リボーン

□君は僕のもの-2
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数日前、10年前の自分たちと入れ替わりで目覚めた時、一足先に地上へ出ていた自分の元へ一番最初に来てくれたのは骸だった。すぐに生身であることが分かったが、それだけではなさそうな傷から脱獄後すぐに戦闘に参加したのだと理解して悲しくなった。骸に「ただいま、骸」と言ったら「おかえりなさい」と言ってすぐ糸が切れたようにドサリッと音を立てて倒れた骸には焦った。

後から伝えられたが、幻覚で敵陣に潜入してダメージを受けていたにもかかわらず、水牢から出てすぐに生身で戦闘、その際にも幻覚で10年前の俺を助けた時に百蘭に自身の幻覚を消されるほどのダメージを与えられていて、その疲れが一気に来たのだろうと伝えられた。

誰のために骸がそこまで無理をしたのか、言われなくても分かる。

経っているだけでも辛かっただろうに、生き返った自分に会うまではと気力を保っていた骸を考えると、傷ついた骸に心を痛めると同時に愛しさが増した。

骸が目覚めたとき、今度は自分が一番に彼の目に入ろうと骸が目覚めるまで傍に居る許可をリボーンにもらって手を握っていた。

綱吉「・・・んっ」

いつの間に寝ていたのか、気付いたら握っていたはずの骸の手はなくガリガリという何かを掻く様な音に目を覚ました。

綱吉「・・・骸っ」

音のする方へ目を向けると、自分の手首を掻いて血を流している骸が居た。慌てて止めようとその手を掴めば、骸がその手をしっかりと掴み「生きているんですよね・・・」と不安げに問われた。

綱吉「生きてるよ、大丈夫」

骸「本当に、君なのですか。あぁ、でも起きてすぐに君の姿を見て本当かどうか傷つけていた手首が痛い・・・痛みがあると言うことは、本当に君なのですね・・・」

綱吉「ごめん・・・」

どうして眠ってしまったのだろうか、骸が起きた時に「おはよう」と声をかけられていれば、骸が不安になって手首を傷つけて痛みで判断することを防げたかもしれない。

それから、骸の不安を無くすために書類仕事を骸の部屋でするなど出来るだけ彼の傍に居るようにした。だが、綱吉を一度失ったことは骸にあまりにも大きなショックを与えていた。綱吉の姿を見ると最初に綱吉が居ることを確認できた時と同じように自傷行為をしてしまうということを繰り返すようになった。

その度に綱吉は、世界を、マーレリングによって傷ついた人たちを、皆を守るためとはいえ、自分を失った物達の事をきちんと考えていなかったと自分を責めた。骸をこんな風にしてしまった罪悪感に苦しみ、犬から言われた「お前のせいだ」という言葉や「理解しているが恨む気持ちもある」と言った千種に対しても申し訳なさに苦しんだ。

骸と綱吉、両者のためにも一度二人を合わせないようにと離すと、綱吉は落ち着いたが骸の方は一日でも綱吉の姿を確認できないとフラフラと歩いて綱吉の棺桶が置かれていた森まで行き、中に誰も居ないことを確認すると面戻されるまで10年前の綱吉を探し求めた。

そして、まだミルフィオーレの残党がいる中でその様子で放置をすることは危険だと判断され、再び綱吉と骸は会うことを許可され現在のように綱吉が仕事の合間に骸に会いに行ったり、更に許可が出れば骸の部屋で種類仕事も出来るようになった。
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