きゅんって音が聞こえない@

□7.あおいろはるいろ
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現代文の授業中、なぜか長文に出てくる主人公の心情について前後の席同士話し合いをすることになってしまった。






「……で、藤宮くんはどう思う?」


「え、オレ?」





後ろを向いてそう聞くと、彼は今の今まで気を抜いていたのかビクッと肩を揺らす。


……また寝てたな。


そう思ってジッと見つめると、彼は慌てたように視線を泳がせ





「そ、そんな見ないでよ」





そう言って教科書で口元を隠すので、私は特にコメントすることなく前を向いた。






「……あの、冗談だからこっち向いてください」


「じゃあ藤宮くんの答えどうぞ」


「え、オレは……んん〜」





うーんと頬杖をついて手元の教科書に視線を落とす藤宮くんは、片手で器用にクルクルとペンを回している。


……それにしてもまつ毛長いな。


こうして近くでジッと観察したことなかったけど、この人はほんと綺麗な顔立ちをしている。


女の私から見ても羨ましいくらい。外でサッカーしてるはずなのに、どうしてこんなに白くて透き通った肌してるのかしらって……





「まあ、やっぱりこの主人公は……って、なんかすごい睨まれてるんだけどオレ」
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