乃木坂

□素直に!
1ページ/1ページ



【与田side】




私は最近悩みがあります。それは今お付き合いをさせていただいている飛鳥さんをドキドキさせることができないことです。私は飛鳥さんが私にすることすべてにドキドキしたりキュンとするのに、飛鳥さんは余裕の表情で構えているのです。






わ、私だって飛鳥さんをドキドキさせたいし、もっと驚いた表情とかみてみたいし…。2歳下の私だけど、2歳差がなんだ!たった2歳だぞ!(笑)



なんか恋愛って刺激がなくなったら終わりっていうし。私の幼さで飛鳥さんに飽きられるのはやだ。今日ぐらい私から仕掛けてやるのも悪くない。(笑)





でもだれか相談相手がほしいなぁ。白石さん?それとも美…えとぅー?んー、こういう時…。あ、七瀬さんにしよう。



与田「七瀬さーん!今いいですか?」


西野「与田ちゃーん!なぁに」


飛鳥さんのいるソファーの反対方向の椅子に座ってご飯を食べていた七瀬さんに相談することにした。こうすれば話も聞こえづらいはずだ。


与田「あの…悩み相談してもいいですか?」

西野「いいよ。でもどんな悩み?深刻そうなら場所かえよか?」

与田「あぁーいやいやいやいや!大丈夫ですそんな…」

西野「…あー!わかった。飛鳥ことやろ(笑)」

与田「え?!なんでわかったんですか」

西野「だって与田ちゃんの悩みってほんとに深刻なやつかそうでなければ飛鳥しかないやん。(笑)」

与田「まぁそうなんですけどね」


西野「うふふ。んでどうしたの。」



私は七瀬さんにこと細かく私の悩みについて語った。いつもの飛鳥さんの態度とかとにかく細かく。七瀬さんなら変に茶化したりしなさそうだったのでより細かく丁寧に。だって本気なんだもん。みたいものはみたいんだもん。そうすると七瀬さんはうんうん。と相づちをうちながら私の話をきいてくれて少しノリノリだったようにも伺える。


西野「与田ちゃんの気持ちはわかったけど、具体的になにする気なん?」


え、あぁたしかにそこ大事。なんも考えたなかったなぁ。


与田「…ノープランでした」


西野「…ほんまか(笑)。んー。あ!だったらななにいいのがあるで」

与田「何ですか!」


口に積めていたものを飲み込むためゆっくりゆっくり噛みながら自分の頭の中にあるものをまとめようとする七瀬さん。ごくっと飲み込んで両手を合掌させ、箸をおく。


こしょこしょと私の耳もとで話す七瀬さん。聞いていて私の顔のほうが熱くなる。わ、私にそんなことできるかなぁ。



与田「…できますかね?私に」

西野「祐希できるよね。(笑)」

与田「で…でも…」

西野「大丈夫だよ!飛鳥を驚かせるんでしょ。がんばって!楽しみじゃないんか?飛鳥の反応。」

与田「そりゃー楽しみですよぉ」

西野「んじゃ大丈夫や。与田ちゃんならうまくいくはずや。でももし成功したらどんな反応だったか教えてな。」

与田「わっかりました!ありがとうございました」



よぉし!やってみるぞ!七瀬さんに一礼してその場を後にする。次の収録が終われば今日は私の家にお泊まり。今日を逃してはもう後がないのです。どんな顔してくれるのかなぁ。び、びっくりしてくれるかなぁ。









収録終わり…













与田「飛鳥さーん!一緒に帰りましょ」

齋藤「ん。ちょっと待って」



今着替えるからといって足早にロッカーへ向かう飛鳥さん。私とのお泊まり楽しみなのかなーとか考えてると口角があがるのは気のせい。


齋藤「…お待たせ。いこ」







与田家…





はい!こちら与田です。ただいま飛鳥さんはお風呂の真っ只中で不在でございます。これは七瀬さんの指示で飛鳥がお風呂とかで不在のときに十分にイメトレをしてここぞというときに作戦を遂行するというものです。飛鳥さんはいつもお風呂に入るとふぅ〜と声をだしシャワーになると鼻歌を歌うのでどのタイミングでお風呂からでるのかがわかります。

お風呂からあがりタオルで髪を拭きながらリビングまで歩いてくる飛鳥さん。


齋藤「…ふぅ〜いいお湯だった。」


与田「それはよかったです!飛鳥さん髪乾かして差し上げましょう」


お泊まりすればいつもしてあげていますが今日はほんのすこし飛鳥さんの近くに体を近づけてドライヤーを握ろうと思います。



ぶおぉー


与田「どうですか飛鳥さん気持ちいいですか」


齋藤「ん。眠くなってくるね(笑)」



よし。いつもより近いことに気づいていない。これは結構いい調子なのでは?七瀬さん、今日イケそうです(笑)



