星のカービィ二次創作
□一話
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一方こちらはプププランドをお散歩中のカービィ。
「さんぽだったらこんな不満そうなかおしてないでしょ!もう!」
おっと、これは失敬。
誰かと遊ぼうと思ったのに誰も暇じゃなくて暇な人探し中のカービィですね。
「あーあ、お昼寝しにウィスピーウッズのところにでもいこうかなぁ・・・」
そう言って空を見上げるカービィ。
でも今日の空模様はちょっと曇りぎみで昼寝をするには少し肌寒い。
「お天気にまでフラれちゃって、やんなっちゃうよ」
むくれてほっぺを膨らませながら、ウィスピーウッズの森へ続くのどかな一本道を歩いていきます。
そんなカービィの上をひとつの宇宙船が流れ星の様に通りすぎ、ほど近くに着陸。銀色で、雫を斜めにしたみたいなかっこいい楕円形。
カービィが走って近付いていくと、宇宙船の扉が開いて一人の男が出て来ました。
「ふぅー、着いた着いた。ここがプププランドねぇ・・・」
出てきたのは赤いブレイドナイトみたいなカービィより少しだけ背の高い若そうな男。
一瞬、赤い色のブレイドナイト?とも思うが、よく見ると装備品のデザインがブレイドナイトとは若干異なります。
カービィが声をかけようとするよりも早く、男がカービィに気付き声をかけてきました。
「初めまして。突然の訪問ですみません。
私は銀河戦士団に所属する流星の戦士で、フレイドナイトと言うものです。あなたはこのプププランドの方ですか?」
丁寧に自己紹介したその男はフレイドナイトと言うらしい。
名前までそっくり。
「うん、そうだよ!ぼくはカービィ!
フレイドはどうしてプププランドに?観光ならぼくが案内してあげるよ!」
「いえ、実は人探しでこの星に」
「ひとさがし?」
「はい。メタナイトと言う方の所在をご存じないでしょうか?」
どうやらフレイドナイトはメタナイトの事を探してこのプププランドへたどり着いたようだ。
「メタナイトならデデデ城のちかくにとまってる戦艦ハルバードにいるよ!案内してあげるね!」
「ありがとうございます。助かります。」
そうしてカービィとフレイドナイトはメタナイトの戦艦ハルバードへと向かい始めました。
◆
「そういえば、フレイドはどうしてメタナイトを探しているの?」
デデデ城へ向かう小道の途中でカービィが思い出したようにそうフレイドナイトに聞きます。
「メタナイト様が銀河戦士団の一員と言うことはご存じでしょうか?」
「うん。元星の戦士だって前に言ってたよ」
「あぁ、まぁ・・・"元"と言えば"元"ですね・・・。」
「ちがうの?」
あのかたは・・・とフレイドナイトはため息をひとつ。
「銀河戦士団と言う組織には階級がありまして、
一番下が、"ゆりかごの戦士"。基本的にまだ未熟な戦士や若者を指します。
その次が、"星の戦士"。ある程度実力の着いた者に与えられる称号です。
その上が、"流星の戦士"。この称号は星の戦士の中でも指折りの屈強な戦士や大きな功績を成した者に与えられます。
更に上の最上級が、"銀河の戦士"。流星の戦士から選りすぐられた銀河戦士団で最も強い方々です。
上の階級にいくほど数が少なくなり、汚い話、給料も上がります。」
「ふぅ〜ん・・・」
そこまで聞いてカービィは思った。
「(((銀河戦士団って給料出たんだ・・・)))」
カービィも一応は銀河戦士団に所属する星の戦士である。
給料をもらえるはずだが、そこは後でメタナイトを問い詰める必要がありそうだ。
「メタナイトは何の戦士なの?」
「つい先日銀河の戦士に昇格しました。私は今回それの報告と新しいワッペンを渡しに来たのです。」
ハルバードには通信機があるのだからそれで知らせれば良いのに。とカービィは言おうと思ったけれど、
自分やデデデ大王がしょっちゅう彼の事を面倒や厄介ごと等に巻き込むから、
ついこの間珍しくも、あのメタナイト本人が本気でキレ、艦内全ての通信機に繋がる主線プラグを引き抜いてしまった。
まあつまるところ、現在ハルバードの通信機が完全に遮断されていることを思い出し、何も言わないことにした。