Short novel
□砕ける力と変わらぬ想い
1ページ/5ページ
ボンゴレリング。
それは数少ないランクAオーバーの至高のリング。
…それ故に、血塗られた呪われし歴史がこのリングには刻まれている。
《砕ける力と変わらぬ想い》
「………」
綱吉は悩んでいた。
悩みの種であるそれをじっと見つめる。ボンゴレリングだ。
どうするかは既に決めている。問題は『どう納得させるか』だ。
「……反対、されるだろうな」
自分の意志を聞いた守護者達の反応が容易に想像できる。綱吉は苦笑した。
何を言われようが意志を変えるつもりはない。ならどうやって彼らを説得しよう?守護者達は皆、個性が強い。説得が困難なのは明らかだ。
「うーん…」
「――何を悩んでるの?」
綱吉の他には誰もいなかった筈の部屋に、突然自分以外の声が聞こえ、綱吉は動きを止める。