長編
□プロローグ
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真っ白い部屋の中、沢山の真っ白な白衣を着た人達であふれかえっていた。その中心には沢山の機械に取り囲まれた背中に白い羽を付けた少女がいた。
「やっと、やっと完成したぞ!」
なにが?
少女はうっすらと目を開け問いかける。しかし口は動いていない。
「やりましたね!教授!」
きょうじゅ?
「あぁ!ようやく成功したんだ!!」
だからなにが?
「天使だ!我々は天使を作ったんだぞ!」
てんし?
「我々は神すらも超越した!」
かみ?
「さぁ、何か喋って!」
しゃべるってなんだろう?
「口を開けて声を出してごらん」
そう言いながら一人の男性が一人の少女に触れようとした。その刹那
さわるな
メキ!
「あぁあぁああ!腕があ!?」
「何をやってるF359!」
うるさい
ドゴン!!
「うわあぁぁあぁ!!」
「F359が暴走しだした!」
「一度停止させろ!!」
うるさい うるさい
ドゴン!バゴ!メキメキ!
「ギャアアぁあァアアあァァあぁぁアあぁアァアぁ!!!!!!!」
炎が燃えさかる中たった一人真っ赤な血をした羽を持つ少女が立っていた
少女は真っ赤な血に濡れた自分の手をジッと見つめている
ニヤリッ
少女が至極楽しそうに笑った
まっかなまっかなきれいな血♪
あたしがのぞみねがうのは血だけ♪
てんしがよろこびたのしむのは血だけ♪
かみがきょうきしほっするのは血だけ♪
あたしのすすむみちは血のうみ♪♪
ほかになにかいる?
いらなーい∨∨
「アハッ∨楽しいぃ∨∨」
それが少女が生まれて初めて喋った言葉だった
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