長編さんです

□血だらけ
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あけましておめでとうございますっ!今年もよろしくお願いしますね!皆さん紅白みましたか?もんちゃん…いませんでしたね。うわぁぁぁん






【渡邉side】




朝目を覚ますとやけに部屋が静かだった。私より早起きの愛佳が私を起こしに来なかったのも違和感を感じる。トイレにいるのかなーとか思ったりして家を探してもどこにもおらず、いつも持っていってるスクールバックもない…。いえにかえってない…のか?


家に帰ってないとすれば茜の家?喧嘩したわけじゃないのに帰ってこないっておかしくないか?


私はなぜか嫌な予感を感じた。冷や汗で背中がシャツとぺたぺた張り付いている。



プルルルプルルル




渡邉「ねぇ!茜!愛佳そっちいってない?」


守屋「え!?来てないけど!?どうしたの?」




今は朝の8時半。私が茜に電話をかけることはまずないし、しかも朝に電話かけることもない。私が愛佳のことで茜に電話をかけたので受話器の向こうで動揺している茜が伺える。



渡邉「やばい。愛佳が…」





































【守屋side】








「かえってない」






めずらしく理佐から電話が来たとおもったら愛佳のこと。でもなんで愛佳がいないの?理佐が待つ家に愛佳がいないなんて有り得ないでしょ。でもあのクールな理佐が電話の向こうで焦りながら話しているからなにが嫌な予感でもしているのかな




守屋「待って理佐。落ち着いて。本当に愛佳がいないの?」


渡邉「うん…。バイトがあった日で帰ってこなかった日なんてなかった。だし、朝帰りなんて1回も…」



そりゃそうだ。愛佳は理佐を愛している。ましてや起きて待っている理佐をよそに遅く帰ってくる愛佳じゃない。でも今日はなんで?


守屋「ま、愛佳だからケロッと帰ってきたりしないの?」


渡邉「いや、あのね。…人間の茜にこんなこというのはあれなんだけど。愛佳の匂いが…ないの。」


守屋「あぁ、なんか存在場所がわかるみたいなのでしょ?」


渡邉「うん。だからいまケロッとはしてない…と思う。」


守屋「え…。」



うそ。んじゃ愛佳虫の息ってこと…?え、まってまって。うそ…ねぇ


守屋「んじゃぁ…どうしたらいいのぉ?(グスッ)」




理佐がそんなこというから涙出てきちゃった。どうしよう愛佳どこにいるの?大丈夫なの?ねぇ…まなか…




お願い…帰ってきて









【平手side】





くっそ。ぴっぴどこだよ。
理佐と茜から連絡もらって美愉と駅前に探しに来た。匂いがない以上手探り状態でこの都心の中を探し出さないといけない。もちろん茜と理佐と由依も探してる。人間チームとヴァンパイアチームに分かれると危険にあったら守れない。だから私は美愉と組んでさがしてるけど、ほんとどこぴっぴ。



