乃木坂リク

□君のこと
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【白石side】




私は最近気になってることがある。今もそのことで生ちゃんとかずみんと話してた。それは飛鳥と怜奈ちゃんのこと。3ヶ月前?かな。飛鳥と怜奈ちゃんからお付き合いの報告を受けてメンバーみんなで盛り上がったのもつかの間。


楽屋で会話してるとこみたことないし目も合わせない。え、なにケンカしてんの?ってなる。



だから今日は三人で聞いてみようという結論にいたった。まずはじめに飛鳥をよぶ。



白石「飛鳥ー!ちょっときてー」


齋藤「……んー?」


いつも座っているソファーから立ちあがり、むくっと歩き出す。トテトテと私達のそばまできて腰をおろす。


齋藤「なに。」


生田「最近怜奈ちゃんとどうなの?別れたの?」


齋藤「…は?(笑)」



あー生ちゃんってバカなのかな(笑)よくそんなズバっといけるわ。飛鳥すんごく呆れた顔してるやん笑



白石「いやあのね。怜奈ちゃんとうまくいってる?楽屋とかで二人しおらしすぎて私たちに言わないだけで別れちゃったのかなーなんて三人で話してたの。話さないし目も合わせないしさ。」



齋藤「あー…そういうこと」


私は好きな人と付き合えたらイチャイチャしたい。イチャイチャっていうかこうたわむれたい。…え、そういうもんじゃないの?若者って。飛鳥たちの年代はちがうのかな。


高山「私はてっきり付き合ってるから楽屋でも一緒にいるんだもんだと思ってたよ」


齋藤「いや、別に?。ケンカもしてないし別れてない。今でも普通に仲良いから。安心して」


白石「…あーそう?まぁ飛鳥がいいならいいけど。怜奈ちゃんはどう思ってるんだろうね」


齋藤「さぁ?」


高山「さぁ?って。話し合ってイチャイチャしないって決めたわけじゃないの?」


齋藤「ちがうよ?特に話し合ったりなんてしてない。」


生田「え。それって大丈夫なの?」


齋藤「…今日話してみようかな」


高山「うんそれがいいよ」


齋藤「うん。ていうか私呼んだのそれだけ?(笑)」


生田「うん!」


齋藤「なんだとー!(笑)」


…無鉄砲バカな生ちゃんはおいといてさ。


かずみんは七瀬と付き合ってるし、私も自分の恋成就させようかな。





【齋藤side】





齋藤「ただいま」


山崎「おかえりなさい」



今日もお疲れ様私。今日は撮影があって今は夜の8時。大人なら普通の帰宅時間だけど私にとっては遅い帰宅時刻である。だってお風呂入ってご飯食べたら寝る時間じゃん?もっと自分の趣味とかに時間をあてたいよぉ。





私にだって一応彼女いるんだよ?この性格だけど。かわいいかわいい彼女。身長が高くて私より大人びてて。歳はそんなに変わらないのにね。



山崎「飛鳥ーご飯だよー」


齋藤「今日は怜奈のご飯ですか」


山崎「うんおいしいって言ってもらえるといいなぁー」


齋藤「うふふ。楽しみだなぁ。…うわ美味しそうじゃんかさ!」



今日はどうやらお鍋らしい。鍋の蓋をあけるとふわっと湯気が溢れて、顔を水気が覆う。うぅ、前が見えない。



怜奈が料理するときはとにかくガチになる。彩りとか栄養とかそういうのを考えて本当においしいものをつくってくれる。



齋藤「今日も本格的ですね怜奈さん」


山崎「何そのしゃべり方(笑)作るならいいのつくりたいじゃん」


齋藤「いいと思うよ。私は自分で作ると壊滅的だからさ」


山崎「えぇ!んじゃ今度は飛鳥に作ってもらおうかな。」


齋藤「それは勘弁してください」


暖かい鍋を囲みながらたわいもない話をして食事を進める。二人で鍋をつつきながら腹を落ち着かせるのは至福の時間だ。だし相手は怜奈だからね。



齋藤「おいしい?」


山崎「うんおいしい。ていうかそれ私のセリフじゃない?(笑)どう?」


齋藤「おいしいよさすがって感じ」



なんか味付けがあっさりしていてなんか疲れた体に染みる。怜奈にご飯を作ってもらえる男性はいいなぁ。こりゃいい妻になるぞ。



齋藤「怜奈はいいお嫁さんになるね。一緒になった人は幸せだ」


山崎「うふふ。そんなにおいしかった?」


齋藤「うん。おいしい」


山崎「でもさ飛鳥ー。今私は飛鳥のお嫁さん候補なんじゃないの?」


山崎「私は…他の人と付き合う気はないけどなー」


齋藤「……!」



きゅ、急に何をいい始めるんだこの子は。でも…怜奈が私以外の人と付き合ってるとか結婚とか…やだな。なんか考えただけで涙がでそうだよ。



齋藤「そうだね私もだよ」


山崎「すんごい驚いた顔したね。久しぶりにその顔みた」



あははと私をみて笑う怜奈。だれのせいだと思ってるんだ。こんなに君の一言で舞い上がってる自分がバカみたいじゃないか。まぁ、それだけ君に溺れてるってことだろうね。


齋藤「こら。笑いすぎだ」


山崎「うふふごめんなさい」


齋藤「私も怜奈との生活が一番だからね。まぁ…私から手放すことはないよ」


山崎「えへへ。やったー!」


くそ。むかつく。私ばっかりふわふわ浮いてるみたいじゃないかー!




お鍋の火を止めて二人でごちそうさまの合掌をする。片付けは私が担当。料理ができない分これぐらいはやらないとね。



水が冷たい。早く終わらせて怜奈とテレビをみたい。抱きつきたい。



齋藤「怜奈ー!終わったよ」


山崎「ありがとう飛鳥。ここおいで」


齋藤「ん。」


二人のお給料から出して買ったお気に入りのソファー。ふかふかで座りやすくてなにより怜奈のにおいがする。ここが一番落ち着く。


山崎「なんかひさしぶりだねこうするの」


齋藤「ん。ぎゅってしてたい」


山崎「うんいいよ」


私はソファーに座る怜奈の後ろにまわってぎゅぅと抱き締めて一緒にテレビをみる。いわゆるバックハグってやつさ。


齋藤「なんかひさしぶりだ」


山崎「それ私がさっきいったよ(笑)」


齋藤「今日ねなんかまいやんがね『怜奈ちゃんとうまくいってるの?楽屋とかで二人しおらしすぎて私たちに言わないだけで別れちゃったのかと思った』って言われたの。」


山崎「ふーん。そっか。んじゃあもっとイチャイチャしろってことかなぁ」


齋藤「んー。でも家ではこんなに…」


山崎「へ?もっかいいって飛鳥(笑)」


齋藤「だから!家ではこんなにイチャイチャしてるのにねって話!」


山崎「そうだね(笑)もっとしちゃう?」


齋藤「ううん。家だけでいい。」


山崎「うふふ。まぁ私はいいよ!あんまり無さすぎるのもさみしいけどね」


齋藤「大丈夫。その心配はないからさ。」


山崎「うふふ。そっかそっか」


なんで私がイチャイチャしないかなんていうまでもない。かわいい怜奈を独り占めしたいから、ただそれだけのこと。ハグしてるときの笑う顔とかキスしたときの驚いた顔とかメンバーに見られたらって考えただけでやだ。



ま、絶対怜奈には言わないけどね。



end


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