長編
□やきもち(伊作視点)
3ページ/5ページ
次の日、私は珍しく授業をさぼった。
今日は合同の授業。
二人が仲良く一緒にいるのが容易に想像できて…
だから出る気にはなれなかった。
学園の裏の草むらに仰向けに寝転んでいると
聞き慣れた声が私を呼ぶ。
「伊作!」
「もんじ…」
「こんなとこで何してんだよ?」
「…」
「何で授業でなかったんだ!?」
「別に…」
「別にって…お前がさぼりなんてめずらしーな」
文次郎が隣に腰を下ろす。
「何しに来たの?」
「お前がいなかったからちょっと気になってよ」
そんなのうそのくせに
「それに…元気なかったしな。」
「…なくていいよ」
「は?」
「心配なんかしなくていいよっ!したくもない奴の…!」
気付いたらさけんでいた。
.