Long novel(10years later)

□第2話
1ページ/12ページ

この未来に…


―――希望はあるのか。


《第2話》




「………」

夜明け前の深夜、優弥は眠らずに布団の中にくるまっていた。

逡巡するように黙り込んでいたが、意を決したのか体を起こし、通信機を手に取って話したい相手へと繋げる。通信はすぐに繋がった。

「もしもし」

『…優弥かい?』

相手の声は、明らかに悲しみに震えていた。無理もない…優弥は悲しげに顔を歪める。

『今、日本は深夜じゃなかった?駄目じゃないかちゃんと寝なきゃ』

「…人の事言える立場?自分だってろくに寝てない癖に」

優弥の指摘に相手が苦笑する気配を感じる。

『……彼は僕にとって特別だったんだ』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