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□第4話
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◇◆第4話◆◇


彼が愛しくて仕方ありません。


子どもが欲しい、と告げた日から今まで以上に愛し合うようになった私たち夫婦。幾度も求められ彼を受け入れる私の頑丈な身体も、さすがに朝は気怠い。
カタクリのベッドで目を覚ました私はゆっくりと身体を起こしてベッドの端に畳まれた服を見つめる。畳んでくれたであろう彼の然り気無い優しさにキュンとしてしまう。

自身の処女を捧げてから8年。私の身体は完全に彼色に染まっていた。彼好みかどうかは謎だけど。



「シャワーしよ・・・」


シャワーを浴び、ふかふかのバスタオルで身体を拭いていく。洗面台の鏡に映った自身の姿に目が止まる。首や胸元に付けられた幾つものキスマークに顔が熱くなってしまう。振り返れば、背にまで付いているではないか。
消そうと思えば一撫でで消せる。しかし、消す気はないし消した事をカタクリが知ればまた新たに付けられるだけ。なので、このままにしておいて首にスカーフでも巻いて隠しておくことにしよう。


自室に戻って着替えを済ませて、食事を摂るため下の階へと降りる。


「あ、カタクリ」

「起きてたのか」

「ええ」

数時間ぶりに会っただけなのにドキドキしてしまう。
どれだけ彼のことを好きなんだろう、私は。


「なに?」

カタクリの視線を感じ、彼の方を振り向く。すぐにその視線が私の首に巻かれたスカーフに向けられていることに気付いた。


「隠さなくてもいいだろ」

「だって、見られたら恥ずかしいじゃない」

彼以外の誰かに見られるのは、少し嫌だ。


「お前だって付けただろ」

「カタクリみたいにいっぱい付けてないわ」

それに、私はちゃんと見えない所にキスマークを付けている。彼がファーを取らない限り、他人の目に触れることはないのだ。


「明後日のお茶会楽しみね」

「久しぶりに妹たちと会えるから、だろ」

「だって皆可愛くて大好きなんだもの♪」

「明日の朝、出発するぞ」

今回は船でホールケーキアイランドへ向かうというカタクリに私は憂鬱な気分になった。長期の船旅では無いにしても船の移動は退屈に思う。


「そういえば今日、明後日着る服が届くんだった」

仕立屋におまかせしているため、どんな服が届くのか楽しみだ。



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