□変わる時
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腰を前後に動かして、名無しさんの好きな最奥を突き上げる実弥。その速さは、名無しさんが痛くないようにと、はやくはない。しかし、纏わりつくような膣壁の締め付けに、実弥の先端からは透明な先走り液が少しずつ出て、名無しさんの愛液と混ざり合っていた。



「名無しさんっ…、もう…ッ出そうだっ」



「んァ…っ、な、に、がッ…、」



「、あとでッ…教えてやるっ…!」



腰の動きを徐々に速めていき、それに反応して女の身体になった名無しさんのキュウッという力に、実弥は限界を越え、急いで自身を引き抜いた。



扱かなくても、抜いた瞬間からとめどなく出てくる実弥の精液。ドピュッドピュッと、若さを象徴するように勢いよく出ている。名無しさんの腹の上には、白い濃い体液が大量に溜まっていた。



ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、…



息を乱している実弥。自分が出した精液で名無しさんの腹が濡れているのが、何とも卑猥で、それでいてどこか満たされていた。



名無しさんも、少しだけ身を起こして自分の腹に出された白い液体を、見つめる。手を伸ばして触ると、それはヌメッと粘り気を帯びて、指にまとわりついた。



「実弥、これ……」



「俺の精液だァ。」



説明して恥ずかしくなる実弥だが、分かってもらわないといけないから。頑張って自分も名無しさんの腹を見た。



さっきからヌルヌルするのが気になって、混ぜるようにして自分の皮膚に塗り込む名無しさん。



「実弥から、出てきたんだね…、愛おしいね。」



フフッと笑って自分と目を合わせた名無しさんを、堪らなく好きだと思って、実弥は胸が苦しくなった。



「これをなァ、中に出すと、妊娠するんだァ。必ずじゃないけどな。」



「…………!」



名無しさんの手が止まった。



ーーーー実弥の、赤ちゃん……、だったんだ…。ツラい…。ー



急に顔を歪めて実弥の出した精液を見つめる名無しさんは、どこか泣きそうな顔をしていた。



「実弥っ…、ごめんね…?この子……生まれてこれなかった…ッ」



辛そうな顔をしている名無しさんを見て、実弥は優しい表情で、その精液を、脱ぎ捨てていた下着で拭いた。



「あっ…!」



それに名無しさんは焦って声をあげた。



拭き終わった実弥は、下着を置いて、名無しさんをギュゥッときつく抱き締めた。



「またな、…鬼を殲滅して、結婚して、安心して子どもが生める世の中になったら、俺と名無しさんの子どもを作ろう。」



それを聞いた名無しさんは、大きく頷いて、動かせる右手を実弥の背中に回して抱き着いた。実弥の風柱という位置。毎回、最大級の命をかけている事を、最近知り合った甘露寺から聞いた名無しさん。だから、実弥の言葉は重かった。たくさんの意味が、込められていた。



名無しさんは、実弥の横顔にスリスリと自分の横顔を寄せてピタリとくっついた。そして、笑顔を浮かべて話し出した。



「ね、実弥?」



「何だァ?」



「愛してる。この世の誰よりも、あなたを愛してる。実弥が、大切だよ。」



実弥は、擦り寄ってきた名無しさんの頭を抱き込むように手で包みながら、答えた。



「あぁ、俺も、名無しさんを愛してる。誰にも渡さねェ。ずっと一緒だからなァ。」



一緒に顔を離した二人は、笑いながら、引き寄せられて誓いの口付けをした。何度も。何度も。幸せで笑いながら。


















二人の約束。それは、確かなもので。



未来。



これから、実弥の身に、自分の身に、何があっても、ずっとずっと私達は一緒だから。絶対に、大丈夫。絶対に。











ーーーー変わる時、いつもあなたが傍にいてくれたー





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