長編さんです

□そんな君も
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【平手side】




私は美愉の顔を伺いながらそっとを彼女の首筋に牙を立てた。やっぱり誰に対しても皮膚を破く感覚は苦手だ。でもそうしないと好物に味わえないってわかってるから抵抗できないのが事実であり、美愉のだからこそはやくありつきたいのが本心だ。











【鈴本side】







鈴本「いっ…」




自分でも大胆なことしたなって思うぐらい平手を挑発していつもよりも思考が回らなかった今の今。一瞬、何が起こったのか分からなくて痛みすら追いついてこなかった。平手はもう余裕がなさそうな表情で必死に私の首筋に頭を埋める。腰のあたりから密着していて、こんなに人と触れ合ったことは無いと思うほどに、平手が近い。




鈴本「んっ…!」



首元をねっとりと舐められる。
感じたことの無い感覚に、思わず声がでて体がびくびくと過剰に反応した。



平手の舌が通って濡れた部分は、部屋のほんわり暖かい空気と平手の吐息で私の感覚が研ぎ澄まされていく。


知らない感覚に、ごちゃごちゃにされた頭に彼女の辛そうな声が響く。


平手「んっ。美愉…。」



お互いの頬があたるほどに近い距離でそんな吐息がまじった声で話されると変な感じがしてだんだん身体があっつくなってくる。皮膚が破かれた時の耳の奥に残る音は形容し難いけれどハッキリと残って耳から離れない。。でもなんだか平手が一生懸命血を貪る姿に愛おしさが芽生えてそんなことどうでもよくなってきた。




鈴本「ん、、、ふぁ…んんっ、、」



首筋を平手にぺろっと舐められてるせいでなんだかお腹の奥からふわっと自分の変な声が溢れてくる。聞かれたくない恥ずかしい…。



私は「今平手は一生懸命生きるために吸血してる」と頭で唱えて自分の変な考えをすてようと自分の口に手を当てて必死に耐えようとする。だめだめだめ今変な気分になっちゃだめ。生まれて初めてこんな気分になったけど体がふあふあするし頭はクラクラするのにその感覚さえも気持ちいい。



平手「…ん?美愉?どうしたの?」


鈴本「ぁ…ひゃっ…ダメっんんっ」


平手「…もしかして美愉感じて…るの?」


ちゅーって順調に私の血を飲む平手は今度は余裕そうに私の顔を伺っていた。こっちは余裕なんてないのに。


吸血が終わった平手は「ご馳走様」というかわりにさっきまで吸っていた部分にちゅっとキスをした。


鈴本「んっ…!」


平手の頭が私の首元から離れてさっきまであった体温が恋しい。


平手「…やばい。」


鈴本「な…なにが」


平手「今日の美愉大胆だし、なんか色っぽいしその…お、おいしかった」

恥ずかしいのか口に手の甲を当てて目線を外す平手。おいしいとかいう平手がどこかこどもっぽくって可愛い。頭をなでなでしたくなっちゃって、なんか妹みたい。


鈴本「…ゆいぽんに教えてもらったから」


平手「こばに?なにを?」





【平手side】



今日なんか美愉がやばい。吸ってる横で色っぽい声で鳴くし顔すんごい好みだし。まぁもとから好みなんだけどね。なんか中2男子みたいなこと考えちゃってどうしようもないなほんと。


平手「こばに?なにを?」


鈴本「その…平手がどうすればり、理性を失うのか…とか」


平手「は?」

理性を失う…?いやいや、あなたといればいつだってチワワにでも狼にでもなれますけど。てか、そんなこと考えてるわけ?



鈴本「だ、だから平手がどうしたら吸血してくれるかなって。」



…美愉そんなこと考えてるの?いや、いつでも吸いたいですはい。私結構理性弱いんだけど。今このタイミングでさえやばいんだけどね。うん。


平手「そ、そんなことこばと話してるの?笑」


なんか美愉がそんなこと考えてくれてるのかなって思うと思わずにやけてきて、うれしくて。美愉のショートカットの頭を手でわしゃわしゃした。




鈴本「わ、笑わないでよ」


平手「だってなんか嬉しいんだもん笑。ていうかこばそんなことやるんだ笑理佐もたいへんだー」


鈴本「たいへんってなんで?」


平手「毎回毎回こんなことされたら美愉たち血無くなっちゃうよ?笑。私たちはいつでも思春期みたいなもんだから。どんなときでもパートナーはむちゃくちゃにしたいもんなのさっ」


鈴本「…それだけ今日のは平手に効果バツグンだったってことか」


平手「ふふっ。キスするだけで真っ赤の美愉がねー笑。いやぁ、なめてたわー笑」


鈴本「う、うるさいなぁー。」



平手「ふふっかわいいやつめー笑」


鈴本「そいえばさ、平手。愛佳と理佐が言ってたんだけどね。」


平手「うん」


鈴本「2等ってなあに?愛佳が平手は2等だからもんちゃんは苦労する(?)っていってたよ?」


平手「は?」




…なんでそうぴっぴと理佐は私のことベラベラ話すかなぁ。物事には順序ってもんがあんの。わかる!?じゅ・ん・じょー!でもまぁ言わなくていいなら一生いいたくないかな。


平手「えぇー?2等かー。…まぁ簡単にいうと階級みたいなもんだよん。気にしないでほんと」



ごめんね美愉。今はこういって逃げるしかないんだ。どんなに2人にバカにされようと私はこれ以上美愉にいうつもりはないよ。



鈴本「ほんとぅ?だって愛佳が大切なことだっていってたよ?」


平手「…だあめ。まだその時じゃないからいいの。ちゃんと言うから。ね?」



いいでしょ?って頭を傾げれば君はなんだってそっか。っていって笑ってくれる。そういうとこが好きなんだ。都合がいいってわけじゃない。なんか受け止めてくれてるって感じがするんだ。私のこと信じてくれてる感じ。離したくないよ。美愉のこと。


鈴本「うんっ!わかった信じてる…から平手のこと」



目を見てちゃんと私をとらえる。自分の気持ちを自分の気持ちで。はぁ、どこまでも叶わないわ。理佐に「もんちゃんに甘すぎる」っていわれたけど、そりゃそうーだわ。てか、理佐にこばがこんなこと言ってたっていっとかなきゃ。笑




平手「うん。はぁー大好きだよ。美愉。…ちゅ」



鈴本「んっ」



私は隙を見計らって美愉の唇を奪う。人間の女の子って唇が柔らかくてフニフニしてて。おまけに美愉は感度が人一倍よさげだからちゅーしただけですぐに口から音が溢れちゃうタイプ。こりゃいいね。ほんと。かっわい。



ママ「ごはんできたよー!」


平手「はーい!今すぐー!」


平手「タイミングバッチリだね。美愉っ!いこっ!」


鈴本「……」



私は美愉のお母さんの料理が楽しみすぎて勢いよくベッドから立ち上がった。そしてドアの前までいって美愉を手招きした。



そしたらなぜか美愉は俯いたまま私の所まで歩いてきて、背伸びをして、



平手「…みゆっ!?」



今確かに当たったんだ。唇と唇が



鈴本「…あんまりば、ばかにしてるとばかみるからね…!」




まってまって鈴本さん。そりゃ叶いませんって



あなたからの初ちゅーは少し刺激強かった…



end


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