さすがにドライヤーした後にその場で作戦遂行するのは雰囲気が作りづらいのでソファーへ移動する。テレビを見ることを口実に飛鳥さんと仲良く移動。この前乃木坂メンバーが出たバラエティー番組の録画を二人で眺める。お、飛鳥さんが少し身をいれてテレビを見始めた。これは今がチャンスの合図だ。



七瀬さんの作戦は大きく3つ。


1つは飛鳥さんを呼び捨てで呼ぶこと。
2つ目は飛鳥さんの肩に顔をのせてぎゅーっと抱き締めること。
3つ目が最難関の口にキス。



飛鳥ーなんて呼んだことないし、ハグもキスも全部飛鳥さんからしかしてもらったことない。だから今日こそ。私から、新しいドアを開くんだ。



そぉーっとソファーから立ちあがり飛鳥さんの膝の上に座る。


どうしたのー。と言わんばかりの表情をとってからまた画面越しのメンバーに気をとられる飛鳥さん。…今は私だけ見ててほしいのに。



与田「…飛鳥」

齋藤「…んー?」


ん?なんだ今の間は。もしかして少しは驚いたのかな。でもほんのすこしの間に喜んでいる場合じゃない。次!次!


私は膝にのせていた手を広げ、飛鳥さんの華奢な体にまきつけるようにして抱き締め、七瀬さんの指示の通り肩に顔を乗せた。


飛鳥さんはすぐに受けとめてくれて私の体を抱き返してくれる。ポンポンと背中を優しく右手で叩いてくれる優しさは私この人のこと好きなんだなーと改めて実感させられる。




おぉっと。危うく、これだけで満足するとこだった。あぶないあぶない。まだまだ。次!



肩にのせていた顔を上げてすこしだけ飛鳥さんとみつめあう。小さい顔から大きな目。彼女にまた惚れさせられる。これ以上好きになったらどうなっちゃうんだろ。私。



ほんの少しだけ見つめあい、飛鳥さんの唇めがけて顔を近づける。ぎこちなくならないようにゆっくり。雰囲気を大切にしながら。そんなに私と飛鳥さんの顔を距離はなかったのですぐに重なる唇と唇。キスするときは目も開けられない私。今日こそは主導権を渡さない。そぉーっと片目を開けると両目をしっかり開けている飛鳥さんと目があう。


与田「ん…。……!?んんー!」

目があった瞬間もう遅い。飛鳥さんの手が私の後頭部を押さえている。逃げられない。また目を閉じてしまう。あぁもう息が…。もう限界ってところで飛鳥さんの肩を叩きキスから解放される。


与田「…はぁ、はぁ、はぁ。」

齋藤「今日どうしたの?(笑)やけに積極的で」

与田「…はぁ、はぁ。」

齋藤「何しようとしてたの」

与田「べ別になにも」



やばい、まだ息が整わない。なんかいつもとはちがうすんごい激しいやつでした。私の主導権…(泣)。


齋藤「…正直に言いなさい」


与田「…飛鳥さんいつも私もキスとかするとき余裕そうな顔してて私ばっかりドキドキしてて。飛鳥さんのそういう余裕そうな顔を崩したくて…あといつもしてもらってばっかりだから…」

齋藤「…よくきいて」

急に深呼吸し始めた飛鳥さん。


齋藤「私いつも祐希にしてばっかだったけど私だってドキドキしてるんだよ。」



私の手をとり自分の胸に当てさせる飛鳥さん。この振動は私の物なんじゃないかと思わせるぐらい拍動している。


齋藤「ドキドキしないわけないでしょ。…好きな人とキスしたりするんだよ?。嬉しくなったりドキドキしちゃうのは当たり前でしょ?…あと祐希がかわいすぎて…いとおしく思っちゃうんだよ。」


与田「…え?」



飛鳥さんがこんなこというなんて。耳まで真っ赤にして…。はぁもう、可愛い。可愛すぎる。そしてうれしい。


自然と体が動いて、飛鳥さんにぎゅっと抱きつく。力一杯。ぎゅーって。



与田「んー飛鳥さーん」

齋藤「でも…そんなこと思ってたんだ。へぇー(笑)」

齋藤「よくできまちたねー与田ちゃん」

与田「あ!絶対ばかにしてる!」

与田「もう!」

齋藤「あはは。でもほんとにびっくりしましたからね。もっかいキスしてもいい?」


与田「そんなこと…聞かないでください。」



ちゅっと可愛くキスする私たち。この幸せがずっと続くといいな






白石「七瀬もたいへんだね」

西野「まぁ今あのこにななができることはこれしかないやろ」

白石「七瀬は一途だね」

西野「ずっと片思いやで。」




ずっとすきだよ祐希。飛鳥に泣かされたらななのところにおいでな。




end


次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