リボーン

□君は僕のもの-2
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「・・・なせ、むく・・・、はなせ・・・くろ」

聞きたかった声が、僕の名を呼ぶ。

目を開けても・・・目の前に本当に彼はいるのだろうか、これは水牢から出たばかりで疲れて聞こえている幻聴だろうか・・・。

誰かの手を掴んでいる感触に気付き、もしかしたら彼なのではないかと思い、目を開ける。

綱吉「おはよう骸。ほら、手離して。俺執務室に行かなきゃだから」

目を開けると、会いたかった人がそこに居て、目が合った瞬間に微笑んで「おはよう」と言ってくれた。

骸「これは・・・夢ですか、君が生きてる・・・」

離してと言っていた綱吉の手を見れば、自分が彼の手を握っていた。死んだはずの綱吉の手を握っていることが不思議で、離せと言われたが逆にギュッと握ってしまう。

綱吉「痛たたっ・・・ばか、お前強く握りすぎ! 寝てる時に握られて抜けなかったから起こしたのに・・・」

綱吉曰く、仕事の合間に息抜きで様子を見に来たら眠っている僕が「綱吉・・・」と彼の名を呼んでいたから、手を軽く握ったのだが、仕事に戻ろうとしたら手を握られてしかも抜けなかったという。そこで、起こすのを悪いと思いながらも仕事に戻らなくてはならないために僕を起こして手を離させようとしたらしい。

骸「答えてください、本当に君ですか。幻覚ではなく・・・本物の沢田綱吉なのですか」

綱吉「・・・ごめんな、心配かけて。ちゃんと俺だよ、幻覚でも夢でもない。ほら、ほっぺ痛いだろ」

頬を軽くつねられて「痛いだろう?」と言われたが、不安はまだなくならない。本物の彼だと分かっているが、心がまだ足りないと告げている。

骸「もっと、もっと痛みを下さい。君だとわかるのに、分からない、抱きしめたら消えてしまうのでは無いかと・・・不安だ」

綱吉「ごめん・・・消えないよ。ちゃんと傍に居るから安心して骸・・・」

「もっと痛みをくれ」「確証が欲しい」「不安だ」綱吉が目覚めて既に数日経っているが、綱吉が現れると骸は必ず綱吉が生きて居ることを証拠を欲しがり、このような事を言う。そして、その後に決まって自分で自分の手首を傷つけて痛みを感じてやっと正常な思考を取り戻す。
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