星のカービィ二次創作

□一話
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「メタナイトさまぁ!大丈夫ですか!?」
「こんな廊下でなにやってるんダスかあんたら・・・」

騒ぎを聞き付け、メタナイトの部下であるメイスナイトと水兵ワドルディが駆けつけてきた。

「色々と、な。
それよりフレイド。まさかメタナイト様に昇格報告しに来ただけではないんだろう?」
「流石はハルバード艦長殿。お見通しでしたか。」
「まあな。」

一同は一旦、廊下からダイニングへと場所を変える。


ーーーーーーーーーーー


ダイニングの一角にある丸い椅子なしトールテーブを七人が囲う。
カービィは先程の件でどこか暗い雰囲気になってしまったメタナイトの隣に立つ。

「今回私がここへ来たのは他でもなく、戦士団本部にて上層部の会議が開かれます。その会議に出席していただきたく参りました。」
「そんな報告通信機使えばいいだろーが」

フレイドナイトが言い終わると同時にデデデ大王がそう言った。

「昇格報告程度ならともかく、銀河の戦士以上の上層部が集う会議があると言うこと事態を外部に知られるわけにはいきませんので。」
「俺様がバラすかもしれんぞ。俺様のなかにいるダークマターだってゼロに伝えるかもしれん」
「メタナイト様の報告書を見る限り、貴方様がその様な事をする方ではないと言うことはわかりましたので問題ありません。」

デデデ大王はジロッとメタナイトを見やるが、メタナイトはそっぽを向いてしまう。

「テメェなに書いたんだよ・・・」
「空飛ぶアオフグ」
「コノヤロウ」
「冗談だ」

また二人の争いが始まりそうになったのでカービィが まあまあ と間に入る。

「それと、暗黒物質類の件についても問題ありません。寧ろ伝えていただいて構いません。」
「どういうことダスか?」
「詳細は避けますが今回の会議はその暗黒物質とコンタクトを取るためのものです。」

フレイドナイトの言葉にメタナイトが なるほど と呟く。

「暗黒物質をよく思わない者もいる。ナイトメアと和解したにしろ・・・、いや、だからこそ不安を逆撫でする可能性もあるからか・・・。」
「ええ、その通りです。
ところでなんでナイトメアと和解したこと知ってるんですかつい先月のことなのに。」
「・・・・・・・・・・。」

メタナイトが明後日の方向を向く。

「ま、まあそれはともかくとしてだ!会議と言うがいつあるのだ?」

誤魔化したなとその場の全員が思った。

「四日後です。」
「そのこんぶってところまでどのくらいかかるの?」
「本部、だカービィ。
ワープ機能が無い通常の宇宙船なら二ヶ月くらいだ。」
「そんなにかかるの!?」

驚くカービィにバル艦長がクツクツと笑う。

「いいかぁ!?よく聞けカービィイ!!
この戦艦ハルバードはなぁ!!」
「ハルバードなら本部まで五分くらいだよー」
「ダス!」
「わぁぁぁあどるでぃいいい!!!!」

先に水兵ワドルディに言われ喚くバル艦長を無視して そう言うことだ とメタナイトがカービィに告げる。

「じゃあ今すぐいこうよ!僕も星の戦士だから中に入れるよね!」
「なんだ?戦士じゃないと入れんのか?つまんねーな」
「いや、私の連れだと言えば入れる」
「何者だよお前」
「信頼されることに越したことはない」
「何者だよ」

そうと決まればと、一行は出発の準備に取りかかり、本部へと向かう。
自分も準備を手伝おうとテーブルを放れようとしたメタナイトのマントをカービィがつかむ。

「?カービィ、私も皆を手伝わなければ。一人だけなにもしないわけにはいかないからな」
「あ、あのさ、」
「・・・?」
「・・・・・・さっき、ごめんね
ぼく、君を悲しませたかったわけじゃないんだ・・・」
「わかっている。大丈夫だ、ありがとうカービィ。」

そう言ってメタナイトは微笑み、カービィの頭を撫でる。



カービィが先にメタナイツの手伝いをしに部屋を出ていったあと、ダイニングの鏡に映るメタナイトが揺らぎ、黒くなる。

『いつまでこのままのつもりだ』
「・・・・・・・・・。」
『いつか身を滅ぼすぞ』
「そうなる前に、打ち明けねばならないのはわかっている。」
『軽蔑した目で見られるかもしれない』
「ッ、」
『またあの時と同じ目に逢うかもしれない』
「、だが」
『あいつらは平気だってか?保証はどこにある?あいつ以外はどうなる?』
「っ・・・・・・、」
『いつまでもガキの頃のトラウマに囚われてんじゃねェよ。乗り越えられねェのはわかるが自分を殺してまで隠し続けても良いことねェだろォが』

そう言い残し影は消える。


「───そんなこと、言われずともわかっている・・・」


間もなくして、戦艦ハルバードは銀河戦士団本部へと飛びたった。
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