平手「…どこだよぴっぴ」


鈴本「平手…はぁはぁ…こっちにもいない」


平手「こっちもだめ」


鈴本「でもマックの店員が似てる子みたって!」


平手「ほんと!?」




ここらへんの地域の駅はマックが併設されてて注文カウンターから入口が見える内装。だから夜の人が並ばない時は注文カウンターから歩いてるひとがみえるってわけ。


鈴本「でも店員さんが顔はこの人だったけどスーツ着てて見た目は男の子だったって…だから愛佳じゃないのかもしれない。」


なんだそれ。くっそ。有力情報だと思ったのに



平手「うん、まさかぴっぴあの顔で男性に見間違えられないでしょ。他あたろ。まだ駅前にあたってないとこあるでしょ2人でいこう」


鈴本「うん!」







【渡邉side】




守屋「理佐…!やっぱりいない…」



小林「うん、こっちも」


渡邉「だめだ全然匂いもない」



ほんとにどこいったのあのバカは…。匂いもしないし気配も感じない。5人で駅前探しても見つからないってどゆことよ。茜は今にも泣き出しそうだし…。


小林「あかねん…大丈夫だよ。愛佳はあかねんをおいてどこかいったりしないよ」



守屋「だって…だってどこにもいないよ?愛佳ほんとにどこにいっちゃったの…?(グスッ)」


渡邉「茜…。由依の言う通りだよ。あいつそこまでクズじゃないよ。茜のこと大好きだもん。…まず今は探そ?」



そりゃそうだよ。好きな人が帰ってこなくて居場所もわからないなんて。耐えられないよ。しかもすこし死にかけに近い状態でいるかもしれないってときに、涙を流さない人がどこにいるっていうんだ。



守屋「うん…!」




うんって力強く返事をした茜はどこか綺麗だった。よくこの状態で平常心を保とうとできるな。尊敬する。
茜が涙を拭いたところで捜索を開始する。足を動かそうとすると由依がそれをとめた。


小林「ねぇ理佐。愛佳いつもバイトから帰ってくる時なにかなかった?」


渡邉「なにか?」


小林「うん。なんかこういつもと違うなみたいな。」


渡邉「うーん。愛佳のバイトはいつも日給制で…あと賄い持って帰ってきた。あとは…すんごい臭いがする」


小林「臭い?」


渡邉「うん…鼻が曲がりそうなくらいに臭う。なんだろ…香水の匂い」



いつもだった。ただいまーって帰ると絶対愛佳の匂いじゃない香水が入り交じりすぎて臭く感じる臭い。




小林「香水かー。んー。何処で働いてるとかきいたことないの?」


渡邉「うん。いつも決定的な返事は返してくれなかった。駅前ーとか店員さーんとか…」


守屋「…愛佳ビルの中って言ってた。」


渡邉「え?」


守屋「どこでつとめてるの?って言ったのさ。学校に忘れ物して行ったから。そしたらビルにいるよって言ってた。」


渡邉「ビル…!?」


小林「でもビルなら3つ4つしかないね」


平手「おぉーい!3人ー!」


渡邉「あ、てち」




すんごい勢いで他を当たっていた2人が走ってきた。息をきらしてなにかを掴んだかのような顔つきに私はすこし期待する。私たちは今3人で話したことを2人に伝えて5人で情報を共有する。


小林「てち愛佳ビルにいるかもしんない」


平手「ビルぅ!?三・四件あるね。でもだいぶ絞られた。」


渡邉「あとすんごい香水の匂い」


守屋「あとライターを使うところ」


鈴本「ライター!?」


守屋「この前デートしてたらバイトで使うからかっこいいライターほしいっていって一緒に選んだの。その時に私にも言ってくれなかった。バイトのこと。」


平手「ライター持って香水の匂い…。ビルの中…。少しの賄いと日給制…。」


小林「あかねん、理佐。他に思い出せることないの?」


守屋「うぅーん。あとはちっぽけなのしか思い当たらないかも…。バイト行く前に駅よるーとか」


鈴本「駅!?」


小林「もんちゃんどうしたの?さっきから」


鈴本「わかったぁぁぁ!」


守屋「え、どこ」


鈴本「ホストだよ!ホスト!だってほら愛佳鏡のまえでやっぱかっこいいとか言ってたし!他のも説明がつく!」


平手「いやいやいや美愉。愛佳は女の子だよ?まさかホストになるわけ」


渡邉「…でも言われてみればそうかもしれない。だって1日稼いだだけで何十万円も日給でもらってくるよ?」


小林「たしかにそれってホスト…とかしかないよね?」


守屋「ビルの中にあるよ…。ここらで有名なホストクラブ…」


平手「…はしろ皆」



もんちゃんの突拍子もない発言がここまで膨らむとは…。でも今なにもなに状況でこの答えは案外アリなのかもしれない。走るなんて遅い。ここは瞬間移動…だな


渡邉「いいよ。私に捕まって。皆つかまった?いくよさん・に・いち…」










♢ ♢ ♢




渡邉「なんでてちまで捕まってんの」


平手「理佐がかっこよかったから♡」


鈴本「ふざけないのバカ」




3階にちょーたかそうなホストクラブあるんですけど。5人でいくのも覚悟いるくらいの値段なんですけど。ほんとにこんなとこに勤めてんのあいつ。やばぁ




渡邉「よし…はいるよ」




ウィーン…




自動ドアが開いて、威勢のいい男性の声が聞こえる。うわぁ立ちすくむ私たちを見るのはこれでもかってほどのイケメン…。私は興味無いけど。固まった私たちをみて1人の青年が向かってきた。



