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□自惚れてしまっても?
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※女の子の日ネタ注意。

あーもう…クラクラする。
お腹痛い……気持ち悪い……

貧血、鈍痛、頭痛、吐き気…何個か爆弾を体に背負ってしまっている自分の現状では そんなネガティブな台詞しか出てこず、ただひたすらに時間が流れるのを保健室のベッドの上で耐えながら待つ。


世間一般で言う 月に一度に来るソレで、リカバリーガールに治してもらえたらそれこそ有難いのだけれど、そもそも体の機能の1つ故 無理に手を加えるのは駄目らしい。
まぁ、そりゃそうか……

一応鎮痛剤を貰ったが あまり効果は無く、彼女も「こりゃ仕方の無い事だし、頑張って耐えることだね」とハリボーグミを少しくれて、別の仕事に行ってしまった。


「はぁ……………痛い…」

あぁもうほんと、アホ程痛い。なんだこの痛み、今までこんな痛かったっけ。実技とかで負傷した時より痛いんだけどほんとなにこ………





「…………は?」

「クッソ弱そうだな、お前」

突然保健室のドアが勢いよく開いたかと思えば、見覚えのあるツンツン頭が開口一番に煽ってきたとさ。ふざけんな。

「なぁ〜にへばってんだよ、何かあったんかてめぇ」

まぁ、何かあったのかと聞く辺り、一応心配して来てくれたのかもしれないし、案外優しいのでは?

「やー……体調不良というかなんというか…」

「はっ、怪我でも何でもねぇ自分の体調不良でへばってんのか。ヒーロー目指してんのに、そりゃねぇな」

前言撤回。やっぱ優しくないわ、こいつ。

「あのねぇ……爆豪の体には絶対に起こらない体調不良起こしてんだからね、マジでこれ舐めてっとやばいかんね」

「は?人間誰しも平等に体の不調は起こりうるだろうが。なに変な理屈こねてんだ」

「うわっ……まじか、察せないのか……もしかして知らないの…?」

「あ?」

「……や、女の子限定と言いますか……月に一度大体来るといいますか…」

あーもうほんとなんで偉そうな口振りのわりには、察することが出来ないのこいつ。
私の口から言いたかなかったよこんなん。

案の定、さっきまで偉そうな口叩いてた爆豪はようやく今の言葉で察しがついたようで、一瞬だったがフリーズしていた。

「………悪ぃ」

意外な事に、案外すんなりと謝った。
このクラス一の狂犬である彼も、常識はやはりあったらしい。(あ、すっごい失礼な事言ってる)
「気にしなくていいよ」と一言伝えた直後、先程から気にしていた嫌な予感が当たってしまった。

「っっー………」

痛みの波というものがあって、先程から感じていた波の大きさが徐々に上がって、今現在 ピークに達してしまった。という事だ。
簡単に言うと、さっきの比じゃない位痛い。まじで、痛い。
しかも、爆豪の前でこうなるなんて、最悪だ。

「っ……おい、大丈夫かよてめぇ」

本当に、目の前にいるのは爆豪勝己なのだろうか…?
彼の口から心配の言葉が出てくるなんて、予想打にしていなかった。

「なんとかね」と口にはしてみたものの、やはり状況にあまり変わりはない。
ただ 予想外の心配の言葉に、ちょっぴり痛みが引いた気がした。

「っまぁ……爆豪に迷惑かけるのも、アレだし、教室帰ってなよ。心配ありがとね」

「帰らねぇぞ」

「え?…っと………何で?」

「別にまだ休み時間終わってねぇし、授業始まるまでは此処に居てやる」

「……何かあるの?」

「なんっっもねぇわ!!善意だわボケ!はよ体調良くなれや!」

これ本当に爆豪なのかな……と思っていたら、どうやらソレは口に出ていたようで、「爆豪以外の何者でもねぇだろざけんな死ね!」なんてツッコミをくらってしまった。(体調良くなればいいのか死ねばいいのかどっちなんだ…)

「………」

「…………」

「……………」

「………なにしてるの?」

「……そんくらい自分で考えろや」

いつもの口調で、いつもみたいな悪そうな顔をしながら私の頭に手を乗せ撫でてくれているギャップに少々戸惑いながらも、少しだけ、ドキドキとした。

何故あの爆豪がこちらをこんなに気にかけてくれているのかは、まぁ…なんとなくだが予想してはいるが、そもそもこの男に限ってそれは有り得ないという考えの方が大きいのであまり自惚れないようにしている。

「………痛ぇか?」

「や、爆豪のお陰で少し柔らいだよ。ありがとね」

「………ん」


あー………やっぱダメだ…
そっぽ向いて 視線をコチラから逸らす彼の耳が少し赤みがかっているのを見てしまったのだから。
多少なりとも、自惚れてしまってもいいのかもしれない。


爆豪って、好きな人いる?
(「は……!?なっ…!」)(ちょっぴりからかい半分でそんな質問を投げかけてみれば、彼は耳どころか顔を真っ赤にして慌てるのであった。)

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