*はぴば企画*
□After Birthday
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――時計の針は短針と長針が重なり合い、月が真上に登った頃、万事屋の玄関の扉が開く音がした。
インターフォンはともかくノックさえもしない訪問者。
銀時が眠たい目を擦りながら行ってみると、高杉がちょこんと立っていた。
「……よ……よォ」
「こんな遅い時間にしか来れないなんてよォ、テロリストさんは大変ですねェ」
「……フン、悪かったな」
「いいって。……中、入れよ」
2人はソファーに向き合って座った。
「今日は銀さんの誕生日です!だから……はい、プレゼント頂戴♪」
「ない」
「……っへ?」
「だから、ない!……今さっき思い出したンだよ」
「…………へぇ〜“思い出した”。“覚えてた”じゃなくて。……晋ちゃん良く言えるね」
「……だから………………悪かった」
「言葉では何とも言えるよ。……だから別な物で償って。ね、晋ちゃーん?」
銀時は、晋助が誕生日プレゼントを持ってきてない事に腹を立てた。
「…………償ッ!?」
晋助は、だんだん銀時のペースに呑まれてゆく……。
銀時は晋助の胸に指を向け低く甘い声を発した。
「……お前を、頂戴?」
いつの間にか晋助の視界は変わっていて、目と鼻
の先には銀時の紅く狼のような、獲物を捕らえて満足したような顔が…。
「ぎッ……銀、時…………何を」
「何って、糖分摂取。今日のは上物だ♪」
まるで兎と狼。
晋助は銀時の餌食となった。
――ふぁさ、と静かな空間に乾いた衣擦れ音が響く。
「晋ちゃん、大人しくお縄にかかりなさいッ!」
「も……もう、かか……ってるだろが……ッ!!」
「まだ夜は始まったばかりだぜ?……フン、楽しませてくれよ、晋ちゃん*」
銀時の顔がさっきより近くなった。
晋助は抵抗したが、この状況に、そして本気の銀時の前には無力だった…。
「銀……時ッ……、な……なにを……っん、ふぅ……んッ」
晋助の口内に銀時の舌が侵入してきた。
「だから、……糖分……摂取、っ……て言……っただ……ろう?」
銀時は巧みに晋助の舌を操る。
絡ませては離し、回したりと激しく動かす。
「や……やめろ……ッ、んッ!!」
「そうゆう顔されると、ますます注られちまう♪」
銀時はお口遊びだけでは足りないらしく、首元を嘗め始めた。
「ん〜晋ちゃん可愛い*このまま食べちゃいたい♪」
「もォ……た、食べて……い、るだ……ろう……がッ」
晋助は頬を赤く染めて仕切りに唸る。
「まだ食べてないよ!これからゆっっくり食べるから安心して*」
……晋助はこの後、銀時に骨の髄の奥の奥まで食い付くされたのだった。
――チュンチュン……
朝がやってきた。
銀時はいつの間にか眠ってしまっていた。
ふとテ―ブルを見ると、小さなメモ用紙が。
『銀時。お前が寝てしまったので、帰る。……はっぴぃば―すでぃ銀時。by晋助』
「フン…………今度はああして、こうして……あぁ楽しみ♪ 」
銀時の不気味な笑い声で、神楽は目が覚めた。
太陽が登り、人々が活動し始める頃銀時はそっと静かに目を閉じた。
終