いくお「…お前ら客じゃねーな。なにしにきた」


平手「あのぉここに志田っていません?志田愛佳って人」


てち、あんたの度胸だけは認めたげる。ていうか由依・もんちゃん・茜は借りてきた猫みたいになってるし…ここは私と平手でいくか…


いくお「あ?志田はいるがまなか?じゃねーなー」


渡邉「え?」


いくお「志田まなきはいたが、昨日ここ辞めたぞ。ファンなら他あたれ」


平手「ファン!?」


渡邉「辞めたってどういう事ですか?」


いくお「あぁ?なんだか夢ができたとかいってなぁ。そろそろ店人気1位になる予定だったんだがその前にやめたんだよ。俺はあいつ大っ嫌いだったがな」


平手「そ、それはなんでですか?」


いくお「あいつ飲んでてたのしそーじゃねーんだよ。なんだ他に本命がいるからか?って聞いたらよぉ。あいつなんていったと思う?」


渡邉「な、なんていったんですか」


いくお「ここに来る人みんな興味湧かないんです。俺1人しか愛せないんで。とかってキザなこといいやがってよぉ。あれのどこがいいのかさっぱりだぜ」




平手理佐「「(絶対愛佳(ぴっぴ)だ。」」


いくお「んでよー。おいあれお前らの友達か?ずっと地下とウロウロしてんだよ。」


平手「あ、ちがいます。友達じゃないです」


いくお「あ、そか。まぁーいいよ。んでなにまなきのファンなわけ?」


渡邉「ちがいますってば」


小林「ねぇ、理佐。あかねんがかえってこないよ…」


後ろにいた由依が間をみはからって私の裾を引いた。耳を貸すとそんなこというからなにごとかと思う。


渡邉「茜までどこいったのさ…」














【守屋side】





なんかこのビルに入ってからすんごい嫌な予感がしたの。なんでかわからないけど、胸騒ぎがするっていうかさ…。でも私1人の胸騒ぎでみんなをまきこむのはあれだから1人で地下に向かう階段を下がってる。そこはレッスン場だって書いてたから大丈夫かとおもって。




守屋「…しつれいしまーす」





誰かいるかわからないのに小さな声でそろーり部屋に入る。




あれ…だれかそこに座ってる。髪が少し茶色がかってて、あれ?手が…手錠?て繋がれてる?助けなきゃ。へ!?頭から血流れてるじゃん!!



守屋「大丈夫ですか…?!」



私はその男性に近づいた。頭から血をながして気を失っているのにおいていくことなんてできない。誰かを連れてくることも考えたけどまずこの人を運ばなきゃ…。でもこの髪どっかで…






守屋「愛佳…!?」







絶対愛佳だ。この綺麗な顔。この髪。もんちゃんが言ってた通りスーツ…。条件はバッチリだし、顔も愛佳だ。あぁ、よかった…愛佳に、会えた…。そっとぎゅっと抱きしめてふぅと端的な一息をつく。まず、おこそ



守屋「まなかっ!まなかっ!おきてまなかっ!」



ど、どうしよう。愛佳がおきないよぉ。なんかほっぺも冷たいし…。頭…血…。うぅどうしよう。落ち着け落ち着け震えるな手…!


守屋「愛佳。今助けるからね…」



幸いにも手錠は壁に繋がれてるわけではないので、愛佳を抱えて外にでよう。



守屋「…んっ!愛佳、今運ぶからね…」





客「どこに運ぶってのぉー?」





end


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