□一緒に
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「じゃあ、これから、名無しさんの気持ち良いところ、探す。動かすぞ、いいかァ?」



「うんッ」



実弥は、ああ見えて、名無しさんに対してこんな風に一回一回きちんと確かめてくれる。それが、痛みの中でも名無しさんを笑顔にするのに必要だったってことは、実弥は気付いていない。ただ、愛する人に優しかっただけだから。



実弥は、指の腹で内壁を擦りだした。名無しさんは、それが気持ち良いわけではなかったが、実弥が触ってくれている、という事実に、嬉しさが込み上げる。



「んっ…ふ、…ァ……は」



内壁を擦りながらどんどん進んで行き、実弥は、指を根元まで全部挿れたところで腹部側に折り曲げた。そこに、ザラザラとした丸い肉丘があった。



実弥は、そこをトントンと指をバラつかせながら叩き、時折擦りつけ、を繰り返した。名無しさんは、何となく、気持ち良いような気がしたが、何せ初めての性行為。開発されていないそこは、快感を得るのには時間がかかった。



暫く続けた実弥は、今度は指を完全に伸ばして、最奥を触った。グニュっとした柔らかい感触がする。そこで名無しさんは、ビクンッと震えた。



「あ…ッ!!?」



ーーーー名無しさんは、一番奥が感じるのかァ。ー



しかし、それ以上指は奥には行けないため、抜き差しをすることで、一定間隔で押した。



続けていると、次第に分泌液が出てき、クチュクチュと音を立てるようになった。



「ァっ、…ん、ぅ!ぁ…っ実弥!」



「気持ち良いかァ?」



「ん!んッ…ぁ、気持ち…良いっ…!」



チラチラと見ていた名無しさんの表情を、顔を上げてきちんと見れば、そこには目をギュッと瞑って快感に堪えているような名無しさんの姿があった。実弥は、嬉しかった。



それを続ければ、中の狭さ具合に余裕が出てきたように思えた。実弥は、指を引き抜いた。



「あゥ…っ…」



それにさえ声を出してしまう名無しさん。本当に、何もかもが刺激にしかならないようだ。



名無しさんの愛液で濡れまくっている自分の指を、実弥は、大切な名無しさんの身体の一部だ、と、残らないように丁寧に全部舐めとった。



「甘ェ…」



「そんなっ恥ずかしこと言わないでよっ!」



「あ?名無しさんだってさっき俺の首舐めた時に、おいしいっつったじゃねェか。それと同じだ。」



「同じならいいや…」



照れて唇を尖らせている名無しさんは、目線を逸らしているものの、顔は桃色に色付いていた。可愛い、と実弥は思って笑った。



ゴソゴソと布が擦れる音がする。



目線を実弥に戻すと、服を脱いでいた。男らしい筋肉質な身体が全部見えて、名無しさんは性器がキュンッと収縮したのを感じた。



実弥は、血液で膨張し硬直した陰茎を、名無しさんに触らせた。



「ん!??」



名無しさんは、初めて見る男性器と感触に、目を見開いて凝視せざるを得えなかった。目が離せない。手が離せない。



実弥は、触れているだけの名無しさんの手を上から包み、握らせた。



「いいかァ、名無しさん。今からコレが名無しさんの中に挿いる。」



「は、挿いらないよっこんなおっきいの…!」



しっかり握ってしまった実弥の男根を、恥ずかしくて離そうとした名無しさん。しかし、実弥はその手を離さなかった。実弥は、真面目な顔をして喋っている。



「いや、挿いる。名無しさんと俺なら、できる。信じてるから。そうなんだろォ?」



「ぁ、…」



ーーーーそっか…、実弥も、私の事を信じてくれているんだ…。ー



「うん、私達なら、絶対に大丈夫。実弥、お願い?」



微笑んだ名無しさんに、実弥も笑顔を浮かべた。



名無しさんは、握ったままの実弥の陰茎を、優しく指で擦った。それに少し反応してしまった実弥だが、直ぐに手を離させて、名無しさんの股の間に身体を滑り込ませた。そして、膣口に自身の先っぽを宛てがった。



「挿れるぞォ。」



「ん、」



名無しさんがちゃんと頷いたのを見て、実弥は、陰茎を持ちながら腰を前に進めて行く。










挿いらない。










「キツッ…」








名無しさんのソコは、まるで侵入を拒んでいるかのように、実弥を受け入れなかった。



しかし、名無しさんは、痛いはずなのに、歪む表情で、実弥の目をジッと見つめて信じていた。





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