生に決まってるだろ!同級生なんかおっぱいねぇし!!」

『え…なに、え…?保育園生でおっぱい求めるの!?なんで!?』

「当たり前だろ男なんだぜ!!」







少しズレているような会話に周りは頭を抱える。峰田の意見はやっぱり普通に当てはまらないし、変態なガキ過ぎるし、2人の会話は少しどこかズレているようだった。








『もうなつめも女の子に興味持つのか…』





それもおっぱいまで求めるのか…と呟いた。
少しショックを受けている様子のめぐに近づいたのは、轟だった。




「めぐ」

『焦凍くん…』

「大丈夫だ、俺は保育園生の頃女子を好きとかなったこと無かったぞ」

『そうなの…?でも峰田くんがおっぱい求めるって…』

「多分そんなガキの頃から求めんの峰田ぐらいだ」







轟の言葉に男子は頷いた。そうだ、誤解を解くのだ轟!!と峰田は「お前らも好きだったろ!」と叫ぼうとしたが瀬呂のテープで口を塞がれた。




『峰田くんぐらい…』

「そうだ、おっぱい求めるようになるのは高校生からだろ。まだ大丈夫だ」

「「おい!」」

「さ、さっきから君たちおっ…む、胸のことを言うなんて破廉恥だぞ!!」





轟のまさかの言葉に男子はツッコミ、飯田は先程からのおっぱいの単語に注意を入れた。手はいつも異常に動かしながら。女子の目は皆どこか冷たい。そんな中めぐはさきほどと打って変わって、顔をパアッと効果音が付きそうなくらい明るくなった。







『そっか〜!それなら良かった〜!好きな子が出来るのは私も楽しみだけど、もうできちゃったら私寂しいなって凄く思ってね。峰田くんってほら、変態だからそういう気持ちが芽生えるのも早かったのかなって思ってね、聞いてみたの』

「そうか、でもあんまり峰田の意見は聞くなよ」

『そうなの?じゃあ誰に聞けばいいんだろ』

「俺もわかんねぇからな…爆豪とかどうだ?」

「あ゛あ゛!?なんで俺なんだよ!!」

「視界に入った」

「視界に入ったぐらいで決めんじゃねぇ!!つうか見んな!」

「悪い」

『わかった!爆豪くんに聞くね!』

「てめぇは俺の話し聞いてたのかよ!!テレポート女!!!」






いきなり話に加えられた爆豪はぎゃんぎゃんと喚いているが、めぐは今日は早く迎えにいく約束をしていたことを思い出し帰る準備を始めだした。イライラしてめぐのもとに行こうとしたがタイミングよく相澤が教室に入ってきたので行くことが出来ず、HRが終わった途端めぐは帰ってしまったのでそのイライラを発散できず後ろの席の緑谷に向かう。轟も話に巻き込んだ張本人だが、どうして爆豪がキレているのかわかっていなかった。それを周りが止めていたことなんてめぐも知らなかった。




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