Novel
□帰還
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「バンジって俺の前だとめちゃくちゃ可愛い奴なんだ!毎晩この暑苦しい中、俺の布団の中に入ってくるんだぜ?暑いけどバンジは可愛いから許しちゃうんだよなー! どーだ羨ましいだろ?」
「あっそ。」
「へー。」
蓮のバンジ自慢話が始まり、秋と咲智は右耳から聞いたことを左耳から流していた。
『真森も私達のこと……特に私が大好きだから今頃バンジも私達の自慢話を聞かされているはずね。』
『ウチら……特にウチの自慢となればきっと1週間は語れるはずだからバンジも大変やろうね。』
ライドとレイムはお互いの自分が一番愛されてると思い込んだ発言を聞き、睨み合いを始め、数秒後には炎と電気の激しいぶつかり合いに発展していた。
『私が一番可愛いって言ってるじゃないっ!』
『わがままで自意識過剰なトカゲを真森が可愛がるわけないやろが!』
そんな二匹の喧嘩に気付かないはずもなく、秋達は喧嘩を止めさせようとあの手この手を使うが、二匹の喧嘩は止まなかった。
「むっ!あの炎と電気はまさか……!」
真森は炎と電気が出ている方へと走った。
『うわ!もっと優しく走れねーのかよ!落ちるだろ?!』
ちゃっかりいつもの蓮とバンジのように歩き疲れたバンジは真森の肩に乗っていたため、いきなり全力疾走する真森にバランスを崩しそうになっていた。
「あ、悪い悪い。
………あ、やっぱりか!
おーーい、ライドー!レイムー!マリンー!」
ライド達の姿を確認した真森は大声でライド達の名前を叫んだ。
『あ!真森の声がするわ!』
『相変わらず男らしくない声やなー。』
『まあ真森っち!お久しぶりですわー!』
ようやくライド達とと再会出来た真森はライド達を抱き寄せて喜んだ。
蓮もバンジと感動の再会を果たしていた。
『でもやっぱり咲智様の方が素敵ですわ☆』
マリンはそういうとピョンッと真森の腕から抜け、最早定位置となった咲智の頭の上に乗った。
「NOOoooooo…!俺の可愛いマリンがぁぁああっ!」
咲智は真森にキッと睨まれ、苦笑した。