Novel

□捜索
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―――…一方蓮はというと

「へへっ俺様を馬鹿にした罰だぜ! えーっと真森ちゃんの鞄の中身はーっと……ケッたったの3000円かよ。特に高価な物も入ってねーし……おっ!モンスターボールが入ってるぜ!そういえば、リザード達一緒じゃなかったな。まあこいつらは出したらいろいろとうるさいだろうからこのままでいいや。」

上機嫌な蓮はバンジがいないことに全く気付かず一人ケラケラと笑っていた。

「ん?あれはあの生意気な金持ち坊っちゃん達じゃねーか。ホントに今日の俺ってついてるぜ!これも日頃の行いが良いからだろうな。」

フェザに乗っている蓮のほぼ真下辺りでキャンプをしているのだろう、秋と咲智がテントを建てている最中であったため、蓮にとってはまたも好都合なことに二人の鞄はシートの重り変わりとして置かれていた。

「よう!二人して仲良くキャンプなんて相変わらず熱いなー。へへっ!」

そう言いながら蓮は二人の鞄を盗り、フェザの上に乗せた。

「あっ!チビ男!俺と咲智の鞄返しやがれっ!」

秋が上昇中のフェザと蓮の方へ手を伸ばし、1つの鞄を掴み取り返した。
しかし、それは秋と咲智どちらの鞄でもない他の鞄だった。 それに気付いた時には既に蓮とフェザの姿は無く、残ったのは秋と咲智と誰かの鞄と立て掛けのテントのみ。

「クソー!バロン持ってかれたっ!」

「ライア達もだ…! ところでその鞄…誰の?トレーナーならトレーナーカードが入ってるはずだけど。」

咲智に言われ、秋は遠慮無く誰かの鞄をあさり始めた。
咲智の言う通りトレーナーカードが入っておりカードの名前の欄には『リーフ』と書いてあった。
そのトレーナーカードを見た秋と咲智はお互い顔を合わせてまさか…と呟き…

「「真森ぃっ?!!」」

と声を合わせて叫んだ。

秋がおそらく真森のであろう鞄の中に入っていたモンスターボールを投げてみると中からは当然ライド、レイム、マリンが出てきて、この鞄はやっぱりまぎれもなく真森の鞄なんだと納得した。

「で?どうするんだよこいつらとこの鞄。」

秋はライド達と真森の鞄を指差して咲智に問う。

「多分、真森の方も蓮を追っているはずだから俺達も蓮を捜そう!」

咲智の言葉でようやくライド達は自分達の身に何が起こっているのか理解した。
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