Short novel
□夏祭りに行こう
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「これって…」
「着方がわからないなら、家の者に着付けさせるから」
雲雀はニヤリと笑った。
「祭りといえば浴衣だろう?」
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「………」
綱吉は一人、雲雀家の外で雲雀を待っていた。濃紺の浴衣を身に着けている。雲雀家の使用人に着付けて貰ったのだ。
(…何だかなぁ…)
小さく息を吐く。全く、なんでこんな事になったのか。
「ワオ、よく似合っているね」
すぐ後ろから耳元で囁かれ、驚いた綱吉は真っ赤になって飛び退いた。
「フフ…そこまで驚かなくてもいいじゃない」
クスリと笑みを零す雲雀の格好を見て、綱吉は石化した。
現在の雲雀は黒地に紫の蝶をあしらった浴衣を身に着けており、上の方で結われた長い髪は紫の花の髪飾りで留められている…おまけに薄く化粧も施され、色気が倍増していたのだ。