乃木坂

□お花
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【飛鳥side】




与田「飛鳥さーん!飛鳥さんってば!」

飛鳥「…んー」


シャーっとカーテンの開ける音がして朝日が差し込む。ま、眩しい…。寝ぼけた状態の私はゆっくりまたまぶたを落とす。そうするとまた寝たのかと体を揺さぶられる。

与田「飛鳥さーん!起きてください!」

飛鳥「…んーおはよう」

布団から上半身をだし、んーっと背伸びをする。やっと起きたかとえへへ笑う彼女は不覚にもかわいいと思ってしまう。そんな彼女もまだ眠たそうでふぁあーっとあくびをする。眠いなら私と一緒に寝ればいいのに(笑)。いつもはお昼すぎぐらいまで寝てなければ起こさないのになぁ。なんでだろ。

与田「飛鳥さん朝ごはん食べますか?」

飛鳥「食べようかな」

完全に目が覚めた私はリビングに移動した。何事も形から入る彼女はエプロンをつけ、鼻歌を歌いながら調理する。私もなにかできないかとキッチンのまわりをうろうろしているとクスクスと笑い声が聞こえた。


与田「飛鳥さんはお客様なので座っててください(笑)」

飛鳥「え、あぁ。うんわかった」


お泊まりで家に入れてもらいご飯も上げ膳据え膳…。私なにもしななさすぎなのでは…(笑)

飛鳥「洗い物は…します」

与田「えぇ?いいのにぃ(笑)」

トントンと軽快に料理を作る彼女。料理を待つ間私はテレビを見ることにした。芸能人のスキャンダルだの交通事故だの日本のあちこちではいろんなことがおきていると実感し、姿勢を改める。


飛鳥「よだっちょ今日オフ?」

与田「はい!オフです。だからお泊まりになったんですよ」


そうだったそうだった。昨日久しぶりにお泊まりしたいって言ったのも私だし、オフなことを承知で言ったのも私だった。だって全然会えなかったし、お互い忙しいことが素直に喜べないのも今日のこの頃の出来事である。


与田「そういえば、今日どこ行きますか?」


ん?出かける予定だったっけ。デートの予定だったかしら…。あ、だから早めに起こしたのか。なるほど。いや、んーと考えていると


与田「もしかして、デートのこと忘れてましたね!?」


むっすーっと顔を歪ませる彼女。さっきの鼻歌はどこへ。あからさまにへそを曲げた。だがその裏に少し寂しげを漂わせている。


飛鳥「よだっちょ…」


私は申し訳なさそうにキッチンへ向かい、料理をする彼女にぎゅーっと抱きついた。なんですかと言わんばかりに顔を歪めいっこうにこっちをむこうとしない。


飛鳥「祐希…。ごめん。」

私の声のトーンからか彼女はやっと私の顔をみた。

与田「ずっと次のデート楽しみにしてた私がバカみたいじゃないですかぁ」

飛鳥「私だって楽しみだったよ。どこ行こうかなとかどこ連れてこうかなって考える時間さえ楽しかったもん。」


そういうと少し機嫌を直したのか、顔を歪めるのをやめた彼女。

飛鳥「怒ってる?」

与田「怒ってませんけど、私ばっかり楽しみみたいで…」


思ってることを言葉にできずにブツブツ何かをいっている。

飛鳥「ううん。私も楽しみにしてるよ?本当に。今日は祐希の行きたいとこ行こう?」


そうすると機嫌がなおったのかぱぁーっと顔が明るくなった彼女。まるでお花が咲いたみたいに。この顔に惚れた。この性格に惚れた。いや、与田祐希のすべてに惚れてしまったのかもしれない。




与田「飛鳥さん!できましたよ」

飛鳥「おぉーいただきます」


私の彼女とのデートは楽しそうで少しドキドキしてしまいそうです。




end


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