乃木坂

□聖母
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【橋本side】




衛藤「ほら!釣り顔っ!」



今私はすごく心がもやもやしています。今は番組の収録中。今日の企画はメンバーがペットになったらなんちゃら。今はまいまいとみさの出番。まいまいはモコモコの犬の衣装を着て、見た目だけでもう可愛い。いつもは絶対着ないし、見たことない。



みさは番組を盛り上げるためなのか、はたまた自分がただ単にみたいからなのか…。まいまいに釣り顔を要求している。くそぉ、そこ代われ衛藤。



案の定、まいまいは顎に手の甲をあてニコッと笑った。収録現場からもメンバーからもかわいいっと歓声があがる。かわいいだろうな私の彼女だもん。


衛藤「これからもずっと…一緒だよ?」

深川「…わんっ!」



やっと終わったかと思えばメンバーがいるスタジオへ戻ってくる。照れてい
る。あれは完全に照れている顔。





収録も終わり、みんな楽屋へ帰ろうとする。まいまいはその衣装のまま帰り、楽屋で着替えるようだ。これは…チャンスだ。



楽屋に入ろうとするまいまいの手を引いて人通りの少ない階段の踊場につれていく。


橋本「似合うね。その格好」

深川「…ありがとう?でもなんか怒ってる?」

橋本「怒ってるよ。みさにあんな可愛い顔なんてして…」


収録中に押さえていた言葉が一気に溢れる。素直に嫉妬したーっていえばいいのに。まぉ言えるわけないけど。こういうところがかわいくないんだよな私。



深川「もしかしてななみん…嫉妬してくれたの?」


まいまいはすべてを察したかのような顔をして私の手をとる。にこにこしててうれしそうで…。私の気も知らずになんて顔してるんだ。



深川「今日の企画はみさみさだっただけでまた機会があればななみんとするし、嫉妬してくれたことがすごくうれしいな!ななみんって嫉妬とかしないタイプだと思ってたから」



いや、しないよ。普通に。嫉妬なんて私にはかけ離れた言葉だとおもってたもん。でもあなたは別なんです。あなただけは手放したくない。ずぅっとそばにいてほしい。こんな事をいつもいつも思ってるよ。


深川「もうっ。そんな顔しないで!私がすきなのはななみんで、それだけ!そんなに似合ってるかなぁ」


橋本「…私もまいまいのことがすきだよ。」


すきという言葉を聞いた彼女はうれしそうに笑っている。聖母だからとかとはちがう、深川麻衣の笑み。ただ純粋に可愛くてみとれてしまうほどの。


橋本「…まいまいが犬だとすこし意地悪したくなるね(笑)」

深川「え!?聞捨てならないぞ(笑)」


すっかり機嫌のなおった私とまいまいは手をつないで楽屋に戻りました。



メンバーに会話を聞かれていたのはまた別の話。


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