審神者のマル秘ネタ帳

□【男士×審神者】男士の告白【鶴丸国永】
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鶴丸「あんたの好きな色はなんだい?」
主「え、…うーん、いっぱいあるんだけど…」
鶴丸「こういうのは直感が大事だぞ!」
主「んと、んと…あ、黒、かな」
鶴丸「くろ…?」
主「うん、黒!」
鶴丸「…なんでまた、黒なんだ?」
主「うーん…なんでかな、見てると落ち着くから、かな?」
鶴丸「そうか。俺はやっぱり、白だな!」
主「お!鶴丸の色だね!」
鶴丸「ああ。俺も理由は君といっしょさ。見ていると安心する。ホームカラーってやつだな!」
主「そっかー、鶴丸の好きな色は白なんだね」
鶴丸「ああ。白は混ざれば何色も受け入れ、その都度色を変えて行く。諸行無常の色だな」
主「そうだね。絵の具使って絵を描くとき、1番先に無くなるのはいつも白だったなぁ」
鶴丸「ほほう、そういうものかい?」
主「うん。だから、白い絵の具は他の色より多く持ってた。反対に、黒はあんまり減った事ない、かなぁ」
鶴丸「ほう、それはどうしてだい?」
主「どうしてって言われてもなぁ…そもそも黒は、あんまり使い所がないっていうか、全部の色を混ぜていればその内出来ちゃう色だし」
鶴丸「全部の色を混ぜて出来上がる色、か」
主「まるで、この本丸みたいだねぇ!」
鶴丸「へ?」
主「出来た時代も作った刀工も振るわれた回数も元の主人も全く違う個性豊かな刀達が、みーんな一緒に住んでる大きなおうち!絵の具をぜーんぶ混ぜて混ぜて出来上がった、柔らかくて優しい、黒の絵の具みたい!」
鶴丸「優しい、黒」
主「混ぜてる時は大変だけど、出来上がっちゃえばみーんな一緒!家族になっちゃうんだもん!」
鶴丸「なるほど、本丸が1つの色、ねえ」
主「えへへ、ちょっとメルヘンすぎるかな?」
鶴丸「いや、なかなか洒落てて好きだぜ?その比喩。…ただな」
主「ただ?」
鶴丸「何度混ぜても、決して黒には染まらない色がある。君も知ってるだろ?」
主「黒くならない、色?」
鶴丸「…白さ。白だけは、黒を中和し、濁す。侵食し、灰にする。そうだろ?」
主「たしかに…」
鶴丸「だから俺は、白が好きさ!集団には混ざらない、孤高の気高き色だ!きっと俺もそうでありたいと願うばかりだ」
主「鶴丸も、白い色になりたいの?」
鶴丸「ああ。そしていつか、あんたという「黒」を俺色に染めてやるのさ!」
主「でもね、鶴丸」
鶴丸「ん?」
主「白も、黒に染まれば灰色になっちゃう。「白」じゃ居られなくなっちゃうんだよ?」
鶴丸「え」
主「他の色を全部受け入れ、変えて行く。それが白い色」
鶴丸「まあ、そう考えると、そうだなぁ、うん。たしかに。おっしゃる通りだ」
主「ふふ…変な鶴丸」
鶴丸「だがな、あるじ。俺だって、ずっとこの色を保っていける自信はハナっからないさ。あんたと混ざり合って、違う色になっちまうだろうなって事くらい、考えてる」
主「私と、混ざる?」
鶴丸「君という「黒」と俺という「白」が交わったとき、どんな色になるんだろうなぁ…?」
主「さあ…それは想像もつかないねぇ」
鶴丸「主!俺はいつか、あんたの色に染まりたい!そしてあんたも、俺の色に染めてやるのさ!…その時、どんな驚きが俺たちを待ち受けているのか…考えるだけで今から胸の高まりが止まらない!」
主「おお!なんだか私もワクワクしてきた!」
鶴丸「こんな気持ちを、人はなんと呼ぶのだろうなぁ。筆舌に尽くしがたいとはこの事だ」
主『それはきっと、恋、なんじゃないかな』


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