星のカービィ二次創作

□一話
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程なくして目的の戦艦ハルバードが見えてきた。
しかし、ここでカービィは先程の事を思い出す。メタナイトがキレて通信機のプラグを引き抜いたと言うのだが、実はつい一週間ほど前の話だ。

「(メタナイト、まだ怒ってるかなぁ・・・)」

いくらメタナイトに用があるのがフレイドナイトだとしても、一緒にカービィがいたら中に入れてくれないかも知れない。それは困る。
どうしようどうしよう、とカービィが悩んでいる間にもうハルバードの真下にたどり着いてしまった。

仕方ないからなんとかメタナイトを説得しようと思いながら、地上に下ろされた階段を上がろうとすると、後ろから、喰らえぇー!!と言う雄叫びと共にハンマーがフレイドに向かって降り下ろされた。

「おっと、!」
「わあっ!フレイド大丈夫!?」

フレイドナイトはそれを異とも簡単に避け、サッと守るようにカービィの前に出ると、真っ赤な深紅のレイピアを軽やかに抜いた。

「覚悟しろ侵略者!!カービィの目は欺けてもおれさまの目は欺けないぞ!!」

ハンマーで攻撃してきたのは言わずもがな、デデデ大王である。
彼がフレイドナイトをこうも敵視するのも無理はない。例のハルトマンワークスカンパニーがこの星を侵略しに来たのはつい半年前なのだから。
恐らくは、カンパニーの拠点であったアクシス アークスと、フレイドナイトの乗ってきた宇宙船が同じ銀色だったため、また侵略者だと思ったのだろう。

フレイドナイトが敵ではないことをカービィがデデデ大王に伝えようとすると、先にフレイドナイトが口を開いた。

「ご勘弁を。私は銀河戦士団の者で、フレイドナイトと申します。この星へ足を運んだのはメタナイト様にご用あっての事。決して侵略者等と言うものではありません。
どうか武器を下ろしてくださいませんでしょうか?」

宥めるように、急かさぬように、でも相手が理解できるよう端的に、ゆっくりと。
フレイドナイトがそう告げるとデデデ大王はハンマーを肩に担ぐとため息をひとつこぼし、

「なら貴様もその武器を下ろせ!!」

と、ごもっともなご意見をフレイドナイトに咬ました。

「ああ!これは大変失礼を!つい癖で身構えてしまい・・・」
「どんな癖だよ」
「(デデデだって攻撃されたら身構える癖に)」

フレイドナイトは手早くレイピアを鞘へしまう。
しまうと同時にハルバードの入り口から フレイド? と言う声が降ってきた。
三人が声の方へ顔を向けると、声の主は作業着に油汚れであちこち焦げ茶に染まったソードナイトであった。

「ソード!久しぶりだね!元気にしてたかい?」
「ご覧の通り油まみれさ。今ハルバードの全体整備中でな。油と薬品臭くて構わないなら上がってくれ。」
「あはははっ!整備中の艦(ふね)なんてどこもそんなもんさ。慣れてるからお構い無く」

そう言い艦内に入っていくフレイドナイトにカービィとデデデ大王もおそるおそる続いてみると、中に足を踏み入れると同時に、 あ、そうそう とソードナイトが口を開く。

「卿もだいぶ怒りが覚めてたしなぁ、いやぁ〜流石にもう怒ってないでしょう」

逢えての大声で。
それを聞いて安堵の行きを漏らす二人。首をかしげるのが約一名。

後で教えるよ とソードナイトがフレイドナイトに耳打ちする。

「卿は今ダイニングでやきとr(バル艦長と燃料とかの事で話してるはずだから行ってみるといい。
カービィとデデデ大王に着いていけばわかるから。」
「わかった。ありがとうソード!」

ソードナイトに礼を言うと、カービィ達に向き直り、 では案内をよろしくお願い致します と丁寧にお辞儀をした。

三人はメタナイトがいるであろうダイニングへと向かう。


「あ、普段艦内で仮面はずして過ごしてること言うの忘れたな・・・」

そんな独り言は三人に届くはずもない。

「まいっか。焼き鳥がいるしなんとかなるだろう」

ソードナイトは再び整備作業に戻る。
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