リボーン
□小動物
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エンマ「ツナ君、悩み事?」
心配そうに顔をのぞき込んできてくれたエンマ、しかし今は彼に対する勝手な嫉妬を覚えてしまった自分が恥ずかしくて気まずい。
綱吉「うん・・・今日の数学の宿題がね・・・」
嘘ではない、本当の事。今日も出た数学の宿題、自分には難しすぎて一人では解けそうもない。後で獄寺君にお願いしようかなぁとも思ってみたりする。
エンマ「あはは・・・僕も難しくてさ、アーデルハイトに勉強を教えてもらってるんだ」
くしゃっと笑うエンマにツナは素直に可愛いなぁと思う。これなら、可愛いもの好きの雲雀さんもただ強いだけじゃ無くて気に入るわけだ。
エンマが帰った後も、なかなか帰る気になれず一人教室でぐだぐだし続ける。
雲雀「まだ居たの、小動物2匹」
ガラッという教室の扉が開けられる音と共に聞こえた雲雀の声。「2匹」という言葉に胸が苦しくなる。
綱吉「ひっぃぃぃぃ、すみません、すぐに帰ります。行こうエンマ君」
エンマ「う、うん」
雲雀「待ちな、小動物」
ビクッと一瞬反応してしまったが、2匹居るんだ、どっちの小動物か分からないよねと綱吉は雲雀から逃げるべく懸命に走る。面と向かって小動物と言われたのが先ほどの1回だけであるエンマも自分のことではないと逃げる。
雲雀「っち、止まらないと咬み殺すよ沢田綱吉」
綱吉「お、俺―!?」
雲雀「そうだよ、それ以外に誰が居るっていうのさ」
先ほど「小動物2匹」と言ったじゃないかとツッコミたかったが、それよりも逃げ切る方が優先だ。校門まで来たところで、無事アーデルハイトに出会えたエンマは彼女に引き取られ帰宅。しかし綱吉は獄寺君がシトッピに追いかけられながら先に帰宅、山本は部活で最近登下校が一人になりがちで助けなど居ない。どこまでも追いかけてくる雲雀から逃げるために必死に走り、やっと家に着いた。
綱吉「はぁーっ、やっと帰宅できた」
窓から入ってくることはあれど、まさか下校時間を過ぎただけでここまで追っては来ないだろうと不安になりながらも自室へ行くと・・・