Long novel

□第6話
1ページ/9ページ

嵐は唐突に巻き起こる。


《第6話》


最近よく夢を見る。


『―――…』


それは自分であり、自分ではない『もう一人』の自分の記憶。


『――ゆ…や』


途切れ途切れのそれは、よく判らないけれど、優しいものだったと思う。


『――きや…』


目の前にいるのは金髪の青年。顔はぼやけて誰だかは判別できないが、よく知っている気がする。


(―――?)


急に辺り一面に霧が立ち込め、視界が覆われる。


――クフフ…


聞こえるのは奇妙な笑い声と、別の誰かの声。


『―――雪弥……』


それは、もう一人の…




「…………また、あの夢…」

空が白んで来た頃、目を覚ました雲雀はゆっくりと体を起こす。

(……)

最近見る同じ夢は雲雀に何かを予感させた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