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□プール
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いつも通り暑い日に「コクリコ、お姉ちゃんにお願いがあるの」
と可愛く言われたので話を聞くとどうやら彼女はプールに行ってみたいらしい。
「うーん。すぐには難しいなぁ...」
いい返事をしてあげたいのはやまやまだが独断で外へ連れ出すことはできない。
「そうだよね...。ごめんねお姉ちゃん。」
あからさまに気を落としてしまったコクリコちゃんをみて心を痛めていると1つの案が浮かんだ。

「ねぇ、大きなプールじゃなくてもいいなら今からプール入れるよ?」
大人と子供が数人入れる程度の少し大きめなビニールプールがあることを思い出したのだ。
それをきいたコクリコちゃんは目を輝かせていたので早速準備をすることにしたのだ。


プールを庭にセットして水を入れているところに水着に着替えて水鉄砲などのおもちゃを揃えたコクリコちゃんが来た。
そこで水を止め彼女にもう入っていいよと声をかけてタオルや飲み物を用意するために少し場を離れた。

私が戻るとジャンヌとサーティーンが微笑ましそうにコクリコちゃんを見ていた。
いや、訂正。
サーティーンはすぐに自分もプールに入っていった。
「あれではどちらが子供かわからないですね。」
クスクスと笑いながらこちらに話しかけて来たジャンヌにそうだねと笑い返して隣に座る。
コクリコちゃんの持つそこそこ威力の高そうな水鉄砲で顔を撃たれてオーバーリアクションとったりしてるしいい遊び相手になれてそうではある。
そのうち自分の手で水鉄砲作って軽く応戦し始めたりもしてたしある意味微笑ましくも見える光景にはなって来た。
多分バトアリにでも行っているのであろうグスタフやまといちゃん、あとルチアーノさんとアダムにも是非見せたかった光景だ。


などと考えていたら急に私と隣のジャンヌも水がかかった。
「お姉ちゃん達ごめんなさい...!」
「あぁ〜その...悪りぃな。つい夢中になっちまって」
コクリコちゃんは許す、サーティーンは後で覚悟しろと冗談半分で言ってから大丈夫かとジャンヌに目を向ける。
着ていた白いワンピースが濡れて薄っすら透けてしまっていた。
「ジャンヌ、何も言わずにタオルを使って。あと多分着替えたほうがいいかも。」
すると何かサーティーンに言いたげだったジャンヌの顔は少しずつ赤みを帯びていきタオルで胸元を隠しながら自室へ走って行った。
私はというと
「今渡したタオルコクリコちゃんがプールから出た時用に用意したやつだからもう1枚持ってくるね。」と告げて再びタオルを取りに行ったのだった。





勿論サーティーンは後でジャンヌから説教されていたのでこっそりビデオで撮っておいた。
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