Long novel
□第8話
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「おや?」
「…黒曜生…!?」
彼にとっての初遭遇、僕にとっての再会は――
僕を酷く失望させた。
《第8話》
「助けに来てくれたんですね!」
「え?」
これが、ボンゴレ10代目・沢田綱吉…
何て小さい存在だ。
「いやあ、助かった。一生ここから出られないかと思いましたよー」
「!」
人質を装い、にこやかに話し掛ける。綱吉の警戒が徐々に解けて行くのを感じた骸は内心ほくそ笑んだ。
嗚呼、何て愚かだろう。
『――下手な嘘つくなよムクロ、バレバレだぞ?』
君が『彼』だと言うのなら、コレぐらいの嘘、気づかない訳ないでしょうに。
「…あの、期待してるとこ悪いんですが…」
「!」
綱吉が申し訳なさそうに言葉を濁す。助け出す途中と言いたいらしい。